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ダウ3ドル高、金融引き締めの長期化警戒
【市況】ダウ3ドル高、金融引き締めの長期化警戒

29日ののNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比3ドル07セント高の3万3852ドル53セントで終えた。

中国の厳しい新型コロナウイルス規制が微修正されるとの期待から29日の中国株が大幅に上昇し、投資家心理が改善した。半面、30日にパウエルFRB議長の講演を控え、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が相場の重荷となった。

リッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁やセントルイス連銀のブラード総裁らFRB高官は前日、インフレ抑制のため、2023年以降も金融引き締めを継続し、政策金利をより高い水準に引き上げる必要性を強調した。

市場では、23年の利上げ継続を織り込む動きが進み、金利上昇局面で売られやすいハイテク株が下落。金融引き締め長期化への懸念が強まり、売りが先行した。

中国の衛生当局は29日、新型コロナの防疫措置に関する記者会見で、高齢者へのワクチン接種強化や防疫措置の微調整の継続の方針を発表した。感染拡大を封じ込める「ゼロコロナ」政策への抗議活動が中国の主要都市で相次いだことを受け、前日には同国経済の悪化を懸念した株売りが広がっていた。過度な警戒感が和らぎ、株が買い直された。

化学のダウや航空機のボーイングなど景気敏感株の上昇が目立った。半面、米長期金利の上昇で相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株は売られ、スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォースが下落した。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比65.720ポイント(0.6%)安の1万0983.779で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと電気自動車のテスラが下げた。

 

【シカゴ日本株先物概況】

29日のシカゴ日経平均先物は続落した。12月物は前日比100円安の2万7990円で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化への警戒感が重荷となり、ほぼ横ばいだった。同日の米株式市場でナスダック総合株価指数が3日続落した。ダウ工業株30種平均も下げる場面が多く、日経平均先物にも売りが出た。


シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27990 ( -70 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27990 ( -70 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7512.00(+37.98)

29日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ37.98ポイント(0.51%)高の7512.00と、8月下旬以来約3カ月ぶりの高値で引けた。カナダの銀行事業をカナダ大手銀ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)に135億カナダドルで売却することで合意したと29日発表した英金融大手HSBCホールディングスが大幅高となるなど、銀行株への買いが指数を押し上げた。

HSBCは事業売却で得られる見込みの余剰資本を、一時的な配当または自社株買いで株主に還元することを検討するとしている。


個別では、構成銘柄の約3割強が上昇。金融大手スタンダード・チャータードが5.0%高、同業HSBCホールディングスが4.4%高、保険大手プルデンシャルが3.9%高と買われた。
一方、医療・安全装置メーカーのハルマは6.3%安と急落したほか、会計ソフト大手セージと特殊化学品大手クローダ・インターナショナルもそれぞれ3.7%安、2.8%安となった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14355.45(−27.91)

29日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日に比べ27.91ポイント(0.19%)安の1万4355.45で終えた。29日発表の11月の独消費者物価指数(CPI)の伸び率は前年同月比10.0%上昇と、前月から鈍化したものの、2ケタの伸びが続いた。高インフレが当面続く見通しや先行きの景気悪化への懸念が重荷となった。
個別では、素材化学大手コベストロが3.2%高、ミュンヘン再保険が2.1%高、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が1.9%高と買われた半面、製薬会社サルトリアスは3.8%安、産業ガス大手リンデは2.6%安、香料大手シムライズは2.2%安だった。


■フランス・パリ株価指数
CAC40 6668.97(+3.77)

フランスCAC40種指数は0.06%高だった。中国で新型コロナウイルス感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策が緩和されるとの期待から買われた。