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米国株にらみの展開か

米国株にらみの展開か
 
 28日の日経平均株価は続伸し、2万7518円(前日比41円高)で引けた。朝方は、27日の米国株式市場で銀行株を主体に上昇した流れを受け、金融株中心に買いが先行した。FDIC(米連邦預金保険公社)は26日、経営破たんしたSVBについて、米地方銀行のファースト・シチズンズ銀行が買収することで合意したと発表し、金融システム不安が和らいだ。物色範囲を広げ、上げ幅は一時120円を超えた。ただ、27日の米ハイテク株安を反映し、半導体関連株などが安く、下げに転じる場面もあった。
 
チャート上では、25日移動平均線(2万7598円)回復後にはね返さており、この抵抗線を突破できるかが問われる。
 
市場では、「米金融システムに対する不安が払しょくされた訳ではない。まだ疑心暗鬼の中にあり、上値が重く下値が堅い動きがしばらく続くのではないか」との声が聞かれた。
 
あす29日の日経平均株価は、米国株にらみの展開か。
現地28日には、米3月CB(コンファレンス・ボード)消費者信頼感指数など重要経済指標が発表されるほか、米上院でSVB(シリコンバレー銀行)破たんの監督当局の対応等を検証する公聴会が開かれる。その内容を受けて、米国マーケットがどう反応するかが注目される。
 
国内では3月期末の権利付き最終日で、配当狙いの買いが需給面での下支え要因として意識されそうだ。
2022年の権利付き最終日(2022/3/29)の日経平均は308円高(2万8252円)で終えており、後場の特に終盤にかけて強い買いが入って高値引けとなった。一方、2021年の権利付き最終日(2021/3/29)は207円高(2万9384円)となったが、一時400円超上昇したところから後場には急失速した。足元の日経平均は2万7000円〜2万7500円レベルで煮詰まっており、値幅が出るかどうかは米国株次第だが、場中に急に値動きが荒くなる可能性がある点には注意を払っておきたい。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(28日現在)
 
28597.91  ボリンジャー:+2σ(26週)
28522.69  ボリンジャー:+2σ(13週)
28469.05  ボリンジャー:+2σ(25日)
28034.02  ボリンジャー:+1σ(25日)
27950.30  ボリンジャー:+1σ(26週)
27895.39  ボリンジャー:+1σ(13週)
27832.96  新値三本足陽転値
27683.86  均衡表転換線(週足)
27683.86  均衡表基準線(日足)
27598.98  25日移動平均線
 
27518.25  ★日経平均株価28日終値
 
27396.93  均衡表雲上限(週足)
27368.71  6日移動平均線
27362.45  200日移動平均線
27321.34  均衡表雲下限(週足)
27302.68  26週移動平均線
27268.10  13週移動平均線
27209.97  75日移動平均線
27178.38  均衡表基準線(週足)
27163.95  ボリンジャー:-1σ(25日)
27162.81  均衡表雲上限(日足)
27118.19  均衡表転換線(日足)
26928.79  均衡表雲下限(日足)
26728.92  ボリンジャー:-2σ(25日)
26655.07  ボリンジャー:-1σ(26週)
 
ローソク足は小陰線で終了。ほぼ水平の25日移動平均線が上値を押さえる一方、急角度で上昇中の5日線が下値支持線となり、上下どちらにも値幅が出なかった。ただ、一目均衡表では遅行線が強気シグナル発生を再開するとともに、3月13日を直近ピークに下降してきた転換線が上向きに転じ、反転トレンド入りを示唆した。株価が雲上方に位置することもあり、チャートは買い手がやや優勢の形状となっている。