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NYダウ25ドル安、3日続落。貿易摩擦への懸念
【市況】NYダウ25ドル安、3日続落。貿易摩擦への懸念
14日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比25ドル89セント安の2万5175ドル31セントで終えた。
 
米商務省が朝方発表した5月の小売売上高は季節調整後で0.8%増と、市場予想(ロイター通信調べ)の0.4%増を大幅に上回った。労働省が公表した最新週の新規失業保険申請件数も前週比で4000件減少。これらの強い米経済指標を受けて米景気の先行きに期待が広がり、ダウは序盤に一時131ドル上昇した。
 
12日に通信大手のAT&Tとメディアのタイムワーナーの事業統合を米連邦地裁が認めたのをきっかけに、通信とメディアの業界再編が進むとの期待が高まった。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやCATV大手コムキャストなど関連株が上昇し、相場を支えた。
 
欧州中央銀行(ECB)が14日の理事会で量的金融緩和を年内に終了すると決めたが、来年夏まで利上げしない方針も示した。欧州国債利回りの低下につれて米国債利回りも下がった。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が売られ、相場全体の重荷になった。
 
また、トランプ政権が中国の知的財産権侵害に対抗する貿易制裁関税を早ければ15日にも発動する方向で準備を進めているとの報道も、航空機大手ボーイングや建機大手キャタピラーなどの売りを誘った。
 
ナスダック総合株価指数は反発。終値は前日比65.343ポイント高の7761.042と、2日ぶりに過去最高値を更新した。フェイスブックやアルファベット(グーグル)などの主力株が買われた。
 
セクター別では、メディアや公益事業が上昇する一方で銀行や自動車・自動車部品が下落した。
 
個別では、米長期金利の下落でバンク・オブ・アメリカ(BAC)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が軟調推移。ソフトウェア大手のオラクル(ORCL)は、JPモルガンによる投資判断引き下げを受け下落。呼吸器疾患の吸入薬について米当局から欠陥が指摘された後発医薬大手のマイランも安い。
 
一方、ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)は、21世紀フォックス(FOX)に対して650億ドルの買収案を新たに提示し上昇。スポーツ用品のナイキ(NKE)は、一部アナリストによる目標株価引き上げを受け買われた。
売上高見通しを引き上げた手作り品売買サイトのエッツィーが急伸した。
 
 
VIX指数は12.12と下落(前営業日12.94)。
ダウ平均は前日比マイナスで引けたものの、ナスダック総合株価指数とS&P500はプラス圏で引けたことで、VIX指数は一時11.88まで下落した。
予想を上回った米5月小売売上高や予想を下回った新規失業保険申請件数などから、米国経済の好調さが確認された。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,175.31−25.89             
S&P500種
2,782.49+6.86
ナスダック
7,761.042+65.343
 
米10年債利回り(%)
2.9388 -0.04
米2年債利回り(%)
2.5696 -0.012
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,308.30+7.00
NY原油(ドル/バレル)
66.98+0.09
円・ドル
110.64 - 110.65   +0.72
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅に反発した。
9月物は前日比55円高の2万2835円で終え、大阪取引所の終値を135円上回った。円安に加え、ナスダック総合株価指数が過去最高値を更新したのが好感された。
ダウ工業株30種平均は米中貿易摩擦の激化などが重荷になり3日続落した。
9月物の高値は2万2865円、安値は2万2660円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22835 ( +135 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22875 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7765.79(+62.08)
FTSE100種総合株価指数は、前日13日の終値に比べ62.08ポイント高の7765.79で引けた。5月下旬以来3週間ぶり高値で終了。欧州株高や英通貨ポンドの下落を好感して3営業日ぶりに上昇した。
昼すぎに出された欧州中央銀行(ECB)理事会の声明で、ECBが少なくとも2019年夏までは利上げをしないとの方針を示すと、欧州株が上昇し、英株も上げに転じた。幅広い銘柄が買われ、構成銘柄の約8割が上昇した。
 
個別では、航空機エンジンのロールス・ロイスは上げ幅を広げ、6%超高と大幅に上昇した。14日朝に大幅人員削減によるリストラ計画を発表した。削減数は英国内を中心に全従業員の約8%にあたる4600人で、コスト削減の効果を期待した買いが入った。銀行株も上げた。
 
半面、配当の権利落ちとなった住宅建設のパーシモンと水道のセバーン・トレントが安かった。食品・日用品のユニリーバの下げも目立った
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13107.10(+216.52)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅続伸。終値は前日13日と比べて216.52ポイント(1.68%)高の13107.10と、約3週間ぶりの高値水準となった。
 
欧州中央銀行(ECB)の理事会後の声明を受けて、緩和基調が続くとの見方から独株式相場は全面高となった。構成銘柄の約9割が上昇した。
電力株と医療機器のフレゼニウスが大幅高で引けた。一方でコメルツ銀行が売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5528.46(+75.73)
欧州の主要株式市場では、フランスの株価指数CAC40は、1%以上、上げた。