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18ドル高と小反発、材料難で方向感乏しい
【市況】18ドル高と小反発、材料難で方向感乏しい

18日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比18ドル72セント(0.1%)高の3万3999ドル04セントで終えた。

前日公表の7月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、利上げペースが減速するとの観測が買いを支えた。ただ、7月中旬から続く相場の戻りで短期的な過熱感への警戒は強く、ダウ平均は小幅安に転じる場面もあった。

議事要旨によると、経済活動や物価に及ぼす効果を検証するため「どこかの時点で利上げペースを落とすのが適切になる」との見方で一致した。市場では「利上げ減速が今後の基本シナリオになる可能性が高い」との見方が浮上、ややハト派寄りの内容だったとの受け止めが多い。インフレピークアウトに伴う利上げ減速で株式市場に資金が流入しやすくなるとの見方が強まった。

材料に欠ける中で、株価は方向感に乏しい展開となった。ダウ平均は取引時間の大半をマイナス圏で推移したが、終盤にかけてプラス圏に切り返した。夏季休暇シーズンで市場参加者が少なく、動意も薄かった。

この日発表の米経済指標はまちまちな内容。新規失業保険申請件数は3週ぶりに改善し、フィラデルフィア連銀発表の8月の製造業景況指数は5カ月ぶりに上昇した。一方、米不動産業者協会(NAR)発表の7月の中古住宅販売件数は、2年超ぶりの低水準に落ち込んだ。

投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は低下した。5日連続で不安心理が高まった状態とされる20を終値で下回った。VIX低下で株式を買いやすくなったファンドから連日でまとまった資金が流入していると指摘する金融機関もあった。

ただ、ダウ平均の上値は重かった。一部のテクニカル指標は相場の過熱感を示唆している。目先の利益を確定する売りが出た。

17日夕に発表した決算で売上高などが市場予想を上回ったネットワーク機器のシスコシステムズが大幅に上昇した。半導体のインテルとIT(情報技術)のIBMも高い。半面、医療用麻薬「オピオイド」の訴訟で連邦地裁から賠償命令を受けたドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが下落。アナリストが投資判断を引き下げた通信のベライゾン・コミュニケーションズも安い。

ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比27.219ポイント(0.2%)高の1万2965.342で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上げが目立った。

 



【シカゴ日本株先物概況】


18日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比105円高の2万9105円で引け、18日の大取終値を165円上回った。17日に公開した7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を手掛かりに、利上げ減速を意識する買いが入った。円安も支援材料だった。

 

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
29105 ( +165 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
29115 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比

 



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7541.85(+26.10)
18日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ26.10ポイント(0.35%)高の7541.85で引けた。原油など商品相場の下落一服でエネルギー株や資源株が買い直された。FTSEでは、産銅大手アントファガスタ(2.6高)や石油大手BP(2.6%高)、シェル(1.6%高)など資源エネルギー関連株が買われた。保険大手アビバ(4.2%安)や金融大手HSBCホールディングス(0.3%安)など金融関連株はさえなかった。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13697.41(+70.70)
18日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ70.70ポイント(0.52%)高の1万3697.41で終えた。前日に大幅に下落していたため、自律反発を見込んだ買いが入った。下げが大きかった自動車株や化学株が買い直された。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6557.40(+29.08)
フランスCAC40種指数は0.45%高だった。