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ダウ反発194ドル高、景気懸念くすぶり上値重く
【市況】ダウ反発194ドル高、景気懸念くすぶり上値重く
 
23日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比194ドル23セント(0.6%)高の3万0677ドル36セントで終えた。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、22、23両日の議会公聴会で、インフレ抑制に最優先で取り組む姿勢を示す一方、金融引き締めによって景気後退に陥る「可能性がある」との認識を示した。
その中で銘柄選別が進み、ハイテク株の一角やディフェンシブ株が買われ、相場を押し上げた。
 
S&Pグローバルがこの日に発表した6月の製造業とサービス業を合わせた米総合購買担当者景況指数は、51.2に低下。市場予想も下回った。市場では「FRBの積極的な利上げが、経済活動の重荷になっていることを示している」との声が出ている。
 
市場では米国が来年にかけ景気後退に陥るとの観測が広がりつつあり、23日の米株相場では業種ごとの騰落で明暗が出た。業績が景気の影響を受けにくい日用品やヘルスケア、公益事業などディフェンシブ株が買われた一方、金融や資本財など景気敏感株は売られた。景気減速で原油需要が細るとの見方から米原油先物相場が続落し、石油株も売り一色だった。
 
米長期金利が一時3.0%と2週間ぶりの水準に低下し、高PER(株価収益率)のハイテク株には追い風となった。ただ、ハイテク株の中でも選別が進み、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなど業績の安定感が強い銘柄が買われた半面、景気に左右されやすい半導体株は総じて下げた。
 
ダウ平均は午後に190ドル近く下げる場面もあった。FRBのパウエル議長は23日の米下院金融サービス委員会で証言し、インフレ抑制に向け「無条件で取り組む」と述べた。市場では「景気や金融市場の安定を犠牲にしてでも金融引き締めを続ける姿勢を示した」と受け止められ、景気敏感株を中心に売りが強まった。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比179.113ポイント(1.6%)高の1万1232.193で終えた。主力ハイテク株のほか、バイオ株が買われたのも指数を押し上げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,677.36+194.23
S&P500種
3,795.73+35.84
ナスダック
11,232.193+179.113
FTウィルシャー5000
38,482.60+405.88
NY金(ドル/トロイオンス)
1,829.80−8.60
NY原油(ドル/バレル)
104.03−2.16
円・ドル
134.93 - 134.95−0.44
 
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


23日のシカゴ日経平均先物は横ばい。9月物は前日比変わらずの2万6195円で引け、23日の大取終値を75円上回った。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の23日の議会証言を手掛かりに、利上げ加速による景気悪化への警戒感が広がり景気敏感株が下落し上値を抑えた。米10年債利回りが約2週間ぶりの水準に低下を受け米株が反発し、買いが入る場面もあった。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26195 ( +75 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26255 ( +135 )
( )は大阪取引所終値比
 
 


【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7020.45(−68.77)
23日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ68.77ポイント(0.97%)安の7020.45で引けた。景気減速に伴う需要減の懸念から、原油や金属相場が下落しており、エネルギー株や資源株に売りが出た。
FTSEでは、産銅大手アントファガスタが5.8%安と下落率トップ。鉱業大手アングロ・アメリカン(4.6%安)や金融大手バークレイズ(4.5%安)、同ロイズ・バンキング・グループ(3.5%安)も売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12912.59(−231.69)
23日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続落した。前日に比べ231.69ポイント(1.76%)安の1万2912.59と約3カ月ぶりの安値で終えた。ドイツ政府が23日、天然ガス不足で「非常警報」を発令した。ガスの供給不足がドイツ経済を下押しし、企業業績にも悪影響が及ぶとの懸念から売りが広がった。自動車株や工業株のほか、金融株が売られた。
DAXではドイツ銀行が12.2%安と急落した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5883.33(−33.30)
フランスCAC40種指数は0.56%安だった。CACではソシエテ・ジェネラル(5.5%安)やBNPパリバ(4.7%安)が売り込まれた。