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NYダウ36ドル高、ゼロ金利長期化を好感
【市況】NYダウ36ドル高、ゼロ金利長期化を好感

 
15日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比36ドル78セント高の2万8032ドル38セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日が最終日となる2日間の金融政策会合で、市場予想通り、事実上のゼロ金利と量的緩和の維持を決定。併せて公表した会合参加者の経済・金利見通しで、ゼロ金利を少なくとも2023年末まで続けるとの想定が示された。金融緩和長期化への期待から、ダウ平均は一時約370ドル高となった。その後のパウエルFRB議長の記者会見を経て、ダウは上げ幅を縮小した。
 
声明では「物価上昇率がしばらくの間、穏やかに2%を超える水準を目指す」とフォワード・ガイダンス(政策指針)を変更し、利上げのハードルを引き上げた。新たに公表した23年の政策金利見通しでは中央値が現状(0.125%)と同水準だった。ゼロ金利政策を長期化し、景気回復と物価上昇を促すと受け止められた。
 
景気敏感株は総じて堅調。前日夕に発表した決算を受けて、16日にアナリストが相次いで目標株価を引き上げた物流のフェデックスが大きく上げた。航空機のボーイングなど輸送関連株が全般に買われた。原油高を受けてシェブロンなど石油関連株が上昇、ゴールドマン・サックスなど金融株も上げた。
 
ただ、ダウ平均は引けにかけて急速に伸び悩んだ。景気敏感株が買われる一方、ハイテク株は売られ、指数の重荷となった。スマートフォンのアップルは3%安、ソフトウエアのマイクロソフトは2%安で終えた。
 
主力ハイテク株には悪材料も出た。米連邦取引委員会(FTC)が、反トラスト法違反でSNS(交流サイト)のフェイスブックを提訴する準備をしていると報じられた。規制強化への警戒感を誘い、ネット検索大手グーグルの親会社アルファベットなどにも売りが波及した。
 
15日にニューヨーク証券取引所に上場したビッグデータの保管・分析サービスを手掛けるスノーフレイクの終値は253.93ドルと公募・売り出し(公開)価格の120ドル、初値の245ドルを上回った。投資家がアップルなどの大型ハイテク株を売って、スノーフレイク株を買ったとの指摘も聞かれた。
セクター別ではエネルギーや銀行が大きく買われた一方で、テクノロジー・ハード・機器が売られた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、同139.86ポイント安の1万1050.47で終えた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,032.38+36.78
S&P500種
3,385.49−15.71
ナスダック
11,050.469−139.855
NY金(ドル/トロイオンス)
1,970.50+4.30
NY原油(ドル/バレル)
40.18+1.90
円・ドル
104.93 - 104.97−0.31
 

【シカゴ日本株先物概況】


 
16日のシカゴ日経平均先物は小幅反落した。
12月物は前日比30円安の2万3300円で引け、16日の大取終値と並んだ。
NYダウは、連邦公開市場委員会(FOMC)でのハト派姿勢を期待して、寄り付きから堅調に推移した。予想通り大規模緩和策を据え置き、スタッフ予測で市場予想よりも長い2023年末までゼロ金利を予想していることが明らかになると上げ幅を拡大した。
しかし、パウエルFRB議長が会見で現行の資産購入規模が適切であるとし、「現行のガイダンスは極めて強力」との考えを示すと追加緩和期待が後退し、引けにかけては上げ幅を縮小した。
引けにかけて米株に売りが強まり、日経平均先物も連れて下げた。
この日の9月物安値は2万3235円、高値は2万3365円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23300 ( 0 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23360 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6078.48(−27.06)
16日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ27.06ポイント安の6078.48で引けた。指数構成銘柄の約6割が値下がりした。
 
英国と欧州連合(EU)が結んだ離脱協定の一部を無効にできる「国内市場法案」について、英議会の審議の行方が懸念され売りが徐々に強まった。英中銀イングランド銀行の金融政策委員会を17日に控え、下値は限られた。医薬品と石油株が下落し、株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、アナリストが株価目標を引き下げた石油のBPは売られた。同社は石油精製量について、2019年時点の日量170万バレルを25年までに日量150万バレルに縮小する計画を示した。航空機エンジンのロールス・ロイスは5%超下げた。
 
一方、英商業用不動産大手ランド・セキュリティーズは2.7%高、英プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは2.6%高、包装資材大手モンディは2.5%高、配管・暖房流通大手ファーガソン(旧ウルズリー)は2.4%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13255.37(+37.70)
16日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて37.7ポイント(0.3%)高の1万3255.37だった。日中を通して不安定な展開が続いた後、引けにかけて買いが優勢となった。
 
ハイデルベルクセメントが買われた。同社は、今年初めに実施したコスト削減が功を奏し、2020年7〜9月期のこれまでの業績が堅調だと示した。医療機器のフレゼニウスの上昇も目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数 
CAC40 5074.42(+6.49)