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ダウ165ドル高、税制改革への期待 主要3指数が最高値
【市況】 ダウ165ドル高、税制改革への期待 主要3指数が最高値
20日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比165ドル59セント高の2万3328ドル63セントで取引を終えた。
5日続けて過去最高値を更新した。

米上院で18年度予算案が可決され、税制改革への実現期待が強まり、買いが先行した。7-9月期の堅調な企業決算を受けて投資家心理が改善したほか、長期金利の上昇も好感され、終日堅調推移となった。
減税による景気刺激効果への思惑から債券が売られ、米長期金利が上昇。利ざや拡大につながるとの見方から金融株が買われた。JPモルガン・チェースが上場来高値を更新。ゴールドマン・サックスも上げ、2銘柄でダウ平均を約40ドル押し上げた。

大幅安で始まったゼネラル・エレクトリック(GE)が徐々に持ち直し、指数の上値が軽くなった面もあった。GEが朝方発表した7〜9月期決算は前年同期比10%の減益で、1株利益は市場予想を下回った。ただ、減益は電力部門の不振とリストラ費用が大きかった。リストラ期待から次第に下げ渋り、小高く終えた。

ナスダック総合株価指数は反発し、前日比23.986ポイント高い6629.053で終えた。2営業日ぶりに最高値を更新した。
S&P500種株価指数は6日続伸し、主要3指数がそろって最高値を更新した。

セクター別では、銀行や食品・生活必需品小売が上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や医薬品・バイオテクノロジーが下落した。

個別では、複合企業のハネウェル・インターナショナル(HON)や決済サービスのペイパル(PYPL)も決算内容が好感され、堅調推移した。
運動靴メーカーのスケッチャーズUSA(SKX)は市場予想を上回る決算を発表し、40%近い大幅上昇。スポーツ用品のアンダーアーマーや衣料のラルフローレン、百貨店のメーシーズなどアパレルや小売りの上げが目立った。
一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が急落。朝方発表した7〜9月期決算で売上高が市場予想に届かなかった。カミソリなどのグルーミング部門やベビー用品をはじめ、日用品の販売が振るわなかった。

NYダウ工業株30種(ドル)
23,328.63 +165.59 
S&P500種 2
,575.21 +13.11 
ナスダック
6,629.053 +23.986 

NY原油(ドル/バレル)
51.66 +0.37 
円・ドル
113.50 - 113.51 +0.83  

米10年債利回り(%) 
2.3827 +0.062
米2年債利回り(%)
1.5804 +0.025

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発し、この日のほぼ高値で引けた。12月物は前日比220円高の2万1555円で引け、同日の大取終値を105円上回った。
トランプ米政権による大型減税の実現期待から米株が上昇、円安も進んで日本株は買われた。

19日に米上院が予算決議案を可決し、税制改革の審議が進むとの見方が広がった。この日の12月物高値は2万1560円、安値は2万1310円だった。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21555 ( +105 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21580 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は小反発。前日終値に比べ0.19ポイント高の7523.23で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。
朝方に一時最高値を上回る場面もあったが、金関連株の下落や鉱業株の一部が売りに転じ、上げ幅を縮小した。

金融株が指数の上げをけん引した。欧米の長期金利上昇を好感して、金利の動きに敏感な銀行株が買われた。全面高となる中、スタンダードチャータード銀行が高かった。
半面、金価格の下落を受けて関連株のフレスニージョが大幅安となった。ランドゴールド・リソーシズも下落した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は小反発。終値は前日比1.18ポイント高の12991.28だった。
工業用ガスのリンデが高かった。ドイツ取引所が買い戻されたほか、ドイツ銀行、航空のルフトハンザも上げた。

一方で自動車は続落した。ダイムラーは四半期純利益が減少との報告が響いた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏) 5,372.38 +4.09 


欧州の主要株式市場も総じて上昇した。