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NYダウ112ドル高、トルコ情勢警戒感和らぐ
【市況】NYダウ112ドル高、トルコ情勢警戒感和らぐ
 
14日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発した。
終値は前日比112ドル22セント高の2万5299ドル92セントだった。
 
米国人牧師の拘束問題をめぐり関係が悪化する米国の対トルコ制裁関税強化をきっかけに、前週末から拍車が掛かったリラ売りが14日は一服。世界的に高まった投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。
トルコ向け債権の不良化懸念から欧州市場での銀行株売りが波及し、軟調だったシティグループなど米大手金融株も14日は買い戻しが入り、ダウの上昇を主導した。
前日まで売られていたゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、ダウ・デュポンといった金融や素材関連株が買われた。
 
全米自営業者連盟(NFIB)が14日に発表した7月の米中小企業の楽観度指数が前月比で上昇し、調査開始以来で2番目の高水準となった。市場では「景況感の改善が投資家心理の支えにつながった」との指摘があった。
 
好決算を手掛かりとした買いも入った。14日朝に市場予想を上回る四半期決算や通期の売上高見通しを発表した高級皮革「コーチ」などを傘下に持つタペストリーが大幅高だった。小売最大手のウォルマートや大手百貨店など今後決算発表が相次ぐ他の小売銘柄にも買いが広がった。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比51.189ポイント高の7870.895で終えた。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)など主力株が上昇し、指数を支えた。
 
セクター別では、食品・生活必需品小売や消費者・サービスが上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や半導体・半導体製造装置が下落した。
 
個別では、衣料品のタペストリー(TPR)は、傘下のケイト・スペードが好調で決算内容が予想を上振れ大幅上昇した。通信大手のスプリント(S)は、19年上期に第5世代移動通信規格(5G)対応端末を米国市場に投入することを発表し堅調推移した。清涼飲料のコカ・コーラ(KO)は、スポーツ飲料を手掛けるボディ・アーマーの株式を取得し買われた。
 
一方で、カジノ・ホテル運営のウィン・リゾーツ(WYNN)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け下落。電気自動車のテスラ(TSLA)は、昨日にマスクCEOが株式非公開化に向けてゴールドマン・サックスやプライベート・エクイティ(PE)をアドバイザーに起用したと言及したものの、両社ともに正式な合意に至っていないことが明らかとなり下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,299.92+112.22
S&P500種
2,839.96+18.03
ナスダック
7,870.895+51.189
 
米10年債利回り(%)
2.9022 +0.025
米2年債利回り(%)
2.6411 +0.029
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,200.70+1.80
NY原油(ドル/バレル)
66.77−0.27
円・ドル
111.22 - 111.23+0.12


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比285円高の2万2320円となり、14日の大阪取引所の終値と同水準だった。トルコ通貨リラの下げ一服で投資家心理が上向き、米国株とともに買われた。円安進行も支えになった。
この日の高値は2万2375円、安値は2万2020円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22320 ( 0 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22335 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7611.640(−30.81)
FTSE100種総合株価指数はトルコ通貨リラの急落が一服したものの、資源株などが下げを主導し、小幅に4日続落した。
前日13日の終値に比べ30.81ポイント安の7611.64で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
トルコリラの下げ止まりでリスク回避姿勢が後退し、午前は小動きで推移した。午後に欧州株が下落に転じたことにともない、英国株の下げ幅は徐々に拡大したが、米国株が上昇して始まると下げ渋った。
 
主な個別銘柄では、チリ産銅大手アントファガスタが7.0%安で下落率トップ。上期決算で利益が大幅に減少したことが嫌気された。英鉱業大手アングロ・アメリカンが2.2%安、メキシコ産金大手フレスニーヨが1.5%安と他の資源株も軟調。競争法違反に伴う巨額罰金が報じられた英郵便大手ロイヤル・メールは1.6%安。英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、同スタンダード・チャータードなどの金融株も引き続き緩んだ。
旅行のTUIはこの日も大幅安となった。
 
半面、総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループ1.6%高で上昇率トップ。水道のセバーン・トレントも1.2%高で続き、「ディフェンシブ銘柄」が総じて買われた。建設資材のファーガソンも上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12358.87(+0.13)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに小反発した。
終値は前日13日と比べて0.13ポイント高の12358.87だった。トルコリラの下げ止まりを受けて、欧州各国株式相場は午前に上がっていた。トルコへの懸念は根強く、午後には各国ともに下げに転じたが、ドイツ株はその後、前日終値付近の狭い範囲で推移した。
 
上期利益が市場予想の範囲内となった電力のRWEは、アナリストによる株価目標引き上げもあり3%超上がった。同業のエーオンと日用品のバイヤースドルフも買われた。
 
一方で、自動車のダイムラーとBMWは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5403.41(−8.91)