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一進一退の展開か

一進一退の展開か
日経平均はこのところサポートになっていた節目の2万3500円を下回って終了。16日の終値は前日比96円安の2万3410円だった。
昨日の米国市場は欧州の新型コロナの感染拡大を嫌気してダウ平均は3日続落した。イギリス、フランスが相次ぎ夜間の外出制限を打ち出したことで世界景気の回復が遅れるとの懸念が広がっている。
ファーストリテイリングの大幅高があっても100円近く下げており、値下がり銘柄の数も多かった。マザーズが下げ渋ってはいるものの、2日続けて強めに売られており、いったんのピーク感も感じられる。
日経平均に関しては、終値(2万3410円)が25日線(2万3401円、16日時点)に接近しており、この辺りで切り返しが見られないと、チャート形状が悪化する。8月以降は25日線を割り込んだところが買い場にはなっているだけに、今回もそうなって再び上を試す展開に期待したいところだ。
 
 
今週は軟調展開となった。ドル円が106円を割り込み、円安に一服感が出てきたことから、米国株が上昇してもこれに対する好反応が限られた。一方で、その後に米国株が下落しても、日経平均は心理的節目の2万3500円近辺では下げ渋り、売りも出しづらいという流れとなった。しかし、金曜16日の後場に手じまい売りが強めに出てきたことから、週末値では2万3500円を下回った。
マザーズ指数は2018年の高値を上回る動きを見せた。しかし、その後は目先の到達感が強まり、週間では下落した。日経平均は週間では約209円の下落となり、週足では陰線を形成した。
 
 
来週は一進一退の展開か。
小売など6-8月が決算対象となる銘柄の業績発表が今週で一巡。月末にかけては7-9月の決算が続々と出てくるが、来週はその谷間にあたり、国内は材料難となる。米国ではネットフリックスやテスラなど、注目度の高いグロース株の決算が出てくる。
米大統領選に対する不透明感とともに先行き警戒感が尾を引く。また、欧米では新型コロナウイルスの感者数が再び増加し、投資家心理に影を落としている。仏政府がパリなどの都市で夜間の外出禁止措置に踏み切り、スペインも首都マドリードで非常事態宣言を発動するなど経済へのダメージが改めて意識される。
相場のかく乱要素にはなる。これら海外要因に振らされる場面は多くなるだろう。
しかし、その先に決算ラッシュを控える状況下では、一時的にどちらかに傾いたとしても、それを修正する動きが出てきやすく、方向感は定まらないと予想する。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(16日現在)
 
24003.15  ボリンジャー:+2σ(13週)
23909.52  ボリンジャー:+3σ(25日)
23740.24  ボリンジャー:+2σ(25日)
23570.95  ボリンジャー:+1σ(25日)
23554.13  6日移動平均線
23506.23  ボリンジャー:+1σ(13週)
23499.02  均衡表転換線(日足)
23469.30  ボリンジャー:+1σ(26週)
 
23410.63  ★日経平均株価16日終値
 
23401.67  25日移動平均線
23302.15  均衡表基準線(日足)
23289.36   新値三本足陰転値
23232.38  ボリンジャー:-1σ(25日)
23160.19  均衡表転換線(週足)
23063.10  ボリンジャー:-2σ(25日)
23009.30  13週移動平均線
22990.11  均衡表雲上限(日足)
22972.34  75日移動平均線
22893.81  ボリンジャー:-3σ(25日)
22645.26  均衡表雲下限(日足)
22512.38  ボリンジャー:-1σ(13週)
22228.41  26週移動平均線
22015.45  ボリンジャー:-2σ(13週)
22009.80  200日移動平均線
 
 
下降2日目の5日線が上値を圧迫する一方、上向きの25日線近辺まで下ヒゲを伸ばした後で下げ幅を縮小して強弱感の対立を窺わせた。終値は25日線上方にとどまり、上昇トレンド継続中の短期調整の形状となった。
一目均衡表では転換線が2日連続で上昇したが、基準線は9日を起点に横ばいを続けており、依然として上にも下にも動きにくい形状。RSI(14日ベース)が55.33%、東証1部の騰落レシオが97.81%とそれぞれ中立圏にとどまっていることもあり、レンジ離脱材料を待つ相場の延長が予想される。