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NYダウ反落し128ドル安 新型肺炎の拡大懸念
【市況】NYダウ反落し128ドル安 新型肺炎の拡大懸念

20日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比128ドル05セント安の2万9219ドル98セントで終えた。
新型肺炎の拡大に終息の兆しが見られず、中国を中心に景気や企業業績の下押し要因になるとの懸念が強まった。リスク資産とされる株式には売りが出やすかった。
 
中国政府の20日の発表によると、同国本土で新たに394人が新型ウイルスによる肺炎に感染し、死者は114人増えた。日本など国外にも感染が拡大していることを受け、この日の市場では投資家のリスク選好意欲が後退。これまで買われてきたハイテク株を中心に利益確定の売りが膨らんだ。下げ幅は一時388ドルまで広がった。
 
ロイター通信は20日、「台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で、iPhoneを生産する富士康科技集団(フォックスコン)は新型肺炎の拡大が2020年の売上高を押し下げる」と伝えた。報道を受けてスマートフォンのアップルは下落し、インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の下げも目立った。
 
米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が20日の米CNBCのインタビューで米景気が底堅いとの認識を示し、金融市場が年内の利下げを織り込んでいることに懐疑的な見方を示した。利下げ観測の後退も相場の重荷となった。
 
取引終了にかけては下げ渋った。「投資家は公益株など景気変動の影響を受けにくい銘柄には買いを入れている」といい、相場を下支えした。ダウ平均の構成銘柄では、ディフェンシブ銘柄とされる日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ホームセンターのホーム・デポが堅調に推移した。
 
セクター別では、不動産や自動車・自動車部品が上昇する一方で半導体・半導体製造装置や商業・専門サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比66.215ポイント安の9750.965で終えた。半導体株に加え、ソフトウエアのマイクロソフトやSNS(交流サイト)のフェイスブックなどが売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
29,219.98−128.05
S&P500種
3,373.23−12.92
ナスダック
9,750.965−66.215
NY金(ドル/トロイオンス)
1,620.50+8.70
NY原油(ドル/バレル)
53.77+0.48
円・ドル
112.03 - 112.04+0.35
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


20日のシカゴ日経平均先物は反落。
新型コロナウイルスの感染が日本や韓国に広がるなか、投資家のリスク選好姿勢が後退し軟調推移となった。日経平均先物もつれ安となった。
3月物は前日比60円安の2万3525円で取引を終えた。大阪取引所の終値を15円上回った。
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23525 ( +15 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23530 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
 




【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7436.64(−20.38)
20日のFTSE100種総合株価指数はもみ合いの中を小反落した。前日の終値に比べ20.38ポイント安の7436.64で引けた。構成銘柄の7割近くが下落した。小動きが続いた後、午後に上げ幅を広げる場面もあったが、取引終了間際に売り圧力が強まった。
 
個別銘柄では、配当権利落ちの銘柄が下げた。たばこのインペリアル・ブランズは7%超下落した。医薬品のグラクソ・スミスクラインも売られた。産業用ソフトウエアのアヴィバグループは20日、中国の新型肺炎感染による混乱で同国の売上高に悪影響が出ているとし5%超下落した。ファッションのバーバリー・グループも大幅安だった。
 
一方、医療機器のスミス・アンド・ネフューは7%超上げた。2019年通期の売上高が増加し、今期も増収の見通しを示した。不安定な値動きが続き前日も大幅安だったアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの民間医療サービス最大手NMCヘルスケアは9.5%高上昇した。
航空・防衛のBAEシステムズも19年通期の1株当たり利益が予想の上限に達し買われた。銀行株は堅調だった。ロイズ・バンキング・グループは、19年通期の税引き前利益が市場予想の範囲にとどまったことが好感された。英ガス・電力大手セントリカは4.1%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13664.00(−125.00)
20日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて125.0ポイント安の13664.0だった。欧州各国とも前日に記録的な高値をつけた後だけに、20日は売りが優勢だった。取引終了間際には各国とも売り圧力が強まった。
 
個別では、航空のルフトハンザが下げた。同社は20日、新型肺炎の感染拡大による事業への悪影響が今後はっきりしてくるとの見通しを示した。2019年通期の決算を発表した航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズも売られた。一方、医療機器のフレゼニウスは、2020年の増収見通しを発表し買われた。自動車のダイムラーも上げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6062.30(−48.94)
フランス・パリ株価指数CAC40も下落した。