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日銀現状維持受け米ドル円一時上昇も、往って来いの展開。
【為替】日銀現状維持受け米ドル円一時上昇も、往って来いの展開。
[概況]

15日東京時間の外国為替市場において、米ドル円は110円台半ばを中心に上下に値の振れる展開となった。

東京時間の午後に入り発表された日銀金融政策決定会合の結果は、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策の現状維持が賛成多数で決定されたとするものだった。

波乱要素は無い内容ではあったものの、0.25%の利上げを行ったFRB、資産追加購入プログラムの年内終了を決定して出口戦略へ舵を切ったECBと、欧米の金融当局との姿勢の差が明白となり、発表後は金利差拡大を意識した円売りが進み、一時110.915円へと今月高値を更新する展開となった。

ただ、発表内容自体は新味を欠くものであったことで、その流れは続かず、欧州勢の参入後は反落し、東京時間中の上昇はほぼ吐き出している。

本日はこの後、米国時間にトランプ大統領より米国の対中関税措置の詳細が発表される予定で、同発表に起因する米中貿易摩擦の悪化が警戒された格好か。

市場で懸念されているように、関税措置に関し米国が厳しい姿勢を取り、中国がそれに対抗するようであれば、リスク回避の流が強まり米ドル円にとっての 圧迫要因となることも考えられる。

大台110.00円が短期的な下値目途として意識されているが、一連のイベントを消化した上で同水準を維持できるかが、焦点となりそうだ。

[提供:カネツFX証券株式会社]