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NYダウ165ドル安、新型肺炎でアップル売上未達が重し
【市況】NYダウ165ドル安、新型肺炎でアップル売上未達が重し
 
18日のNYダウ工業株30種平均は3日続落した。連休前の14日に比べ165ドル89セント安の2万9232ドル19セントで終えた。17日に新型肺炎の影響で1〜3月期の売上高予想を達成できないと発表したスマートフォンのアップルが下落した。発表を嫌気し、半導体関連株や中国売上高が大きい銘柄にも売りが波及した。
 
新型肺炎の影響で、春節(旧正月)連休明けの製造委託先の操業再開ペースが鈍く、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の出荷が制約を受ける可能性があると説明。これに加え、中国での店舗休業が販売の打撃になっているという。
同社と取引のあるクアルコムなど半導体株が総じて下げ、アプライドマテリアルズなど半導体製造装置株もそろって売られた。
中国の通信大手、華為技術(ファーウェイ)について「取引がある米企業に対して米政府が輸入規制の拡大を検討している」と報じられたのも半導体株の重荷となった。
 
アップル株の連想で、中国売上高が大きい化学のダウやスポーツ用品のナイキも売りが優勢だった。米長期金利の低下を受け、利ざや縮小の観測からゴールドマン・サックスなど金融株の下げも目立った。
 
ダウ平均は昼前に281ドル安まで下げたが、午後に下げ幅を縮めた。四半期決算と同時にネット通販の採算改善見通しを示した小売り大手のウォルマートが1.5%上げ、ダウ平均を支えた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループも高い。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年実施した3度の利下げや、米経済への楽観的な見方を背景に、株価の下値は堅かった。
 
セクター別では、食品・生活必需品小売や公益事業が上昇する一方で銀行やテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は小幅ながら続伸し、過去最高値を更新して終えた。終値は1.567ポイント高の9732.743。アップルは下げたが、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムやフェイスブックなど他の主力株がいずれも上昇。アナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアも2%強上げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
29,232.19−165.89
S&P500種
3,370.29−9.87
ナスダック
9,732.743+1.567
NY金(ドル/トロイオンス)
1,586.40+7.60
NY原油(ドル/バレル)
52.12+0.07
円・ドル
109.87 - 109.88+0.17


 

【シカゴ日本株先物概況】


18日のシカゴ日経平均先物は続落。
米アップルが17日、新型肺炎による中国の供給問題により、2020年1〜3月期の売上高予想を達成できないと発表。新型肺炎の企業業績へのマイナス影響に懸念が高まりNYダウ工業株30種平均が下落。日経平均先物もつられて下げた。

3月物終値は、前週末比345円安の2万3190円で引けた。大阪取引所の終値は10円下回った。


シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23190 ( -10 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23200 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比
 



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7382.01(−51.24)
18日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ51.24ポイント安の7382.01で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
 
米アップルが新型肺炎の影響で2020年1〜3月期の売上高見通しを達成できないと発表し、新型肺炎の感染拡大が世界規模で企業の業績を下押しすると懸念され売られた。銀行株の下落が株価指数の下げに大きく影響した。
 
個別銘柄では、大幅減益と大規模リストラを発表した英金融大手HSBCホールディングスが6.6%安。同社は今後3年で3万5千人を削減し、今後2年間は自社株買い戻しをしない計画を発表した。資源商社のグレンコアも4%超下げた。19年通期に4年ぶりの赤字に転落したことが響いた。旅行代理店大手トゥイとロシア鉄鋼大手エブラズは各2.8%安だった。
 
一方、総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループはアナリストが株価目標を引き上げたことが好感され上昇した。総合ヘルスケアのNMCヘルス5.5%高と携帯電話サービスのボーダフォン・グループは2.8%高と上げた。
  
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13681.19(−102.70)
18日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて102.70ポイント安の13681.19だった。
米アップルが新型肺炎の感染拡大を理由に業績の先行きに弱きな見通しを示したことから、世界規模で企業業績への影響が懸念された。
 
個別では、四半期の売上高が減少したハイデルベルクセメントが大幅安となった。自動車のダイムラーの下げも目立った。電力のRWEと不動産のボノビアは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6056.82(−29.13)