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NYダウ173ドル安と3日ぶり反落、利益確定売り
【市況】NYダウ173ドル安と3日ぶり反落、利益確定売り
 
25日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落した。前日比173ドル77セント(0.6%)安の2万9872ドル47セントで終えた。
 
ダウ平均は前日、3万ドルの大台を初めて突破。バイデン次期政権への移行作業が始まり、政治的不透明感が後退したことや、コロナワクチンの開発進展などが買い材料となった。25日はこれを受けて利益確定売りが広がり、エネルギーや素材などの景気敏感株が下げを主導した。
 
新型コロナウイルスの感染が再拡大し、失業者が増えかねないとの懸念も売りにつながった。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は77万8000件と前週から3万件増え、市場予想も上回った。市場では「経済活動を制限した影響が出た。一時解雇(レイオフ)は今後数週間で増えるだろう」との見方があった。
 
米連邦準備理事会(FRB)が11月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を午後に公表すると、ダウ平均は下げ幅を広げる場面もあった。参加者は「一段の感染拡大が経済回復をむしばむ可能性を懸念していた」ことがわかり、景気下振れが意識された。
 
前日まで上昇基調だった景気敏感株への売りが目立った。石油のシェブロンや化学のダウ、建機のキャタピラー、銀行のJPモルガン・チェースなどが安い。ビジネス対話アプリのスラック・テクノロジーズを買収する方針だと伝わった顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムが5%安となったのもダウ平均の重荷だった。
米国の株式市場は、26日が感謝祭の休場で、27日も短縮取引となる。休暇ムードが広がる中、相場は総じて動意に欠ける展開となった。
 
一方、足元で景気敏感株に資金が流出していたハイテク株の一角には買いが戻った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比57.617ポイント(0.5%)高の1万2094.402で終えた。9月2日以来の過去最高値更新。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやスマートフォンのアップルといった主力株の一角が買われた。決済アプリのスクエアとペイパル・ホールディングスの上げも目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
29,872.47−173.77
S&P500種
3,629.65−5.76
ナスダック
12,094.402+57.6172
NY金(ドル/トロイオンス)
1,804.60−33.20
NY原油(ドル/バレル)
45.86+0.95
円・ドル
104.45 - 104.49−0.02


 

【シカゴ日本株先物概況】


25日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比165円安の2万6305円で引け、25日の大取終値を75円下回った。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が雇用情勢の悪化を示し、売られた。今週に上げ進んだ反動から、利益確定の売りが出やすかった。
26日が感謝祭の休場で、27日も短縮取引となる。休暇ムードが広がる中、相場は総じて動意に欠ける展開となった。
この日の12月物安値は2万6185円、高値は2万6710円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
26305 ( -75 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
26310 ( -70 )
※( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6391.09(−41.08)
25日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ41.08ポイント(0.6%)安の6391.09で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
前日に上昇した銘柄を中心に利益確定の売りが優勢だった。株式相場はここ数日、新型コロナウイルスワクチンの開発状況を巡って売り買いが交錯している。
 
スナク英財務相はこの日の下院で、今年の英経済は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って11.3%のマイナス成長が見込まれるものの、21年は5.5%のプラス成長にとどまると発言。これを受け、コロナワクチンの開発成功を好感した強気相場は一服となった。
石油株、鉱業株、銀行株は前日から一転して軒並み下落した。
 
個別銘柄では、前日大幅上昇した石油のBPと航空機エンジンのロールス・ロイスの下げが目立った。英衣類小売ネクストは3.8%安。外食・ホテル大手ウィットブレッドと英再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルは各3.7%安だった。
 
一方、前日に金相場安を受けて売られた金関連のフレスニージョは上昇した。食品・日用品のユニリーバが高かった。米国のビタミン剤企業の買収で合意したと伝わり、ヘルス部門の事業拡大を期待した買いが入った。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13289.80(−2.64)
25日のドイツ株式指数(DAX)はわずかに反落した。終値は前日と比べて2.64ポイント安の1万3289.80と、前日終値からほぼ横ばいだった。
前日に大幅上昇した反動もあり、積極的な売買は手控えられ取引は低調だった。
個別では、フォルクスワーゲンを筆頭に自動車株や航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズが利益確定の売りで下落した。前日下落した不動産のボノビアと料理宅配大手のデリバリーヒーローは上げた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5571.29(+12.87)