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ダウ続伸823ドル高、短期的な戻り期待
【市況】ダウ続伸823ドル高、短期的な戻り期待

24日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比823ドル32セント(2.7%)高の3万1500ドル68セントで終えた。
米国の景気後退入り懸念が根強く、ダウは前週まで3週連続で下落。14日までの5営業日での下げ幅は計2800ドルを超え、先週は約1年5カ月ぶりに節目となる3万ドルの大台を割り込んだ。急速な下げを受け、今週に入って値ごろ感の買いが広がり、相場は回復基調を維持した。
今月1バレル=120ドルを超えた米原油相場の下落や銅相場安も過度なインフレ懸念を和らげる要因。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げペースが鈍化するとの思惑も浮上した。
ダウ平均は週間では5.4%高と4週ぶりに上昇した。上昇率は今年3番目の大きさ。
 
ミシガン大学が24日午前に発表した6月の消費者態度指数(確報値)は50.0と統計開始以来で最低となった。ただ、同調査で消費者が予想する1年先と5年先のインフレ率は速報値から低下した。同調査の速報値で示された期待インフレ率の高まりはFRBが6月に大幅利上げを決めた一因になったとされており、利上げ加速への過度な警戒感が後退した。
 
米長期金利の上昇一服感も株買いを支えた。米10年債利回りは前週に3.5%に迫る場面があったが、24日はおおむね3.1%台前半で推移した。長期金利が低下すると買われやすいハイテク株の追い風となった。顧客情報管理のセールスフォースは7%高、ソフトウエアのマイクロソフトは3%高で終えた。
 
前日に下げが目立った景気敏感株にも押し目買いが入った。航空機のボーイングが6%高、化学のダウは4%高となった。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も高い。消費関連株ではスポーツ用品のナイキやクレジットカードのビザの上げが目立った。
 
金融株も高い。前日にFRBが結果を公表したストレステスト(健全性審査)で、すべての銀行が不況時にも最低限必要な自己資本を維持できるとの見解を示した。これを受けて金融機関が株主還元を相次ぎ発表するとの期待から、ゴールドマン・サックスは6%高、JPモルガン・チェースは3%高で終えた。
 
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比375.427ポイント(3.3%)高の1万1607.620で終えた。主力ハイテク株が軒並み買われ、前日に下げが目立った半導体株も高い。ナスダック指数は週間では7.5%高と4週ぶりに上げた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,500.68+823.32
S&P500種
3,911.74+116.01
ナスダック
11,607.620+375.427
FTウィルシャー5000
39,673.02+1,190.41
NY金(ドル/トロイオンス)
1,830.30+0.50
NY原油(ドル/バレル)
107.06+2.79
円・ドル
135.21 - 135.23−0.16
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


24日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比675円高の2万6870円で引け、24日の大取終値を390円上回った。日経平均先物は米株の続伸を受けて買われた。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を終え、積極的な利上げ観測が後退したことで警戒感がやや薄れ、投資家心理が上向、買いが優勢となった。






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

24日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに大幅に反発した。前日に比べ188.36ポイント(2.68%)高の7208.81で引けた。24日のアジアと米国の株高で投資家心理が上向き、引けにかけて上げ幅を拡大した。医薬品株や飲料、食品、たばこ株など景気に業績が左右されにくいディフェンシブ株が買われ、原油安一服でエネルギー株が買い直された。
FTSEでは、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズが5.9%高と、上昇率トップ。保険大手プルーデンシャル(5.5%高)や製薬大手アストラゼネカ(3.8%高)も買われた。
 



■ドイツ・フランクフルト株価指数

24日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに大幅に反発した。前日に比べ205.54ポイント(1.59%)高の1万3118.13で終えた。24日のアジアと米国の株高で買い安心感が広がった。前日に約3カ月ぶりの安値で終えていたため、短期的な戻りを期待する買いも入り、幅広いセクターの銘柄が買われた。



■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は3.23%高だった。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を終え、積極的な利上げ観測が後退したことで、買いが優勢となった。