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NYダウ184ドル高、米中摩擦の懸念広がらず
【市況】NYダウ184ドル高、米中摩擦の懸念広がらず
18日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比184ドル84セント高の2万6246ドル96セントで終えた。1月29日以来の高値。
 
トランプ米政権は17日、中国による知的財産権侵害に対抗した制裁関税の第3弾を今月24日に発動すると発表。中国からの輸入品2000億ドル相当に10%の追加関税を課し、来年には25%に引き上げる。中国も直ちに米国製品600億ドル相当に対する報復関税措置の実施を表明した。
 
ただ、消費者への影響に配慮し、米国が当面の税率を抑えたほか、携帯電話やパソコン本体を対象品目から外したことを投資家は歓迎。両国の経済に想定されたほどの悪影響が及ばないとの見方が広がる中、米中摩擦への過度な懸念が後退し、航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど中国売上比率が高い銘柄の上昇が目立った。前日に下げがきつかったハイテク株にも押し目買いが入った。
 
米長期金利の上昇を受け、利ざやが改善するとの期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株が買われた。原油先物相場の上昇を好感し、シェブロンやエクソンモービルといった石油株が上昇したこともダウ平均を押し上げた。
 
市場では「想定よりも税率が低めで、米中ともに交渉戦術の一環として発動すると受け止められた」との声が聞かれた。「影響は経済全体に広がらない」との楽観的な見方も出た。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比60.315ポイント高の7956.107で終えた。前日に下げを主導したアマゾン・ドット・コムとネットフリックスが大幅に反発。マイクロン・テクノロジーなど半導体関連株にも買いが目立ち、指数上昇を支えた。
 
セクター別では、小売や耐久消費財・アパレルが上昇する一方で食品・飲料・タバコや不動産が下落した。
 
個別では、セキュリティソフトのシマンテック(SYMC)は、アクティビスト(物言う株主)のスターボード・バリューが求める取締役候補から3名を指名し、経営改革の期待から上昇。決済ネットワークのビザ(V)とマスターカード(MA)は、クレジットカード手数料を巡る集団訴訟で小売業者と和解しともに堅調推移。携帯端末のアップル(AAPL)は、時計型端末「アップルウォッチ」やワイヤレスイヤホン「エアポッド」が関税対象から除外され買われた。
 
一方で、電気自動車のテスラ(TSLA)は、イーロン・マスクCEOが株式非公開化の検討とその資金確保についてツイッターに投稿したことについて、米司法省が刑事捜査に乗り出したとの報道を受け下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,246.96+184.84
S&P500種
2,904.31+15.51
ナスダック
7,956.107+60.315
 
米10年債利回り(%)
3.057 +0.056
米2年債利回り(%)
2.8071 +0.021
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,202.90−2.90
NY原油(ドル/バレル)
69.80−0.05
円・ドル
112.31 - 112.32+0.35
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は大幅上昇した。
12月物は前日比650円高の2万3665円で引け、同日の大取終値を385円上回った。米中がお互いに追加関税の発動を発表したが、影響は限定的との見方から米株とともに買われた。円安も支援材料になった。
この日の12月物高値は2万3725円、安値は2万2865円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23665 ( +385 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23710 ( +430 )
( )は大阪取引所終値比


【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7300.23(−1.87)
FTSE100種総合株価指数は小幅続落した。前日17日の終値に比べ1.87ポイント安の7300.23で引けた。7200台後半から7300台前半の狭いレンジで方向感のない取引が続いた。たばこ株の値下がりが株価指数を押し下げる一方で、銅と石油の価格がともに上昇したことから、資源株が買われ、指数の下値を支えた。
 
個別銘柄では、ブリティッシュ・アメリカン・タバコなどたばこ株は売られた。アナリストが株価目標を引き下げたメディアのITVは3%下がった。総合ヘルスケアのNMCヘルスは1.9%安とギャンブル事業のGVCホールディングスは2.3%安と下げが大きくなった。
 
半面、資源商社のグレンコアは2.8%高など鉱業関連株が買われた。フレスニージョは、アナリストが株価目標を引き上げたことなどが好感された。石油のロイヤル・ダッチ・シェルとBPも上がった。通期業績が会社予想に沿って順調に推移していることを明らかにしたネット専業スーパーのオカド・グループの上げ幅は午後に縮小した。ガス供給・販売のセントリカは2.7%高と値上がりが目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12157.67(+61.26)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日17日と比べて61.26ポイント高の12157.67だった。米国が17日に中国製品に対し第3弾の制裁関税を発動すると発表したものの、アジアの株式相場が堅調に推移したことを受けて、欧州各国の株式相場も上昇した。
 
個別では、鉄鋼のティッセン・クルップと自動車のフォルクスワーゲン、半導体のインフィニオンテクノロジーズが買われた。
一方で、下落したのは、タイヤのコンチネンタルと透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアを含む4銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5363.79(+14.92)