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NYダウ続伸57ドル高 長期金利低下
【市況】NYダウ続伸57ドル高 長期金利低下
 
8日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比57ドル31セント高の3万3503ドル57セントで終えた。
ダウ平均は、朝方高値警戒感から利益確定売りが先行。だが、米長期金利の上昇一服でハイテク株が買われる中、じりじりと値を戻し、取引終盤は終値の史上最高値に迫った。
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数は1万6000件増の74万4000件と、2週連続で悪化。市場予想(68万件)も上回ったが、株式市場への直接的な影響は限られた。
市場では「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言も響かなかった。今週は次の材料待ちの状態ではないか」との指摘が聞かれた。
 
米長期金利は一時、前日比0.05%低い(債券価格は高い)1.62%に低下した。金利上昇時に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入り、スマートフォンのアップルが6日続伸、ソフトウエアのマイクロソフトは連日で上場来高値を更新した。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも上げた。
 
FRBのパウエル議長は8日、国際通貨基金(IMF)のパネル討論会に参加し「景気回復は不均一で不完全なままだ」と述べた。金融緩和の縮小には米経済の一段の改善が必要との見方を示し、米経済の正常化が進むなかでも金融緩和が続くとの見方が強まった。
 
ダウ平均は下落する場面もあった。指数は過去最高値圏にあり、化学のダウなど上昇基調にあった一部銘柄には利益確定の売りが出た。中国関連株のスポーツ用品のナイキが下落したことも指数の重荷だった。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比140.468ポイント(1.0%)高の1万3829.310で終えた。グーグルの親会社アルファベットが連日で上場来高値を付けた。ほかにもネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラ、動画配信のネットフリックスなど主力ハイテク株が上昇した。エヌビディアなど半導体株も高い。
 
S&P500種株価指数は続伸し、前日比17.22ポイント高の4097.17と連日で過去最高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,503.57+57.31
S&P500種
4,097.17+17.22
ナスダック
13,829.310+140.468
NY金(ドル/トロイオンス)
1,758.20+16.60
NY原油(ドル/バレル)
59.83+0.23
円・ドル
109.33 - 109.35-0.17


 

【シカゴ日本株先物概況】


8日のシカゴ日経平均先物は小幅に上昇した。6月物は前日比15円高の2万9695円で引け、8日の大取終値を25円上回った。
米長期金利の低下を好感した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の8日の発言を手掛かりに金融緩和策が維持されるとの見方が強まり、引けにかけてダウは上昇に転じた






【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6942.22(+56.90)
8日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ56.90ポイント高の6942.22で引けた。終値としては、連日で2020年2月下旬以来、約1年1カ月ぶりの高値となった。構成銘柄の7割超が上昇した。
午前は高寄り後にいったん6900を割ったが、その後ジリジリと買い戻された。終盤には、安寄りした米株価などが下げ幅を縮小し、連れ高となった。英通貨ポンド安も支援材料だった。
主力の鉱業株をはじめ、時価総額の大きい医薬品株やたばこ株、酒類のディアジオが上昇し指数を押し上げた。外国為替市場でポンドが下落し、ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業に買いが入った。
 
個別銘柄では、ソフトウエア開発のセージ・グループと、産業用ソフトウエアのアヴィバグループが大幅高で引けた。米株市場でのハイテク株の上昇が波及した。セージ・グループは、アナリストが投資判断と目標株価を同時に引き上げたことも手掛かりになった。
 
一方、原油安を受けて石油株は下落した。前日に上昇したアビバなど保険株と梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは利益確定の売りで安かった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15202.68(+26.32)
8日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて26.32ポイント高の1万5202.68と、終値ベースで6日に付けた過去最高値(15212.68)に迫った。
日中は前日終値を挟んで一進一退していたが、終盤にかけて買い圧力が強まった。
 
個別では、前日に下落したアディダスが高かった。料理宅配大手のデリバリーヒーローの上げも目立った。米株市場でのハイテク株上昇に連れ高し、IT(情報技術)のSAPは上げた。電力株も買われた。
一方、ダイムラーを筆頭に自動車株は下落した。米欧の長期金利低下を背景にドイツ銀行など金融株は売りに押された。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6165.72(+35.06)
フランスの株価指数CAC40の終値が2007年6月以来の高値(終値ベース)となった。エルメスをはじめ高級ブランド銘柄の上昇が目立った。