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ダウ306ドル高。5日続伸、2万5000ドル回復
【市況】ダウ306ドル高。5日続伸、2万5000ドル回復
15日のNYダウ工業株30種平均は、前日比306ドル88セント高の2万5200ドル37セントと5日続伸した2日以来ほぼ2週間ぶりに終値で節目の2万5000ドルを回復した。
 
アジア・欧州株がほぼ全面高となり、長期金利の急激な上昇で悪化していた投資家心理の改善が示され、買いが先行した。1月生産者物価指数(PPI)が前月より増加し、利上げ加速への警戒感から一時下落する場面もあったが、複数の主要企業決算が好感され堅調推移となった。
 
変動率の落ち着きが投資家心理を改善させ、大型の優良株を中心に物色が広がった。ダウ平均は取引終了にかけて上げ幅を広げ、この日の高値近辺で終えた。
 
アップルが3%超の大幅高。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、2017年10〜12月期に保有株数を増やしたことが買い材料視された。業績期待が高い航空機のボーイングも買われ、2銘柄でダウ平均を約120ドル近く押し上げた。
前日夕発表の決算が9四半期ぶりの増収となったIT機器のシスコシステムズが上げたほか、金利上昇でゴールドマン・サックスなど金融株も買われた。
 
前週までの相場急落でS&P500種株価指数を1銘柄とみなした場合のPERなどに割安感が浮上した。米企業の四半期決算は終盤に入っても好調が続き、米株式に見直し買いが広がった。
米長期金利は未明に一時2.94%と前日から水準をさらに切り上げた。ただ3%を超えて一気に上昇が急加速するとの見方は少なく、徐々に金利上昇への警戒感が薄れてきたとの声があった。
 
ナスダック総合株価指数は、前日比112.815ポイント高い7256.430で終えた。アップルのほか、アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コムなど主力株が軒並み上昇。前日夕に決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズなど、半導体関連株も総じて上昇した。
 
セクター別では全面高となり、テクノロジー・ハード・機器や公益事業の上昇が目立った。
 
個別では、化粧品大手のエイボン・プロダクツが急伸した。朝に発表した17年10〜12月期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。
旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(TRIP)は決算内容が予想を上回り、堅調推移。
イスラエルの製薬テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)、買い増しが報じられた携帯端末のアップル(AAPL)にそれぞれ買いが広がった。
医薬品メーカーのアンタレス・ファーマとアマッグ・ファーマシューティカルズは、共同開発した治療器具が米食品医薬品局(FDA)の認可を得たと発表し、ともに大幅に上げた。
 
一方、外部記憶装置(ストレージ)を手掛けるネットアップは大幅安となった。前日夕の四半期決算で明らかにした業績見通しが弱気と受け止められたという。半導体大手のクアルコムの下げも目立った。前日夕に同社の買収を目指すブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)らと面会したと発表した。
 
 
VIX指数は19.13と低下(前営業日19.26)。米株は5日続伸で寄り付き、高値圏ながら伸び悩む場面もある不安定な上下だったが底堅かった。VIX指数は17.60まで低下を先行させ、上昇へ転じる場面を挟みつつも、前日の大引け水準より低下して引けた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,200.37+306.88
S&P500種
2,731.20+32.57
ナスダック
7,256.430+112.815
 
米10年債利回り(%)
2.9058 -0.007
米2年債利回り(%)
2.1885 +0.016
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,355.30−2.70
NY原油(ドル/バレル)
61.42+0.82
円・ドル
106.13 - 106.14−0.23


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅に反落した。
3月物は前日比20円安の2万1475円で引け、大阪取引所の終値を25円上回った。円相場の上昇が嫌気された。
NY株の上昇につれて買いが入る場面があったが、上値は重かった。
この日の3月物の安値は2万1285円、高値は2万1610円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21475 ( +25 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21500 ( +50 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7234.81(+20.84)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日14日の終値に比べ20.84ポイント高の7234.81で引けた。鉱業株と金融株の上げが指数を押し上げ、構成銘柄の約8割が上昇した。
アジアと欧州の株式相場上昇に連れ高となったが石油株の下落で上げ幅が縮小した。
 
鉱業株は軒並み上昇し、フレスニージョとリオ・ティントの上げが大きくなった。金融株も買われ、銀行のバークレイズと保険のプルーデンシャルの上げも目立った。
住宅建設株とスーパーマーケット株も上がった。鉱業・化学のジョンソン・マッセイと航空・防衛のBAEシステムズはともに3%超上昇した。
 
半面、原油相場が下落に転じたことに伴い、時価総額の大きい石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルが売られ、株価指数の上値を抑えた。セバーン・トレントなど水道関連株も安くなった。銀行のロイズ・バンキング・グループなどが運用資産を引き揚げたことが響いた。医薬品のアストラゼネカと食品・日用品のユニリーバはともに、配当権利落ちで下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12346.17(+7.01)
ドイツ株式指数(DAX)は小幅に続伸した。終値は前日14日と比べて7.01ポイント高の12346.17だった。アジアと欧米の各国株式相場の上昇に連れ高となったが、上げ幅は午後に縮小した。
個別では、放送大手のプロジーベンザット1メディアとコメルツ銀行、消費財のヘンケルなどが上昇した。一方で、電力のRWEと工業用ガスのリンデ、航空のルフトハンザは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5222.52(+57.26)