兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

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「日本版FANG」
「日本版FANG」
東京市場ではさほど材料視されていない日欧EPA(経済連携協定)。
NHKが実況で記者会見を放送したほどだが市場テーマとはみなされてはいない。
しかし農林水産品と鉱工業製品を合わせて日本側が約94%、EU側が約99%の関税を撤廃。
世界の貿易量の約4割を占める世界で最大の自由貿易圏となる。
EUが日本製品にかける自動車の関税は8年でゼロ。
日本製の自動車部品も92%で関税がなくなる。
電気機器は即時に約14%の関税撤廃。
日本政府の試算ではGDPを約1%(5兆円)押上げるという。
そして雇用は29万人増。
悪くはない話だ。
「米なきFTA加速」というのが日経の見出し。
保護主義への対抗と日欧の間に位置している中国の存在感の拡大。
地政学は大きく変わろうし人類の叡智ということも可能かも知れない。
マスコミが言うように事はワインやチーズではない。
もっと相対的な「自由貿易」という存在が世界を席巻することになる可能性ということ。
おそらく17世紀〜18世紀の大航海時代の変形進化バージョンの再来。
地球経済はそのあありかたを変えてくるのかも知れない。
そう考えるとブレグジットは歴史の必然だったのかも知れない。
市場は20世紀からは離脱する可能性を秘めてきた印象。
日本橋の空がキレイになる2030年頃には、世界貿易もその姿を変えているに違いない。

先週から目立ち始めたクレディの225先物の買い越しは昨日まで続いている。
7月6日を境に売り越しが買い越しに転じて先週は1万枚近くの買い越しだ。
おそらく委託者に確たる理由はなくたぶん需給のリズムの結果なのだろう。
「思惑でもなんでもなく需給のリズムが背景」では解説にならないのでアレコレと理由を詮索する。
大抵は隔靴掻痒の感なのでなんとなく「わかったフリ」と「わかってもらったフリ」。
これが市場の不幸の一つであろうか。
「ウリが多いから安くカイが多いから高い」。
この原理原則を放れて相場形成はありえないというのが正直なところだ。

米国市場のFANG銘柄をなぞらえた「日本版FANG」銘柄群。
中身はファーストリテ、アイン、日電産、ソフトバンクだ。
トランプ政権が鉄鋼アルミ関税を発効した3月23日を100としてみると・・・。
米国版FANGは24%の上昇でS&P500の8.5%をアウトパフォーム。
日本版ファングは18.8%上昇で日経平均の10.0%をアウトフパフォーム。
「ドル高FANG高は出遅れ感のある日本版FANGにも波及しよう」の声が聞こえる。



(櫻井)。