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NYダウ続伸360ドル高 金利低下受け
【市況】NYダウ続伸360ドル高 金利低下受け
 
14日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比360ドル68セント(1.1%)高の3万4382ドル13セントで終えた。
米長期金利が低下し、投資家心理が改善。前日に引き続き高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株に押し目買いが優勢となった。経済活動の正常化期待の高まりから、景気敏感株の上昇も目立った。
 
ダウは週明け10日の取引時間中には史上初の3万5000ドル台に乗せたが、米消費者物価指数(CPI)の発表などでインフレ懸念が強まり、ダウの終値ベースの下げは11、12日両日で計1100ドルを突破。売られ過ぎとの見方から前日に続いて安値拾いの動きが広がった。
米疾病対策センター(CDC)が13日、新型コロナウイルス感染防止に向けた新たなガイドライン(行動指針)を発表し、ワクチン接種完了後の行動制約を大幅に緩和したことも経済正常化期待を高める要因となった。
 
米商務省が朝方に発表した4月の小売売上高は過去最高だった3月をわずかに上回った。伸び率では前月比横ばいと、米政府による現金給付で急増した3月(10.7%増)の反動で落ち込み、市場予想(0.8%増程度)も下回った。発表を受け米債券市場で長期金利が前日に続いて低下し、ハイテク株が買い直された。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルがともに2%上げた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムと半導体のインテルも上げが目立った。
 
夏にかけ経済活動が活発化するとの期待が高まり、化学のダウや航空機のボーイング、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株が買われた。ダウ平均構成銘柄以外では、クルーズ船のカーニバルや空運のアメリカン航空グループなども大きく上昇した。
 
一方、前日夕に発表した2021年1〜3月期決算で動画配信サービスの会員数の伸びが鈍化した映画・娯楽のウォルト・ディズニーは2.6%下げた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比304.990ポイント(2.3%)高の1万3429.978で終えた。検索サイトのアルファベットや交流サイトのフェイスブック、ネット通販のアマゾン・ドット・コムがともに上昇。電気自動車(EV)のテスラは3%超上げた。エヌビディアなど半導体株も軒並み買われた。
 
一方、ナスダック指数は週間では2.3%安と4週連続で下落した。4週続落は2019年7〜8月以来、1年9カ月ぶり。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,382.13+360.68
S&P500種
4,173.85+61.35
ナスダック
13,429.978+304.990
NY金(ドル/トロイオンス)
1,838.10+14.10
NY原油(ドル/バレル)
65.51+1.69
円・ドル
109.35 - 109.37−0.31
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


14日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比610円高の2万8310円で引け、14日の大取終値を270円上回った。
長期金利の低下で、寄り付き後、上昇。疾病対策センター(CDC)がワクチン接種後の新指針としてマスク不要と決定したことに加えて、運輸保安局(TSA)が空港利用者数をパンデミック以降で最高に達したと発表したことを背景に、経済活動再開ペースの加速を期待した買いに拍車がかかった。
14日発表の4月の米小売売上高が市場予想を下回った。長期金利の低下で投資家心理が改善し、日経平均先物は米株とともに買われた。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28310 ( +270 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28315 ( +275 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
14日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ80.28ポイント高の7043.61で引けた。構成銘柄の9割が上昇した。インフレ懸念を背景とした世界的な株安が一服し、押し目買いが入った。英株価指数は朝高で始まり、午後に米国株の堅調な寄り付きを眺めて一段高となった。
原油高を追い風に石油株をはじめ、金融株など幅広い銘柄が買われた。
個別銘柄では、前日下落したファッションのバーバリー・グループは買い戻され、大幅に上昇して引けた。米市場でのハイテク株高につれ高し、ソフトウエア開発のセージ・グループも上げた。
 
半面、銅相場は下落し、鉱業のリオ・ティントやアントファガスタなどが安かった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
14日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて216.96ポイント(1.4%)高の1万5416.64だった。
 
14日のアジア市場が株高となり、欧州市場も買いが優勢だった。午後に米株も上昇して始まると上げ幅を拡大した。
 
個別では、フォルクスワーゲン(VW)など自動車株を中心に幅広い銘柄が上昇した。米市場のハイテク株高に連れ高し、半導体のインフィニオンテクノロジーズの上げが目立った。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズも高かった。
半面、素材メーカーのコベストロなど3銘柄が下落した。


■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,385.14 +96.81