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ダウ続伸297ドル高、景気回復期待
【市況】ダウ続伸297ドル高、景気回復期待

 9日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比297ドル03セント高の3万3800ドル60セントと5日以来となる過去最高値を更新した。米経済活動の正常化への期待や緩和的な金融政策の長期化観測から、景気敏感株を中心に買いが優勢だった。
 
米国では、新型コロナワクチンの普及が順調に進んでおり、これまでに約2割が接種を終えた。米製薬大手ファイザーは9日、接種対象を12歳以上に拡大するよう米当局に申請した。各州では、経済活動の規制を緩和する動きが広がっている。市場では、早期の景気回復や経済正常化への期待が高まっており、買いが先行した。
 
来週から発表が本格化する米主要企業の2021年1〜3月期決算が好調な結果になるとの期待が買いを促したとの指摘もあった。
 
午後に入り、主力ハイテク株への買いが強まると、ダウ平均など主要株価指数は上げ幅を広げる展開だった。スマートフォンのアップルと半導体のインテルはともに2%高で終えた。ソフトウエアのマイクロソフトは連日で上場来高値を更新し顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも上昇が目立った。
 
アナリストがそれぞれ目標株価を引き上げた機械のハネウェル・インターナショナルと医療保険のユナイテッドヘルス・グループはともに3%超上昇し、ダウ平均を押し上げた。
 
米労働省は朝方、3月の卸売物価指数(PPI)が前月比1.0%上昇したと発表。エネルギーと食料品を除いたコア指数は0.7%上昇し、上げ幅は、いずれも市場予想を上回った。早期の景気回復によるインフレ懸念が根強いが、米連邦準備制度理事会(FRB)は最近、こうした物価上昇を一時的なものとして、金融緩和を継続する姿勢を強調している。これが安心感につながり、相場を下支えした。利ざや拡大の見方からJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。
 
クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長は9日、インフレについて今年予想されるインフレ率の政策目標に対する上振れは「一時的」と述べたと伝わった。経済活動の正常化が進むなかでも、FRBによる緩和的な金融政策は当面続くとの見方を後押しした。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比70.875ポイント(0.5%)高の1万3900.185と2月中旬以来の高値で終えた。グーグルの親会社アルファベットが連日で上場来高値を付けた。労働組合結成の是非を問う従業員投票が反対多数で否決されたネット通販のアマゾン・ドット・コムも買われた。
 
S&P500種株価指数は3日続伸し、31.63ポイント(0.8%)高の4128.80と連日で過去最高値を付けた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,800.60+297.03
S&P500種
4,128.80+31.63
ナスダック
13,900.185+70.875
NY金(ドル/トロイオンス)
1,744.80−13.40
NY原油(ドル/バレル)
59.34−0.26
円・ドル
109.63 - 109.65+0.13
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


9日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比225円高の2万9920円で引け、9日の大取終値を150円上回った。

NYダウ平均は297.03ドル高(+0.89%)と3日続伸し、4日ぶりに史上最高値を更新した。新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う景気回復への期待から買いが入った。



シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29920 ( +150 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29945 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

9日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ26.47ポイント(0.4%)安の6915.75で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
前日まで高値水準が続いたことから、週末を控えて利益確定の売りが優勢だった。
FT指数は週間では2.6%高。ロイター通信によると、1月上旬以来の高い伸び率となった。
 
前日に上昇したハイテク株やたばこ株、鉱業株が売られ指数を押し下げた。鉱業株は金属相場の下落も売り材料になった。金融株と石油株はそれぞれ全銘柄が下げた。
 
個別銘柄では、航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の下げも目立った。スイス資源大手グレンコアは1.9%安。賭け屋大手エンテイン(旧GVCホールディングス)とメキシコ産金大手フレスニロは各1.8%安だった。
 
一方、小売株や住宅建設株など内需株は上昇した。英国では12日から行動規制の段階的緩和として計画通り店舗の営業などが再開される見通し。国内の経済活動が正常化するとの期待が強まった。アナリストが目標株価を引き上げたスポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは5.1%高と大幅高となった。蒸気システム大手の英スパイラックス・サーコは2.4%高、英エンジニアリング会社ウィアーグループは2.2%高、英住宅大手テイラー・ウィンペイは1.9%高と好調だった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数

9日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて31.48ポイント(0.2%)高の1万5234.16となり、終値ベースで6日に付けた過去最高値を更新した。
午前は高値圏で一進一退していた。午後に米国のダウ平均株価指数が最高値を上回って始まると、ドイツ株も上げ幅を広げた。
 
個別では、ドイツポストが高かった。好調な第1四半期決算を受けて、2021年の営業利益が大幅に伸びるとの見通しを示し買われた。料理宅配大手のデリバリーヒーローは続伸した。一方、前日上昇した電力株は利益確定の売りで下落した。自動車株も軟調だった。
 


■フランス・パリ株価指数
6,169.41 +3.69    
フランスの株価指数CAC40が終値ベースで00年11月以来の高値水準となった。