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21円高、朝高後で上昇幅は急速に縮小
東京株式(前引け)=21円高、朝高後で上昇幅は急速に縮小

8日午前の日経平均株価は小幅続伸した。前日比21円78銭高い2万3352円10銭で前場を終えた。
中国商務省は7日夕、米国との貿易協議で、発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと発表した。協議の進展期待から前日の米株式相場が上昇した流れを引き継いだ。また、為替は1ドル=109円10銭台と円安に振れていることも買い安心感を誘った。
 
日経平均株価は朝方に一時260円近い上昇となった。約1年1カ月ぶりに2万3500円を上回った。
決算発表がピークを迎える中で、好業績銘柄や値動きのある銘柄などへの個別物色の動きも活発だった。特にテルモ、ソフトバンクGの2銘柄で約100円も日経平均を押し上げた。
 
その後は上昇幅を急速に縮小させた。上値では利益確定売りも出て下げに転じる場面もあった。米国のナバロ大統領補佐官は米東部時間7日夕、米フォックスニュースのインタビューに対し「現時点では『第1段階』の合意条件として関税撤廃を含めることに合意はない」と述べた。この報道が市場に次第に浸透し、売りに回る投資家が増えた。「国内年金基金が利益確定売りを出している」との声もあった。
 
市場では後場の値動きが関心を集めている。
週末ということもあり、「午後の取引はやや手じまい売りが強まりマイナス圏に沈む」との懸念も出ていた。
 
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6797億円。売買高は8億5920万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1102。値下がり銘柄数は936、変わらずは115銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は、精密機器、石油・石炭製品、倉庫・運輸関連業の上昇が目立ち、下落は化学、その他製品、空運業など。
 
個別では、前日に発表した19年4〜9月期決算を受け、業績上振れ期待からテルモが急伸。1銘柄で日経平均を68円押し上げた。ソフトバンクグループ(SBG)が反発し、トヨタ自動車が年初来高値を更新。キリンHD、リクルート、武田薬品工業やソニーが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループといった銀行株も値を上げた。
 
半面、ファーストリテイリング や東京エレクトロン、任天堂、ダイキンが安い。資生堂が急落しSUMCOも値を下げた。バンナムHDや中外薬も下落した。
 
東証2部株価指数は前日比6.90ポイント高の6834.87ポイントと続伸した。
出来高9099万株。値上がり銘柄数は205、値下がり銘柄数は187となった。
 
個別では、アイスタディ、ヨネックスが一時ストップ高と値を飛ばした。広栄化学工業、ソフト99コーポレーション、ユーピーアール、都築電気、エムジーホームなど7銘柄は年初来高値を更新。大日本コンサルタント、アートスパークホールディングス、オーウイル、ビート・ホールディングス・リミテッド、ジー・スリーホールディングスが買われた。
 
 一方、ワシントンホテルが年初来安値を更新。プレミアムウォーターホールディングス、ダイトーケミックス、FRACTALE、リスクモンスター、川澄化学工業が売られた。