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NYダウ反落 92ドル安、対中関税の発表を警戒
【市況】NYダウ反落 92ドル安、対中関税の発表を警戒

17日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前週末比92ドル55セント安の2万6062ドル12セントで終えた。
 
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は15日、トランプ政権が2000億ドル相当の中国製品に関税を上乗せする第3弾の追加制裁措置を17日か18日に表明する見通しと報道。さらに同紙は16日、追加制裁措置が表明されれば、中国は月内に予定される米国との貿易協議を拒否する方針とも報じた。17日の米株式市場は米中の貿易戦争激化への警戒感が重しとなり、もみ合い商状で始まった。
 
その後、昼すぎにクドロー米国家経済会議(NEC)委員長がニューヨーク市内での講演で、対中制裁措置について「間もなく発表される」と説明すると、ダウはマイナス圏に沈んだ。
 
さらにトランプ米大統領が、株式市場の取引終了後に対中制裁措置を発表すると表明すると、終盤にかけて売り圧力が強まり、ダウの下げ幅は一時120ドルを超えた。
中国で生産する製品が関税の対象となるアップルが大幅に下落。航空機のボーイングなど中国売上比率の高い銘柄が売られ、ダウ平均を押し下げた。
 
アップルが1銘柄でダウ平均を約40ドル押し下げた。12日に発表した新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の予約状況が昨年を下回るとの指摘も売り材料となった。
 
マクドナルドの下げもダウ平均の重荷だった。セクハラに抗議するため、一部店舗で従業員がストを計画していると伝わった。マイクロソフトやゴールドマン・サックスの下げも目立った。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比114.252ポイント安の7895.792と8月23日以来の安値で終えた。アマゾン・ドット・コムが3%強下げて指数を押し下げた。
中国法人で従業員が顧客情報を出店業者に漏らしており、会社が調査に乗り出したと伝わった。ネットフリックスやフェイスブック、アルファベット(グーグル)など主力株は軒並み売られた。
 
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や不動産が上昇する一方で小売やテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
個別では、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)や中国オンライン小売大手のアリババ・グループ(BABA)、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)など大手ハイテク株にも売りが広がった。ネット小売のアマゾン(AMZN)は、従業員による顧客情報の漏洩を調査していることが報じられ軟調推移。半導体メモリのマイクロン・テクノロジー(MU)は、複数アナリストによる投資判断引き下げを受け売られた。
 
一方で、清涼飲料のコカ・コーラ(KO)は、大麻入り飲料事業への参入検討が明らかとなり買われた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,062.12−92.55             
S&P500種
2,888.80−16.18
ナスダック
7,895.792−114.252

 米10年債利回り(%)
2.994 0
米2年債利回り(%)
2.782 0

NY金(ドル/トロイオンス)
1,205.80+4.70   
NY原油(ドル/バレル)
68.84−0.07
円・ドル
111.84 - 111.85+0.02
 


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反落した。
12月物は前週末比35円安の2万3015円で引け、同日の大取終値を45円上回った。対中制裁関税第3弾の発動への警戒感から売られた。
トランプ米大統領は17日の取引終了後に米中貿易について発表すると発言し、行方を見極めたいと取引手控えムードも強かった。
この日の9月物安値は2万2960円、高値は2万3200円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23015 ( +45 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23055 ( +85 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7302.10(−1.94)
FTSE100種総合株価指数は小反落した。前週末14日の終値に比べて1.94ポイント安の7302.10で引けた。
この日のFT指数は7200台後半から7300台前半の狭いレンジで方向感のない取引となった。
トランプ米政権が17日にも中国への制裁関税の第3弾を表明するとの報道を受けて、先行き不透明感から売り買いが交錯した。
構成銘柄の約6割が上昇したものの、外国為替相場でのポンド高を背景に輸出企業に売りが膨らんだ。
 
個別銘柄では、アナリストが目標株価を引き下げた賭け屋大手GVCホールディングスが3.5%安。海外での収益が多いファッションのバーバリー・グループは2.0%安や、建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループは2.3%安と下げが目立った。インターコンチネンタル・ホテルズ・グループや飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングも下げた。多国籍企業の医薬品株も売りが先行した。
保険株は軒並み下落した。
 
半面、エネルギー関連株が堅調に推移し、指数を下支えした。電力のSSEは3.6%高と高かった。ガス供給・販売のセントリカも上げた。石油株は値下げ幅を縮小した。ロシアの鉄鋼大手エブラズは2.5%高や銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が上げに転じた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12096.41(−27.92)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前週末14日と比べて27.92ポイント安の12096.41だった。
個別では、工業用ガスのリンデ、消費財のヘンケルが安かった。
一方で医薬・農薬大手のバイエルや鉄鋼のティッセン・クルップが高くなった。銀行株も上げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5348.87(−3.70)