兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

ダウ続伸、135ドル高、北朝鮮情勢の緊張緩和を好感
【市況】ダウ続伸、135ドル高、北朝鮮情勢の緊張緩和を好感
14日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。終値は前週末比135ドル39セント高の2万1993ドル71セントだった。
 先週末に複数の政府高官が、緊迫化する北朝鮮情勢への非軍事的解決を示唆したことで地政学リスクへの警戒感がやや後退し、買いが先行。投資家心理が改善したほか、長期金利の上昇も好感され、終日堅調推移となった。
 ダウ平均は上げ幅を160ドルまで広げ、節目の2万2000ドルを回復する場面もあった。
 
ティラーソン米国務長官とマティス米国防長官は連名で、14日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し「北朝鮮に外交及び経済的な圧力をかけ、不可逆的な朝鮮半島の非核化と弾道ミサイル開発計画の解体を目指している」との認識を示した。
 
NY連銀のダドリー総裁は14日、米通信社とのインタビューで、米経済が想定通りに推移した場合には「年内に残り1回の利上げを支持する」と語った。米利上げペースが鈍化するとの思惑が後退し、米長期金利が上昇。利ざや改善への期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株が買われ、ダウ平均を押し上げた。
 
ナスダック総合株価指数は大幅続伸し、前週末比83.676ポイント高の6340.232で終えた。フェイスブックやアマゾン・ドット・コムといった代表的なネット関連株が軒並み上昇したうえ、半導体関連株への買いが活発となったことが指数を押し上げた。
 
セクター別ではエネルギーを除いて全面高となり、特に半導体・半導体製造装置や銀行の上昇が目立った。
 
 個別では、携帯端末のアップル(AAPL)は医療保険のエトナ(AET)の保険契約者などにApplewatchを提供することについて協議中であることが報じられ、堅調推移した。
欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が高い。一部報道で中国の自動車メーカーがFCAの買収を模索していると伝わり、思惑的な買いが膨らんだ。
電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は先週行った社債発行で想定以上の応募があったほか、一部アナリストによる目標株価引き上げを受け、上昇した。
 
一方で、食品卸売りのシスコ・コーポレーションが安い。取引開始前に発表した2017年4〜6月期決算では市場予想を上回る増収となったものの、主力の米国事業の低迷を嫌気した売りが優勢だった。動画配信サービスのネットフリックス(NFLX)は経済紙「バロンズ」に株価下落を予想する記事が掲載され、売られた。
NY原油先物相場の下げが嫌気され、石油のシェブロンが下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
21,993.71+135.39
S&P500種
2,465.84+24.52
ナスダック
6,340.232+83.676
 
NY原油(ドル/バレル)
47.54−0.05
円・ドル
109.62 - 109.63−0.12
米30年国債 2.807%
米10年国債 2.218%

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は上げた。9月物は前週末比190円高の1万9585円で引け、同日の大取終値を55円上回った。
米政府高官の発言を受けて米朝の軍事衝突への警戒感が薄れ、日本株は買われた。円安と米株高も好感された。この日の9月物高値は1万9605円、安値は1万9410円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19585 ( +55 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19600 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7353.89(+43.93)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前週末終値に比べ43.93ポイント高の7353.89で引けた。鉱業株と金融株の上げが指数上昇に貢献し、構成銘柄の約7割が上昇した。
鉱業関連株が上がり、資源商社のグレンコアとBHPビリトンの上げが大きくなった。
前週末に売られた金融株は、この日買い戻された。銀行のスタンダードチャータード銀行とロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、保険のプルーデンシャルの上げが目立った。
 
半面、信用調査のエクスペリアンとセキュリティー・サービスのG4Sはともに、アナリストが投資判断と株価目標を引き下げたことが嫌気され売られた。金融サービスのプロビデント・フィナンシャルと小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)も安くなった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12165.12(+151.06)
ドイツ株式指数(DAX)は全面高となった。終値は前週末比151.06ポイント高の12165.12だった。
前週末に売られたコメルツ銀行とドイツ銀行がともに買い戻され、上げが目立った。電力のRWEは、通期利益が目標範囲の上限に達するとの見通しを示し買われた。複数のアナリストが株価目標を引き上げた鉄鋼のティッセン・クルップも上昇した。


■フランス・パリ株価指数
CAC40 5121.67(+60.75)