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NYダウ34ドル安、ハイテク株の売りが重し
【市況】NYダウ34ドル安、ハイテク株の売りが重し

10日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前週末比34ドル94セント安の3万4742ドル82セントで終えた。
 
先週発表の米雇用統計で、非農業部門の就業者数が市場予想を大きく下回ったことで、米金融緩和の長期化観測が台頭。新型コロナウイルスのワクチン普及を背景にした経済活動の再開への期待も根強く、景気変動の影響が大きい銘柄を中心に買われ、ダウ平均は上昇して取引が始まった。前週末からの上げ幅は、一時300ドル超となった。ただ、主力ハイテク株への売りが止まらず相場は午後に伸び悩み、ダウ平均は取引終了間際に下げに転じた。
 
米国では政府の大型の経済対策に加え、新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済正常化を後押しするとの期待が強いためだ。景気敏感株が買われやすく、工業製品・事務用品のスリーエムや建機のキャタピラーが上昇した。
 
米最大級の石油パイプラインが7日のサイバー攻撃の影響で主要ラインの操業を停止している。週末に再開する見通しが伝わったが、供給不安によるエネルギー価格の上昇が見込まれ、シェブロンなど石油株も上げた。
 
ダウ平均は午前中に一時313ドル高となり過去最高値を上回ったが、午後に急速に伸び悩んだ。景気回復や金利先高感を背景に、相対的に割高感が強いハイテク株の保有を減らし、景気敏感株にシフトする流れが強まった。米長期金利が再び1.6%台に上昇したことも、ハイテク株売りを招いたようだ。
 
スマートフォンのアップルが3%下げ、ソフトウエアのマイクロソフトが2%下落した。ダウ平均の構成銘柄以外ではアナリストが投資判断を引き下げた交流サイトのフェイスブックが4%安となった。電気自動車のテスラが6%下げ、エヌビディアなど半導体銘柄も軒並み売られた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比350.379ポイント(2.5%)安の1万3401.858で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,742.82−34.94
S&P500種
4,188.43−44.17
ナスダック
13,401.858−350.379
NY金(ドル/トロイオンス)
1,837.60+6.30
NY原油(ドル/バレル)
64.88−0.04
円・ドル
108.79 - 108.81−0.12
 
 

【シカゴ日本株先物概況】


10日のシカゴ日経平均先物は下落した。
6月物は前週末比140円安の2万9270円で引け、10日の大取終値を300円下回った。10日の米株式市場で長期金利の上昇などを背景に高値付近での利益確定売りに加えハイテク株主導でNYダウ工業株30種平均が反落し、日経平均先物にも売りが波及した。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29270 ( -300 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29280 ( -290 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7123.68(−6.03)
10日のFTSE100種総合株価指数は、ほぼ横ばいながら4営業日ぶりに小反落した。前週末の終値に比べ6.03ポイント(0.1%)安の7123.68で引けた。
週末に結果判明した英スコットランド議会選で、独立派が過半数を制したものの、独立を掲げるスコットランド民族党(SNP)は単独過半数に届かなかった。これを受けて外為相場でポンド高が進み、株価指数の上値を抑えた。
構成銘柄の約6割が下落した。ポンド相場の上昇でグローバル企業株が売られる一方で、鉱業株が買われ株価指数の下値を支えた。
 
個別銘柄では、ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントは大幅安だった。投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストは6%超の下落と目立った。
半面、住宅建設のバークリー・グループは、アナリストによる投資判断引き上げが好感され買われた。資源商社のグレンコアも上昇した。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15400.41(+0.76)
10日のドイツ株式指数(DAX)はほぼ横ばいだった。終値は前週末と比べて0.76ポイント高の1万5400.41だった。
個別では、医療機器のフレゼニウスとアディダスはともに、複数のアナリストが株価目標を引き上げたことなどが好感され買われた。料理宅配大手のデリバリーヒーローは6%超下げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6385.99(+0.48)