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NYダウ251ドル高 最高値 貿易懸念和らぐ
【市況】NYダウ251ドル高 最高値 貿易懸念和らぐ

20日のNYダウ工業株30種平均が3日続伸した。前日比251ドル22セント高の2万6656ドル98セントで終え、1月下旬以来およそ8カ月ぶりに過去最高値を更新した。
 
前日に値を下げたハイテク株に買い戻しが入り、相場のけん引役となった。インテルやマイクロソフトがダウを押し上げたほか、「FAANG」と総称される高成長IT企業5社もネットフリックスを除いて上昇した。ダウは終盤に一時291ドル高まで買われた。
 
相場全体と比べて出遅れている生活必需品や素材株も買われた。最近の米長期金利の上昇を受けて利ざやが拡大するとして金融株の上げが続いたほか、主要IT株にも買いが入った。ダウ平均ではホームセンターのホーム・デポなどを除き、28銘柄が上昇した。
 
また、ブルームバーグ通信はこの日、中国が早ければ10月、大半の貿易相手国を対象に、平均輸入関税率を引き下げる計画だと報道。中国の李克強首相が19日、輸出促進のための通貨切り下げは行わないと明言したことも投資家心理の改善につながり、中国との取引が多い建機のキャタピラーはアナリストが投資判断を引き上げたことも買いを誘った。航空機のボーイングや航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズなども上げて終えた。
 
経済指標の改善を好感した買いも入った。9月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が大幅に上昇し、市場予想を上回った。週間の新規失業保険申請件数もほぼ49年ぶりの低水準で、米景気の拡大基調を示したと受け止められた。
 
S&P500種株価指数も3日続伸し、8月下旬に付けた過去最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数は反発し、同78.194ポイント高の8028.232で終えた。相場全体の上げを受けて投資家が運用リスクを取りやすくなり、アップルやアルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コムなど主力株も買われた。
 
セクター別ではエネルギーを除いて全面高となり、特に家庭用品・パーソナル用品やソフトウェア・サービスの上昇が目立った。
 
個別では、多国籍鉱山企業のリオ・ティント(RIO)は、32億ドル規模の自社株買い計画を発表し上昇した。ネット小売のアマゾン(AMZN)は、同社の音声認識型アシスタント機能「Alexa」を搭載した家庭用デバイス「Echo」の新型を発表し買われた。新型「iPhoneXS/XS Max」の発売を明日に控えるアップル(AAPL)も堅調推移した。
 
一方で、カナダの医療用大麻のティルレイ(TLRY)は、カリフォルニア州に医療用大麻を持ち込む計画を米麻薬取締局(DEA)が承認するなど、7月の上場以来急騰していたが大幅下落となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,656.98+251.22
S&P500種
2,930.75+22.80
ナスダック
8,028.232+78.194
 
米10年債利回り(%)
3.0645 -0.019
米2年債利回り(%)
2.8076 +0.001
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,211.30+3.00   
NY原油(ドル/バレル)
70.26−0.06
円・ドル
112.47 - 112.48+0.27


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比100円高の2万3680円で終え、大阪取引所の終値を220円上回った。好調な米経済指標の発表が相次いだほか、米中貿易摩擦への警戒感が後退したのを受け米株式相場の上昇につれて買われた。
NYダウ工業株30種平均はほぼ8カ月ぶりに過去最高値を更新した。円相場の下落も相場を支えた。
12月物の高値は2万3700円、安値は2万3420円だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23680 ( +220 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23720 ( +260 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7367.32(+36.20)
FTSE100種総合株価指数は資源株の主導で続伸した。
前日19日の終値に比べ36.20ポイント高の7367.32で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。米中の貿易摩擦への懸念が後退し欧州各国株式相場が上昇したことに連動した。
 
個別銘柄では、金融株と鉱業関連株の値上がりが株価指数を押し上げた。鉱業関連株ではリオ・ティントが新たな自社株買い戻しプログラムの詳細を発表したことが好感されて2.5%と買われた。保険のセント・ジェームズ・プレイスは2.4%高と値上がりも大きくなった。衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは2.7%高と上げも目立った。
 
半面、医薬品株は売られた。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコの下げも目立った。ファッションのバーバリー・グループは5%近く下がった。ギャンブル事業のGVCホールディングスは、配当権利落ちで下げが大きくなった。前日に業績不振で大幅下落した小売りのキングフィッシャーはこの日も下がった。複数のアナリストが株価目標を引き下げたことが響いた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12326.48(+107.46)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日19日と比べて107.46ポイント高の12326.48だった。米中の貿易摩擦に対する警戒感が和らぎ欧州各国株式相場が上昇した。
 
個別では、タイヤのコンチネンタルは4%上がった。医薬・農薬大手のバイエルの上げも目立った。素材メーカーのコベストロも買われた。
一方で、ドイツ取引所と医薬・化学大手の独メルクは下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5451.59(+57.85)
フランスの株価指数CAC40は前日に比べて1%上昇した。