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反落250円安、リスク回避の売り
東京株式(大引け)=反落250円安、リスク回避の売り
【大引け概況】
21日の日経平均株価は反落し、前日比250円67銭安の2万7522円26銭で終えた。
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米国の金融引き締めをめぐる市場の混乱や景気減速を警戒したリスク回避の売りが出て、終日軟調な展開となった。下げ幅は600円を超える場面があったが、主力銘柄には値ごろ感からの買いが入り、次第に下げ幅を縮めた。
 
米国ではインフレが進む中で金融政策を巡る不透明感が強まっている。日本時間21日の取引で米株価指数先物が安く推移し、日本株にも売りを促した。アジア株式市場で香港や上海の指数が下げたことも重荷となった。
 
外国為替市場では円高・ドル安が進み、輸出採算が悪化するとの思惑から自動車や機械など輸出関連株の一部が下げた。生産計画の下振れへの警戒もあって自動車の下げが目立った。値がさの半導体関連銘柄の下げも大きく、指数を押し下げた。
 
売りが一巡した後は主力銘柄には値ごろ感からの買いが入り、次第に下げ幅を縮めた。大引けにかけては週末を控えていることもあって、売り方の買い戻しが入り、下げ幅が200円未満に圧縮される場面があった。
 
国内では新型コロナウイルスの感染が拡大し、まん延防止等重点措置の適用地域が広がる見通しだ。想定の範囲内との受け止めもあって、これまでの下げが大きかった鉄道や小売りなど内需関連の一部には買いが入った。
 
市場からは「上値は買えないが、日経平均2万7000円台前半レベルでは値ごろ感から買いが入ってくる。もっとも、来週にFOMC(米連邦公開市場委員会)や主要企業の決算発表を控え、タイミング的には動きにくい」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)も反落し、11.35ポイント安の1927.18で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆9873億円。売買高は12億3500万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は920と、全体の4割程度にとどまった。値上がりは1170、変わらずは94銘柄だった。
 

業種別株価指数(33業種)は、鉱業、輸送用機器、石油・石炭製品などが下落した。上昇は空運業、陸運業、電気・ガス業など。
 
 
個別では、連日の米半導体株安を受けてレーザーテックが4%超、東エレクが6%超の下落。INPEXも6%近い下落となったが、NY原油先物の時間外取引での下落や一部証券会社の投資判断引き下げが売り材料視されたようだ。その他、ソニーG、太陽誘電、郵船、トヨタ自、ソフトバンクG、ジェイテクトなど全般軟調。トヨタ自はコロナ禍による生産調整が伝わった。また、大幸薬品などが東証1部下落率上位に顔を出した。
 
一方、住友鉱は3%超の上昇。非鉄金属市況の上昇が買い材料視されたようだ。伊藤忠は外資系証券の目標株価引き上げを受けて買い優勢となり、投資判断引き上げ観測のコナミHDは大きく上昇。エアトリが大幅続伸するなど、経済活動の再開に期待した物色も見られた。ANAHDやJR西日本、三越伊勢丹も上昇した。また、巴川紙などが東証1部上昇率上位に顔を出した。

東証2部株価指数は前日比46.25ポイント安の7264.14ポイントと反落した。
出来高1億6070万株。値上がり銘柄数は126、値下がり銘柄数は271となった。
 
個別では、JESCOホールディングス、技研ホールディングス、コーアツ工業、ギグワークス、アウンコンサルティングなど29銘柄が昨年来安値を更新。ユニバンス、リミックスポイント、川本産業、キョウデン、アドテック プラズマ テクノロジーが売られた。
 
一方、クシム、リードがストップ高。FRACTALEは一時ストップ高と値を飛ばした。SDSホールディングス、兵機海運、東京汽船、東京衡機、YE DIGITALが買われた。