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NYダウ急落し335ドル安、フェイスブックの情報漏洩問題を嫌気
【市況】NYダウ急落し335ドル安、フェイスブックの情報漏洩問題を嫌気
19日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに大幅反落し、前週末比335ドル60セント安の2万4610ドル91セントと、2日以来およそ2週間ぶりの安値で終えた。
 
2016年の米大統領選で、トランプ陣営と関わりがあったコンサルティング会社が5000万人超のフェイスブック利用者の個人情報を不適切に保持していたとの報道を嫌気し、この日のダウは序盤から売りが先行した。
 
フェイスブック株が急落。ハイテク株全般に売りが及び、投資家心理が悪化した。
20〜21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に買い持ち高を手じまう動きも加わり、ダウ平均は一時500ドル近く下落した。
アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)のほか、ダウ平均の構成銘柄でもあるアップルやマイクロソフトといった大型ハイテク株が軒並み大幅に下げた。
 
トランプ米政権の主要閣僚の交代が続く中、さらなる人事刷新が行われるとの観測が広がっているほか、中国に対する新たな関税措置が近く発表されるとの警戒感もあり、売りが出やすい地合いだった。
 
市場関係者からは「政治リスクに加え、今週は米連邦公開市場委員会(FOMC、20、21両日)やつなぎ予算の期限(23日)など警戒イベントが多く、多少の悪材料でも相場は下向きに動きやすくなっている」との声が聞かれた。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前週末比137.744ポイント低い7344.244と、5日以来2週間ぶりの安値で終えた。
 
セクター別では全面安となり、特にソフトウェア・サービスや半導体・半導体製造装置の下落が目立った。
 
個別では、フェイスブックの売りが波及し、写真共有アプリを手掛けるスナップチャット(SNAP)や短文投稿サイトのツイッター(TWTR)も売られた。携帯端末のアップル(AAPL)は、次世代のマイクロLEDディスプレーの設計・製造に着手したことが報じられ軟調推移した。
米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズが死亡事故で自動運転車の走行試験を中止したと伝わり、同社と提携する画像用半導体(GPU)大手のエヌビディアが下落した。
電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、ゴールドマンサックスが1-3月期の出荷台数が予想を下振れるとの予想を示し下落した。
 
一方で、カジュアル衣料のギャップや百貨店のメーシーズなど小売株の一角が上昇した。ダウ平均銘柄では航空機のボーイングが唯一上げた。
 
 
VIX指数は19.02と上昇(前営業日15.80)。フェイスブックのデータ流出問題を嫌気してハイテク株が売られるなど、米株は大幅安となった。VIX指数は2日以来の水準21.87まで一時上昇した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,610.91−335.60
S&P500種
2,712.92−39.09
ナスダック
7,344.244−137.744
 
米10年債利回り(%)
2.8555 +0.008
米2年債利回り(%)
2.3075 +0.013
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,317.80+5.50   
NY原油(ドル/バレル)
62.08+0.02
円・ドル
106.03 - 106.04   +0.13
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前週末比295円安の2万1120円で引け、同日の大取終値を150円下回った。
会員情報の不正利用が発覚したフェイスブックを中心に米株が売られ、日経平均先物を下押した。
安倍内閣の支持率低下も売り材料になり、6月物は一時2万0905円まで下げた。この日の6月物高値は2万1480円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21120 ( -150 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21175 ( -95 )
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7042.93(-121.21)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末16日の終値に比べ121.21ポイント安の7042.93と、終値で2016年12月下旬以来、約1年3カ月ぶり安値で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。
 
ソフトウエア開発のマイクロフォーカスと商品株の下げが株価指数の下落に大きく響いた。
マイクロフォーカスは46%安。米IT大手ヒューレット・パッカード・エンタープライズの一部事業との統合問題などにより、通期売上高見通しを引き下げたほか、最高経営責任者(CEO)の辞任が響いた。
鉱業関連株が軒並み売られ、アングロ・アメリカンと資源商社のグレンコアはともに4%超下がった。石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルの下げも大きくなった。
 
半面、銀行のバークレイズは3%超上昇した。アクティビストが同行株を取得したことが買いにつながった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12217.02(-172.56)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前週末16日と比べて172.56ポイント安の12217.02だった。利上げが予想されている今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、欧州各国株式相場が下落した。
 
個別では、工業用ガスのリンデとドイツ銀行の下げが大きくなった。消費財のヘンケルは、北米での配送問題が響いて一部部門の第1四半期売上高が減少するとの見通しを示し売られた。一方で、上昇したのは、日用品のバイヤースドルフと不動産のボノビア、コメルツ銀行の3銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5222.84(-59.91)