兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

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大きな流れの中で
「大きな流れの中で」
NY株式市場は上昇し主要3指数揃って史上最高値を更新。
NYダウは終値ベースで初めて23000ドルを上回った。
牽引役はIBM。
10〜12月期に5年ぶりの増収を見込んだことを好感。
上昇率9%の急伸となり1日の上昇率としては2009年以来約8年ぶりの大きさだった。
株価は年初から12%近く下落していたからリバウンドの動きとも言える。
NYダウ上昇寄与度は90ドルに及んだ。
「はるかに強力なIT組織として姿を現すと確信する」というレポートも登場した。
全般は企業業績の堅調を背景に買い物優勢の展開。
NYダウが終値で22000ドル台を付けたのは54営業日前の8月2日。
21000ドル→22000ドルまでに掛かった日数の半分程度となった。
「個人投資家の買いが続いている。
最高値更新や節目突破が伝わるたびにさらに多くの投資家が市場に引き寄せられる」という声も聞こえる。
最近ではほとんど気にもされない地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)。
「経済が9月から10月初旬にかけて控えめから緩やかなペースで拡大」で着地。
米住宅着工件数は1年ぶりの低水準だった。
債券市場は2年債利回りが2008年11月以来の水準に上昇。
12月の利上げ確率は80%と横ばい。
 
日経平均は12連騰示現。
アベノミクススタート以来の記録に並んだ。
TOPIX、JPX400は8日続伸。
指数だけは踏ん張っているが個別では値上がり717銘柄で全体の35%。
値下がり1226銘柄だったからモードは「反落」だっただろう。
値下がりした銘柄が圧倒的に多い中での連騰記録という奇妙な現象だ。
12連騰のうち5日間は値下がり銘柄数の方が多いというのが現実。
10月2日の「2日新甫」から18日までの騰落では、日経平均がプラス5%。
TOPIXはプラス3%。
「日経平均の強さが際立っている。
リード役不在の日経平均限定型のブル相場」とも表現されよう。
日経平均の12日間の上昇幅は1006.77円。
1日当たり83円高。
ようやくにして累計上昇幅が1000円を超えてきた。
1988年2月10日〜27日の13連騰。
1960年12月21日〜1961年1月11日の14連騰という記録への挑戦の資格はまだある。
「岩戸景気」への挑戦みたいな印象だ。
衆院選の投開票日後の23日まで上昇が続けば新記録となる。
1970年以降の衆院総選挙では、解散日から投票日前日までの騰落が日経平均で13勝1敗。
TOPIXで11勝3敗と投票日までが上昇しやすいアノマリーがある。
一方選挙終了後1カ月は日経平均7勝8敗、TOPIX8勝7敗と「前楽後憂」だ。
225先物大証夜間取引終値は日中比100円高の21450円。
25日線(20522円)からの乖離はプラス4.1%(前日4.3%)と低下。
前日比70円以上、上がらないとプラス乖離は低下する。
騰落レシオは128.44%まで低下した。
逆にサイコロは12勝無敗で100%。
10月13日時点の裁定買い残は前週比2081億円増加し2兆4029億円。
一方裁定売り残は2183億円減少し3241億円。
週間で2000億円超の減少というのは滅多にない。
裁定売りからは撤退というサインなのかも知れない。
日経平均のPERは14.95倍でEPSは1428円。
2015年6月はPER16倍、EPSは1257円だった。
EPS1428円でPER16倍なら22848円と計算できる。
4日連続で上値の頭を抑えているボリンジャーのプラス2σは21417円。
結局ココで収束する可能性はあるが、一応13日続伸の可能性は高い日。
12連騰で陽線6日、陰線6日。
2日続いた日足の陰線が陽線に変わって欲しいというのが願い。
一昨日まで見られたのが寄り値のバスケット空きない。
11日1027億円、12日2262億円、13日551億円、16日2830億円。
「ゆうちょ銀行のアクティブ化を反映したのでは?」という見方もある。
 
日経では「日銀のETF残高20兆円超」の見出し。
18時点で21兆円程度、今年3月末から半年で5兆円ほど増加した。
保有残高は日銀の自己資本の3倍。
将来株価が大きく下落すれば資本がいたむ恐れという指摘。
あるいは年6兆円で増え続けるので株価次第で財務の健全性に黄信号がともるという分析。
「市場に波風を立てずに減額するのが課題」というのは確かだ。
それにしても・・・。
中央銀行が株を買うのなら失敗はないだろうというシナリオは実現したことになる。
難しく考えず、力を抜いてフツーの常識で考えることの重要性は認識できた。
 
株式市場は些細な枝葉末節ではなく大きな流れが登場しているのかも知れない。
世界株高で史上最高値更新という市場がたくさん出てきた。
日本株でさえも高値の半分程度とはいえ20年以上ぶりの復活感。
ファンドの収益は、今年は上がっていないからの動き。
企業集積を先取りした動き。
世界の経済成長が背景。
さまざまな分析がある。
しかし、もっと大きな流れと考えたほうが良いだろう。
世の中が大きく変わる前哨戦が株式市場で繰り広げられている。
それは第5次産業革命とでもいうようなもの。
AIやロボットが人間の生活を大きく変えてくるのは間違いない。
そして地政学の流れ。
北朝鮮の突出した愚かしい行動が欧米アジアの地政学を変えてくる可能性はある。
だからこその株高。
そう考えれば12連騰なんて所詮一里塚。
その先を見据えることの方が必要だろう。
起こってきたことは2008年のリーマンショックによる主役の後退と考えてもよかろう。
電気や自動車、代表的なのは金融という従来勢力からITを中心とした新興勢力への主役の変化。
だからこそリーマンショックという荒療治が象徴的に必要だった。
あながち間違ってはいないような気がする。
 
NYダウは160ドル高の23157ドルと4日続伸し史上最高値更新。
NASDAQは0.56ポイント高の6624ポイントと小幅に反発し史上最高値更新。
S&P500は1ポイント高の2561ポイントと4日続伸し史上最高値更新。
ダウ輸送株指数は75ポイント高の9899ポイント。
3市場の売買高は56億株と低調。
CME円建ては大証比100円高の21450円。
ドル建ては大証比120ポイント高の21470ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比100円高の2450円。
ドル円は112.91円。
10年国債利回りは2.339%。
非公式外資系5社動向は売り1310万株、買い1430万株。
金額ベースは28億円の買い越し(2日ぶり)。
売りは証券・陸運・建設・商社・自動車・機械セクターなど。
買いはサービス、化学・その他製品・通信・その他金融セクターなど。
売買交錯は電機・銀行・REIT・薬品セクターなど。
 

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(兜町カタリスト櫻井)