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NYダウ反落130ドル安 主力ハイテク株に売り
【市況】NYダウ反落130ドル安 主力ハイテク株に売り
 
17日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比130ドル40セント安の2万7901ドル98セントで終えた。
 
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数は86万件と、市場予想(ロイター通信調べ)の85万件を上回った。前週から減少したものの、申請件数は高止まりしており、雇用をめぐる懸念を高める内容となった。
また、8月の米住宅着工件数は年率換算で前月比5.1%減と、4カ月ぶりにマイナスだったほか、フィラデルフィア連銀が発表した9月の製造業景況指数は15.0と、前月(17.2)から低下した。これらの低調な経済指標も景気をめぐる警戒感を強める要因となった。
 
それまで様子見を続けていた投資家が相対的に割高感が強い主力ハイテク株に売りを出した。
スマートフォンのアップルは一時3%下げ、11日に付けた直近の安値を下回った。SNS(交流サイト)のフェイスブックやネット通販のアマゾン・ドット・コムの下げも目立った。「個人投資家の買いが止まり、追随して買っていた機関投資家も様子見姿勢を強めている」(スレートストーン・ウェルスのロバート・パブリック氏)との見方があった。
 
追加経済対策の成立は見通せないままだ。トランプ米大統領は16日、「共和党議員はもっと高額を求めよ」とツイッターに投稿したが、米上院の共和党は独自案の増額に消極的と伝わった。11月の米大統領選前に成立する可能性が低下し、株式の買い見送りにつながった。
 
米疾病対策センター(CDC)所長は16日午前の議会証言で「年内のワクチン供給は非常に限られる」と述べ、米国民に行き渡るのは21年夏以降との見通しを示した。ワクチンの早期普及への期待が後退し、市場心理の重荷になった。
 
建機のキャタピラーや化学のダウなど資本財や素材銘柄の一角が買われた。一部の投資家はハイテク株を売って、株価指標面で相対的に割安感が強い銘柄に資金を移しているようだ。
セクター別ではメディア・娯楽、不動産が大きく下落した一方、素材が買われた。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比140.19ポイント安の1万0910.28で終えた。9月に入って急落後の下値支持線とみられている50日移動平均線を4営業日ぶりに割り込んだ。電気自動車のテスラは4%安、動画配信のネットフリックスは3%安で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,901.98−130.40
S&P500種
3,357.01−28.48
ナスダック
10,910.277−140.192
NY金(ドル/トロイオンス)
1,949.90−20.60
NY原油(ドル/バレル)
40.97±0.00
円・ドル
104.73 - 104.74−0.03


 

【シカゴ日本株先物概況】


17日のシカゴ日経平均先物は小幅続落した。
12月物は前日比90円安の2万3210円で引け、17日の大取終値を110円上回った。
NYダウは、雇用や住宅関連指標が予想を下回ったことも売りに拍車をかけた。一時上昇に転じる場面もあったが、ハイテク株の調整が続いており、引けにかけては再び下落幅を拡大した。
ハイテク株主導で米株が反落し日経平均先物に売りが波及した。円高も売り材料だった。この日の12月物安値は2万3060円、高値は2万3340円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23210 ( +110 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23260 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6049.92(−28.56)
17日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ28.56ポイント安の6049.92で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
英イングランド銀行(中央銀行)は金融政策決定会合後の声明で、景気が一段と冷え込んだ場合に備え、マイナス金利の「効果的な導入」の可能性を探ると表明。これを受けて銀行株に売りが出た。
為替市場でポンド安が進み、午後に下げ幅を縮小した。
 
個別銘柄では、朝方から鉱業株が下げるなか、金相場安を受けて関連のロシアの金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルの下げが目立った。石油株も下落した。
銀大手スタンダード・チャータードと同業バークレイズは各2.4%安。英・豪系資源大手BHPビリトンと英資産運用大手スタンダード・ライフ・アバディーンはそれぞれ2.2%安だった。
 
一方、ポンド安が業績の追い風となる多国籍企業では、主に医薬品株とたばこ株に買いが広がった。小売り関連株も上昇し、衣料小売りのネクストが高かった。新型コロナウイルスの影響下でも利益の見通しに自信を示したことが好感された。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13208.12(−47.25)
17日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日と比べて47.25ポイント安の1万3208.12だった。
17日のアジア株安が波及し、朝方から売りが優勢だった。
 
個別銘柄では、電力のRWEとエーオンが下落した。半導体のインフィニオンテクノロジーズの下げも目立った。米株式市場でのハイテク株下落につれ安した。
一方、料理宅配大手のデリバリーヒーローが高かった。M&Aによる事業拡大を好感した買いが入った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5039.50(−34.92)