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刹那的解釈
「刹那的解釈」
「刹那的解釈」
 
2000年以降の8月15日を含む週(お盆休み)の騰落。
過去17回のうち上昇が8回、下落が9回。
ただ下落9回の内下落幅が1000円を越えたのが2回。
この記憶が「お盆は安い」につながっているのだろう。
NYでは昨年半ば以降5%以上の調整は起きていないというのがアノマリー。
「04年以降で最も長い本格調整なき上昇相場」とされる。
S&P500が3日続落し下落率が1.5%超となったのは2015年以降18回。
水準回復までの平均日数は37日。
ただし16年半ば以降の4回では平均23日。
所詮その程度なのだろう。
  
ちなみに日経平均の4日続落での下落幅は500円超。
この間先物を売り越してきた外資系証券の手口からの推計。
9日はクレディが1400億円。
10日は、モルガンスタンレーが800億円。
14日はUBSが960億円、モルガンスタンレーが800億円。
合計で4000億円という計算だ。
日経平均の9日のVWAP(加重平均価格)は19775円、10日が19726円。
TOPIXは1618ポイント、1616ポイントだ。
つまりこれ以上の水準は投げ水準。
だから昨日前場の買い戻しに繋がったとも言えるのだろう。
一方でこれらの手口の主体となる売り手の行方を阻んでいるのは日銀のETF買い。
「年間6兆円のETF買いが続く以上は短期筋の売り仕掛けはなかなか成功しない」との声がある。
「慌てて買い戻す売り手の存在」はボラを高める要因となっているに違いない。
 
市場関係者のコメントというのは結構刹那的で面白い。
例えば「北朝鮮とアメリカが軍事衝突した場合の為替動向」に対する回答。
「当初はリパトリ(本国への資金韓流)からの円買いドル売りでの円高。
その後は地政学リスクの高まりでの円安」。
金トラの軍事衝突で本当にリパトリが起こるのだろうか。
目の前に国が軍事衝突したときに、わざわざ基軸通貨のドルを円に換金しようとする動きがあるのだろうか。
すごく疑問なのだが、涼しい顔で「まずはリパトリ」との声。
いずれ円安になるシナリを持っているのに、どうしてわざわざリパトリするのか。
この説明は聞かれない。
よく吟味すると不自然なシナリオばかりが横行しているのに過去を顧みないから不自然を反省しない傾向は否定できない。
いい加減な商売もあるものである。
理路整然としていながらも頭隠して尻隠さずのシナリオが多いという気もする。
わからないことはわからないというのが正直だと思う。
無理やりシナリオを創作するから辻褄が合わなくなる。

(櫻井)。