兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

NYダウ23ドル高、「合意なき離脱」の回避に
【市況】NYダウ23ドル高、「合意なき離脱」の回避に

17日のNYダウ工業株30種平均は前日比23ドル90セント高の2万7025ドル88セントと反発した。ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。
 
英国とEUはこの日、離脱案の修正で合意し、EUは首脳会議で新たな離脱案を承認した。離脱の期限を月末に控える中、社会・経済に混乱をもたらす「合意なき離脱」の回避に向け大きく前進した。この動きを歓迎し、株式市場は買い先行で始まった。
 
また、米主要企業の7〜9月期の決算発表が本格化しており、業績の改善期待が相場を押し上げた。17日に発表した7〜9月期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った機械のハネウェル・インターナショナルが買われた。米中貿易摩擦などの影響を受けやすい資本財関連銘柄の業績が予想ほど悪くないと受け止められ、建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)などにも買いが波及した。
 
金融のモルガン・スタンレーも同日に市場予想を上回る四半期決算を発表し、買いが優勢だった。同業のJPモルガン・チェースなども上昇した。ユナイテッドヘルス・グループへの買いも目立ち、ダウ平均を押し上げた。ダウ平均は午前中に110ドル高まで上昇した。
 
ただ、英議会は19日に新たな離脱案を審議する見通しだが、北アイルランドを地盤とする閣外与党の民主統一党(DUP)は新離脱案を支持できないとの意向を示した。31日のEU離脱の実現性には不透明感が残り、ダウ平均の上値を抑えた。
 
16日夕に発表した四半期決算で売上高が市場予想に届かなかったIBMが大幅安となったのも、ダウ平均の重荷となった。
 
セクター別では、ヘルスケア機器・サービスや食品・生活必需品小売が上昇する一方でソフトウェア・サービスや自動車・自動車部品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比32.669ポイント高の8156.853と約1カ月ぶりの高値で終えた。16日夕に発表した四半期決算で全世界の契約者数の伸びや1株利益が市場予想を上回った動画配信のネットフリックスが高い。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,025.88+23.90
S&P500種
2,997.95+8.26
ナスダック
8,156.853+32.669
NY金(ドル/トロイオンス)
1,498.30+4.30
NY原油(ドル/バレル)
54.10+0.74
円・ドル
108.60 - 108.61−0.23
 

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は横ばい。
12月物は前日比変わらずの2万2520円で引け、17日の大証終値を60円上回った。
英国と欧州連合(EU)が17日、英国のEU離脱で合意し買いが先行した。その後は19日の英議会審議を控えEU離脱の先行き不透明感が広がり、値を消した。米企業の好決算を好感する買いが入る場面もあったが日経平均先物の上値は重かった。
 
この日の12月物高値は2万2685円、安値は2万2420円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22520 ( +60 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22540 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7182.32(+14.37)
FTSE100種総合株価指数は4日ぶりに小反発した。前日の終値に比べ14.37ポイント高の7182.32で引けた。指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
英国と欧州連合(EU)の離脱案の修正協議が合意に達した。10月末のEU離脱を控えて進展が見られたことで、株式相場は投資家のリスク選好気分が強まった。
ただ、与党に閣外協力する民主統一党(DUP)が修正案に反対を表明するなど、議会通過は予断を許さない状況。株価も引けにかけて伸び悩み、上げ幅を縮小した。
 
保険株と石油株が買われ相場を下支えした。離脱合意を受けて「合意なき離脱」の懸念が後退し、小売株や建設株などの内需株の一部が買い戻された。
 
個別では、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルが2.7%高で上昇率トップ。保険大手プルーデンシャル2.6%高など他の保険会社も締まった。
一方、飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングや酒類のディアジオなどの多国籍企業銘柄も売られた。製紙のモンディが5.0%安、包装のDSスミスは5.0%安、梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは、3.6%安といずれも下げ幅を広げ、下落銘柄の上位を占めた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12654.95(-15.16)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに小反落した。終値は前日と比べて15.16ポイント安の12654.95だった。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、同日午前にEUと英国が離脱の条件で合意したことを好感した買いで日中に一時100ポイント以上、上昇する場面があったが、引けにかけて電力株などに利益確定の売りが出て下落に転じた。
 
個別銘柄では、アナリストが目標株価を引き下げたオンライン決済サービスのワイヤーカードが安かった。航空のルフトハンザは上げた。経営破綻した伊アリタリア航空の再建を巡り、ルフトハンザが出資参入するようだとの報道が材料になった。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5673.07(-23.83)
利益確定の売りで終盤にかけて下落した。