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312円高と反発、米利上げ減速観測で買い
東証プライム市場(前引け)=312円高と反発、米利上げ減速観測で買い

 
1日午前の日経平均株価は反発し、前日比312円05銭(1.12%)高の2万8281円04銭で前場を終えた。前日の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを受け、東京株式市場でも買いが優勢となった。日本株は前日まで下落が続いたため、主力銘柄を中心に見直し買いも入りやすかった。
また、前日、中国政府の対コロナ政策を担当する孫副首相が声明を発表しており、「(中国の)新型コロナとの闘いは新たな段階にある」と語った。会合後の発表文によると、ゼロコロナを意味する「動態清零」という言葉が使用されなかったもよう。ゼロコロナ政策の緩和に向けた動きと捉えられ、世界経済の景気後退懸念が和らぐものとして好材料と捉えられる。
 
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前日の講演で12月にも利上げ幅を縮めると発言し、米利上げペースの減速が意識された。米長期金利の低下を背景にグロース(成長)株に買いが入り、寄り付き直後に日経平均の上げ幅は400円を超えた。
買い一巡後は伸び悩んだ。外国為替市場で1ドル=136円台まで円高・ドル安が進み、輸出関連を中心に相場全体の重荷となった。日経平均が心理的な節目の2万8500円に近づくと、利益確定売りも出やすかった。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7373億円、売買高は6億7447万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は691と、全体の約4割にとどまった。値下がりは1059、変わらずは86銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気機器、海運業、化学などが上昇した。下落は不動産業、保険業、銀行業など。
 
 
個別では、レーザーテック、東エレク、アドバンテストの半導体関連を筆頭に、日経平均への寄与度が大きい値がさのソフトバンクG、ファーストリテ、日本電産、TDK、新光電工のハイテク・グロース株が大幅高。エーザイは前日の臨床試験結果が引き続き好感されて急伸。東証プライム市場の値上がり率上位にはSansan、マネーフォワード、ラクスなどの中小型グロース株が多く並んでいる。四半期営業黒字への転換が好感されたACCESSはストップ高まで買われ、ITアウトソーシングサービスの受注を発表したニーズウェル、配当予想の増額を発表したシキボウなども急伸した。
 
一方、トヨタや任天堂はさえなかった。為替の円高進行を受けてトヨタ自、SUBARU、三菱自が下落。米長期金利の低下を受けて三菱UFJ、みずほ、第一生命HDなども総じて軟調。三井不動産、三菱地所の不動産や、KDDI、ソフトバンクの通信、日本郵政、武田薬などのディフェンシブ系も冴えない。