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年率換算4%成長だが・・・
「年率換算4%成長だが・・・」
「年率換算4%成長だが・・・」
 
10日のNY株式市場は大幅安。
S&P500の下落率は1.4%、NASDAQは同2%超。
「米朝間の緊張激化に伴い、ハイテク株中心にリスク資産を売る動きが拡大」との解釈。
トランプ大統領の北朝鮮に対する「炎と怒りに直面する」との前日の警告。
あれが「十分に強硬でなかった」可能性があるとの発言を悪材料視した格好。
VIX(恐怖)指数は16.04まで上昇。
トランプ大統領選以来の高水準となった。
週末11日のNY株式市場では主要3指数がそろって4日ぶりの小幅反発。
7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は0.1%上昇。
市場予想の0.2%に届かなかった。
FRBが年内再利上げに慎重な姿勢を示す可能性の材料と解釈された。
VIX(恐怖)指数は15.51まで低下した。
北朝鮮問題は進展なし。
一方で「企業業績が好調で金利が低水準ならば市場は北朝鮮情勢をそれほど深刻に受け止めないだろう。
株価は引き続き上昇する可能性がある」という声も聞かれた。
週足ではS&Pが1.4%、ダウが1.1%、NASDAQが1.5%の下落。
S&P総合500採用企業の2017年第2四半期決算は前年同期比12.0%の増益見通し。
エネルギーセクターを除いた増益率は9.3%。
これまでに500社中455社が第2四半期決算を発表。
利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は73.6%。
長期平均の64%、過去4四半期の平均の71%を上回っている。
S&P500採用企業の今後4四半期の予想PERは17.6倍。
 
 
3連休前の日経平均株価は地政学リスクの高まりと円高トレンドを受けて小幅に3日続落。
「3連休前らしい神経質な展開。
北朝鮮リスクを手掛かり材料とした短期的な売り仕掛けもあったろう」という声も聞こえる。
「週足では三角保ち合いを下放れしそうな形状となっているため円高進行への警戒は必要」という見方もある。
日経平均は週間では約222円、1.1%の下落で4週続落(累計1.9%下落)。
週足は陰線。
TOPIXは0.9%安で2週ぶり反落。
東証マザーズ指数は3.5%安、3週続落(累計9.4%下落)。
日経ジャスダック平均は0.4%安、2週続落(累計1.2%下落)。
東証2部指数は2.1%高、2週ぶりの反発。
8月第1週の海外投資家は2週連続で売り越し。
売越額は295億円。
個人は2週ぶりに売り越しで売越額は1401億円(前週は529億円買い越し)。
信託銀行は2週連続で売り越しで売越額は64億円。
先物動向では海外投資家は3週連続で売り越し。
売越額は828億円。
前週は1868億円の売り越し。
証券会社の自己売買部門は5週連続で買い越し。
買越額は758億円。
前週は1903億円の買い越しだった。
個人は2週ぶりの買い越しで買越額は937億円。
前週は498億円の売り越し。
信託銀行が3週ぶりに売り越し。
売越額は246億円。
都銀・地銀は4週連続で買い越し。
シカゴ225先物は木曜に大幅下落、金曜は小幅に反発。
結局は大証夜間取引は日中比315円安の19394円と大幅下落での戻り。
週末のSQ値19825円など忘れている向きも多かろうが、はるか上の幻になった印象。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲13.087%。
買い方は▲6.751%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方は▲4.25%(前日▲3.13%)。
買い方は▲16.15%(前日▲14.92%、4月14日▲19.41%)。
空売り比率は41.0%(前日41.6%)と2日連続の40%超。
日経VIは16.26まで上昇。
日経平均採用銘柄のPERは13.96倍。
EPSは1413.31円と過去最大水準なのが救いだろうか。
8月14日株高のアノマリーは残念ながら成就しそうもない気配。
ボリンジャーのマイナス3σ(19754円)水準や75日線(19874円)水準割れは行き過ぎと考えたいところ。
4月17日の週以来の26週線(19569円)割れが一つの目途になろうか。
トランプ選挙以来上回っている52週線(18755円)はまだ下に位置している。
 
全体の97.7%が通過した4〜6月期決算企業の業績。
4〜6月売上高は7.5%増、経常利益は23.4%増、純利益は33.2%増。
通期売上高は5.2%増、経常利益は6.6%増、純利益は13.6%増の見通し。
「上場企業の業績が一段と上向く」というのが金曜日経朝刊の表現。
「期初見込みを3ポイントほど上回り、2期連続で過去最高になる」。
それでもPERは14倍割れなのだから、市場は希望と未来を感じていないということになる。
空売り比率が40%台というのも業績を信じていないことの裏返しなのかも知れない。
自動車セクタ増益、電機セクターの利益拡大。
足元を見ずに見えないものの呪縛にとらわれるのは東京市場の特質でもある。
因みに2018年3月期上場企業の5社に1社が過去最高の純利益になる見通し。
運輸、ゼネコン、食品など内需企業も健闘しているとの味方。
「値上げによる単価上昇で採算改善する企業が目立つ」という活字も滲んで見えてきそうだ。
 
4〜6月期実質GDP速報値は1.0%(年率4.0%)で着地。
前期は1〜3月は年率換算1%だったから本来は相当なサプライズだ。
予測平均値は前期比年率2.24%増と6期連続プラス成長の見通し。
名目GDPは1.1%(年率4.6%)で着地。
 
登場してきたのは弱気のレポート。
「日経平均は年初から小動きで、そうした年は8月に保ち合いを放れる傾向が強い。
また7月相場は歴史的な 小動きだったが、そうした月の翌月は軟化しやすい。
この8月は下放れしやすい。
テクニカル的には5月に東証1部の騰落レシオ(25日)が160%まで上昇したことが大きい。
1971年以降で騰落レシオが160%台まで上昇したのは5回しかない珍しい現象。
5回のうち1回を除いては約3ヵ月後に日経平均は13週線を割れてしまった。
今回も日経平均は、13週線(19951円)割れの動き。
13週間は約3ヵ月間にあたる。
約3ヵ月前の5月に騰落レシオが160%以上に上昇した頃からの売買平均コストを割り込むことになる」。
 
NYダウは204ドル安の22048ドル→14ドル高の21858ドル。
4日ぶりの反発(9日比190ドル安)。
NASDAQは135ポイント安6352ポイント→39ポイント高の6256ポイント。
(9日比96ポイント安)。
S&P500は35ポイント安の2474ポイント→3ポイント高の2441ポイント。
(9日比96ポイント安)。
ダウ輸送株指数は115ポイント安の9235ポイント→79ポイント高の9199ポイント。
3市場の売買高は75億株→61.5億株。
CME円建ては大証比355円安の19355円→315円安の19395円。
ドル建ては大証比345ポイント安の19365ポイント→300円安の19410円。
225先物大証夜間取引は日中比360円安の19350円。
ドル円は109.13円→109.14円。
10年国債利回りは2.212%→2.189%。
 
非公式外資系5社動向は売り1750万株、買い1810万株。
金額ベースは61億円の売り越し(2日ぶり)。
売りは不動産・自動車・証券・通信・精密セクターなど。
買いは薬品・サービス・商社・保険・化学・建設・繊・電力・ガスセクターなど。
売買交錯は機械・電機セクターなど。
 
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(兜町カタリスト櫻井)