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「歌舞伎のようだと」
「歌舞伎のようだと」
NY株式市場で主要3指数は上昇。
「貿易問題を巡る米中間の関税の応酬は材料視されなかった」という指摘。
むしろアップルやボーイングは反発した。
アップルは一部製品が対中追加関税の適用除外となったことを好感。
「当初20〜25%程度との観測があったが10%に引き下げられた。
予想されていたほどは悪くはない」という声も聞こえる。
債券市場のテーマは貿易摩擦ではなくFRBの金融引き締めの方向性。
「他の世界的な動向は注視されていない」との見方。
7月と8月の米雇用統計で時間当たり賃金が伸びたことでインフレが上向いていることが裏付けられた格好。
FRBの引き締め路線継続は正当化されている。
10年国債利回りは一時3.044%まで上昇。
危険水準は3.6%とされているがまだ余裕はある。
為替市場でも関税問題の影響は限定的。
「米中通商問題の市場への影響は極めて軽微にとどまろう。
関税措置により中国も米国も経済成長に有意な影響は受けていない。
現時点では米中通商問題は(ドラマ化と華美な衣装で知られる)日本の歌舞伎のようなものとして扱われている」。
そんな面白いコメントも見られる。
ドル円は112円台前半で推移。
約2ヶ月ぶりの水準だ。
 
週初は7ヵ月半ぶりの23400円台。
「米中2000億円の追加関税という第3弾発表で悪材料出尽くし」との解釈だ。
意外なことに日経平均の上昇率は1.41%。TOPIXは1.81%。
先々週末7日から先週末14日までの週間上昇率は日経3.5%に対しTOPIX2.6%。
個別でファーストリテ7.7%高に対しトヨタ3.8%高。
「資金の動きは明らかに日経偏重だった」との見方だったがコレが変化した。
TOPIXは一目均衡の雲の上限(1737)を上抜けた。
200日線(1763)にあと少し。
そう考えるとTOPIXの逆襲局面となってきた。
一方日経平均は3日連続の3ケタ上昇で23500円が目前。
1月高値24129円まで大きな抵抗はない。
「24000円あたりまでノンストップとなっても不思議ではない」との声も聞こえる。
NT倍率は13.36倍。
騰落レシオは109.31に上昇。
新高値は79銘柄、新安値は25銘柄。
空売り比率は38.2%で3日連続40%割れ。
価格規制ありが33.0%、価格規制なしが5.2%と低下した。
日経平均のPERは13.52倍。EPSは1732円。
4月24日〜5月1日が日足陽線5本。
3本は2月19日、3月28日、5月21日、6月4日、6月22日、7月17日、9月18日。
4本はない。
ボリンジャーのプラス3σは23504円、プラス2σは23200円。
1月9日以来のプラス3σタッチとなった。
終値ベースとしては1月5日以来だ。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.878%。買い方▲9.835%と差は拡大。
25日線(22590円)からは3.7%、200日線(22424円)からは4.4%のプラスかい離。
プラスかい離は昨年11月7日のプラス6.77%以来だ。
25日線からの第一次限界水準プラス5%は23715円だがシカゴでクリアしてきた。
となると第2次限界水準は8〜10%の24397円〜25829円と計算は可能だ。
ちなみにマイナスの最大かい離は2月13日のマイナス8.51%だったからこれを当てはめれば24512円だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比385円高の23665円。
現物換算では23825円となる。
高値は23725円だったからココが今日の一つの節目。
気学では「下押しを見せると小底を作り上放れると反落する」。
今年12勝22敗の水曜の13勝目になる気配。
 
 
まとめて見れば・・・。
ヒジュラ暦の新年9月11日は通過した。
アノマリー通りの株高。
そして昨年9月SQに向けての記憶の甦り。
9月11日(月)270円高。
9月12日(火)230円高。
9月13日(水)89円高。
9月14日(木)58円安。
9月15日(金)105円高。
9月19日(火)389円高だった。
今年の9月メジャーSQに向けての動向。
9月10日(月)66円高。
9月11日(火)291円高。
9月12日(水)60円安。
9月13日(木)216円高。
9月14日(金)273円高。
9月18日(月)325円高。
ほぼ一緒の足取りだ。
昨年9月20日(水)は11円高だったが今年はコレ以上に期待だ。
ちなみにこの後11月9日まで歴史的16連騰を含んで一本調子の上げとなった。
起こっていることは地銀等地方金融機関の益出しの売りの終了。
そして持ち合い解消売りの終了。
貸株の買い戻し期限も概ね20日近辺だ。
安川電、ナブテスコ、SUMCO、THK、三井金など3月以降下落率の高かった銘柄の反騰はこの傍証になる。
市場から聞こえてきた「諦めの買い戻し」という声もある。
その意味では「ウリ一巡」の時期。
日経ヴェリタスの特集は「政治の秋 実り育む リスクの先に見える株高」。
「戦後、中間選挙の半年後は例外なく米株高となる経験則。
近年も12年の第2次安倍政権発足後、16年の米大統領選後はいずれも半年で2ケタの上げを演じた。
政治リスクの深い霧が晴れた先。
そこに10月下旬からの4〜9月期決算で堅調な企業業績が確認できれば株高の確度はぐっと上がる。
試練に育まれた分、秋の実りはより大きなものになる可能性がある」。
 
株価はなぜ動くのか。
根源的な解答は「売る人が多ければ下がり、買う人が多ければ上がる」。
これが究極の原理原則だ。
しかし市場はコレでは満足しない。
脚色された高級な解説を望む。
なぜ売る人が多いのか、買う人が多いのか。
この理由探しに躍起になるのである。
しかしこれで枝葉末節に陥るから相場は見えにくくなる。
一般社会では頭脳明晰な人は簡単明瞭に説明する。
そうでない人は変なプライドが邪魔をして複雑怪奇なレトリックで解説する。
本当は簡潔明瞭が望まれるのに、そうでないから相場がややこしくなる。
しかも市場は本当の賢さで包まれていないので多くの事柄が登場すると理解不能となる。
連立方程式さえ解けない場所で多元化するとそれこそ煙に巻かれる。
高尚な複雑怪奇を捨てて原理原則に立ち戻れば、相場は少し見えてくる気がする。
 
 
NYダウは184ドル高の26246ドル。
NASDAQは60ポイント高の7956ポイントと3日ぶりの反発。
S&P500は15ポイント高の2904ポイントと反発。
ダウ輸送株指数は46ポイント高の11514ポイント。
SOX指数は0.84%上昇。
3市場の売買高は63.9億株。
CME円建ては大証比385円高の23665円。
ドル建ては大証比430ポイント高の23710ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比360円高の23640円。
ドル円は112.35円。
10年国債利回りは3.057%。
 
 
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 (兜町カタリスト櫻井)