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NYダウ5日続落313ドル安、金利上昇で下落
【市況】NYダウ5日続落313ドル安、金利上昇で下落

20日のNYダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比313ドル26セント(0.9%)安の3万4715ドル39セントで終えた。
 
ダウは前日までの4営業日で1260ドル余り下落。ナスダックは、昨年11月に付けた終値の史上最高値からの下落率が前日に10%を超えていた。また、先週末からの長期金利上昇が一服したことを受け、割高感が強まって大幅下落していたハイテク株などを買い戻す動きが取引開始後に活発化した。
ただ、その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を来週に控え、利上げ加速観測が相場の重しとなり、上げ幅を縮小。取引終盤にマイナス圏に沈んだ。
 
長期金利は1.82%前後と前日終値(1.86%)を下回っている。午前中はこのところ下げが目立っていた高PER(株価収益率)のハイテク株に押し目買いが入り、ダウ平均の上げ幅は460ドルに達した。
 
ただ、米連邦準備理事会(FRB)が早期に金融引き締めに動き、米経済の景気減速につながるとの警戒が高まっている。化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、建機のキャタピラーなど景気敏感株を中心に売りが膨らんだ。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなど主要ハイテク株も朝高後は下落に転じた。
 
19日の株式市場ではS&P500種株価指数が、長らく下値支持線になってきた100日移動平均を下回って終えた。他の主要株価指数でもチャート分析での先安観が強まっており、「先行きの景気不安の高まりで、投資家の積極的な買いが続かなくなっている」との声があった。
 
今週に入り、米株式市場では取引終了にかけて売りが強まる展開が続いている。20日も午後3時以降に急激に売りが膨らみ、19日同様にこの日の安値圏で終えた。市場では「株価が下落トレンドを強めているのを受け、機関投資家が午後に機械的な売りを出している」との見方があった。
 
一方、好決算を発表した銘柄には個別に買いが入った。取引開始前に発表した2021年10〜12月期決算で1株利益などが市場予想を上回った保険のトラベラーズは3%上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落。終値は前日比186.235ポイント(1.3%)安の1万4154.020と昨年6月以来の低水準で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが下落した。アナリストが投資判断を引き下げた半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は5%下落した。エヌビディアなど他の半導体株も総じて下落した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,715.39−313.26
S&P500種
4,482.73−50.03
ナスダック
14,154.020−186.235
FTウィルシャー5000
45,695.81−538.91
NY金(ドル/トロイオンス)
1,843.20+30.80
NY原油(ドル/バレル)86.29−0.67
円・ドル114.08 - 114.18−0.31
 
 

【シカゴ日本株先物概況】


20日のシカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比75円安の2万7500円で引け、20日の大取終値を290円下回った。
NYダウは、国内金利の上昇も一段落したためハイテクの買戻しも目立ち、堅調に推移した。しかし、引けにかけて、来週に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的引き締め政策への根強い懸念にともなう利益確定売りが強まり、下落に転じた。
米景気の先行きへの警戒感を背景に日経平均先物は米株とともに売り進まれた。朝方は買いが優勢となる場面もあった。


 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27500 ( -290 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27525 ( -265 )
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7585.01(−4.65)
20日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日の終値に比べ4.65ポイント(0.06%)安の7585.01で引けた。
長期金利の上昇が一服したことが株式相場を後押しした。ただ、FTSEがマイナスとなったのは、軟調だった金融やエネルギーの関連銘柄が株価指数に占める割合が高いためだった。
午後に米株式相場が上昇して始まると、英市場にも買いが波及して下げ幅は縮まった。
 
銀行株は全銘柄が下落した。欧米の長期金利の低下を受けて、利ざや縮小を意識した売りに押された。たばこ株も下げた。
 
個別銘柄を見ると、独旅行代理店大手トゥイが6.7%の大幅高。欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は1.6%高と締まるなど、旅行関連株の上昇が目立った。複数のアナリストが目標株価を引き上げた教育事業のピアソンは高かった。産業用ソフトウエアのアヴィバグループも上げた。
一方、衣料・食品小売りのアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)の下げが目立った。第1四半期決算で衣料部門のプライマークの売上高が減収となり、通期の業績見通しも据え置いたため失望売りが出たようだ。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15912.33(+102.61)
20日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて102.61ポイント(0.65%)高の1万5912.33だった。
午前は軟調に推移していたが、米株高が波及して上昇した。引けにかけて一段高となった。
個別では、医療機器のザルトリウスは連日の上昇。食材・レシピ宅配のハローフレッシュやエネルギー関連株にも買いが入った。ダイムラーをはじめ自動車関連株は売りに押された。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7194.16(+21.18)