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方向感に欠ける展開を予想する

方向感に欠ける展開を予想する
 
11日の日経平均株価は小反落。終値は前日比9円安の2万8948円だった。前日の米株高を受けて買い先行となったが、日経平均が2万9000円台に入ると戻り売りに押されて伸び悩む展開に。本日のメジャーSQ値(2万9046円)もフシ目として意識されているようだ。その後は前日終値を挟んで小幅にもみ合う展開。週末ということもあって全体的に見送り気分が強まってしまった。元気だったのはエーザイなどの医薬品株の一角だけであった。
 
今週は一進一退の展開だった。
国内は売り買いの手掛かりに乏しく、週後半に控えた米5月CPIやECB理事会を前に、様子見姿勢の強い地合いが続いた。日経平均は2万9000円を上回ってくると戻り売りに押された一方、下値も限られ、日増しにこう着感が強まった。米5月CPIを確認した後も動意が限られた。
日経平均は週間で約7円の上昇と極めて小動き。週初に高く始まったことから、週足では2週連続で陰線を形成した。
 
 
来週も方向感に欠ける展開を予想する。
日経平均株価は底堅さを維持する半面、上値は75日移動平均線や日足一目均衡表の「雲」に押さえられている。背景要因としては、欧米金融当局のテーパリング(債券の購入規模縮小)への考え方に神経質になりつつ、一方向に傾けづらい状況にある。
 
15〜16日にFOMC、17〜18日に日銀金融政策決定会合があり、これら日米中央銀行イベントにらみの状況が続く。FOMCにおいて、量的緩和縮小に関する言及が出てくるのかが注目される。FOMCを波乱なく通過すれば楽観ムードが高まる可能性はあるだろう。
 
ただ、日銀会合も相場のかく乱材料となり得る。日銀が3月に金融政策の見直しを発表して以降、日経平均は頭打ち感が鮮明となっている。
今年4月以降は日銀のETF買いが激減している。FOMCの結果を東京市場で消化するのは木曜17日で、日銀会合後の黒田総裁会見は金曜18日の引け後。結局、これらを一通り見極めるまでは動きづらく、週を通して模様眺めムードの強い地合いが続くと予想する。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(11日現在)
 
29677.35  ボリンジャー:+1σ(13週)
29540.56  ボリンジャー:+2σ(25日)
29434.53  均衡表雲上限(日足)
29146.71  13週移動平均線
29133.26  75日移動平均線
29124.61  均衡表雲下限(日足)
29072.87  ボリンジャー:+1σ(25日)
28948.74  6日移動平均線
 
28948.73  ★日経平均株価11日終値
 
28903.52  均衡表転換線(日足)
28791.91  26週移動平均線
28641.07  均衡表転換線(週足)
28616.07  ボリンジャー:-1σ(13週)
28605.18  25日移動平均線
28538.09  均衡表基準線(週足)
28535.22  均衡表基準線(日足)
28137.49  ボリンジャー:-1σ(25日)
28085.44  ボリンジャー:-2σ(13週)
27903.66  ボリンジャー:-1σ(26週)
27669.80  ボリンジャー:-2σ(25日)
 
ローソク足は陰線を引いたが、ザラ場高値と安値がともに前日水準を上回ったほか、終値は25日線上方にとどまり、5日線がわずかに上向いて強弱感の対立を窺わせた。一目均衡表では基準線と転換線が横ばいで終了し、膠着感をさらに強めている。週足では下降する13週線付近が上値抵抗帯となる一方、上向きの26週線が下値をサポートして354.80円幅の極めて狭いボックスを形成。本日終値は13週線と26週線のほぼ中間に位置しており、足踏み相場は終盤に入ったもようだ。