兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

NYダウ6ドル高と小幅続伸、3指数最高値を更新
【市況】NYダウ6ドル高と小幅続伸、3指数最高値を更新

8日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比6ドル44セント高の2万7681ドル24セントで終え、連日で過去最高値を更新した。
 
トランプ米大統領が8日朝、追加関税の段階的撤廃で米中が合意したとの中国政府の発表を否定し、貿易協議の不透明感を警戒した売りが先行した。ダウ平均はマイナス圏で推移する時間帯が多かったが、米中合意への期待感は根強く、引けにかけて上げに転じた。
 
ダウ平均は午前に95ドル安となる場面があった。前日は中国政府が「米中は発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致した」と発表していたが、トランプ氏は「合意していない」と否定した。発言を受けて売りが優勢になった。
 
個別では映画・娯楽のウォルト・ディズニーが前日引け後に発表した2019年7〜9月期(第4四半期)決算は、「ライオン・キング」「アラジン」などのヒット作に恵まれた映画事業が好調で、特殊要因を除いた1株当たり利益が市場予想を上回った。米国で今月12日に開始する定額制の動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」への期待も買い材料となり、1銘柄でダウを34ドル近く押し上げた。
 
一方、航空機のボーイングが2%安。米空運のサウスウエスト航空がボーイングの小型機「737MAX」の運航停止を来年3月まで延長する方針を8日に発表し、嫌気した売りが出た。前日に上昇が目立った石油のエクソンモービルやシェブロンも安い。
 
セクター別では、医薬品・バイオテクノロジーや自動車・自動車部品が上昇する一方で電気通信サービスやエネルギーが下落した。

ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比40.796ポイント高の8475.312と、3日ぶりに過去最高値を更新した。半導体のクアルコムが4%強上げたのが目立った。マイクロソフトとアップルも高い。
 
S&P500種株価指数は前日比7.90ポイント高の3093.08で終え、連日で過去最高値を更新した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,681.24+6.44
S&P500種
3,093.08+7.90
ナスダック
8,475.312+40.796
NY金(ドル/トロイオンス)
1,462.90−3.50
NY原油(ドル/バレル)
57.44+0.29
円・ドル
109.20 - 109.21+0.25

 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前日比65円安の2万3470円で引けた。トランプ米大統領が中国との貿易協議で発動済みの制裁関税を撤廃することに「合意していない」と述べ、米中協議の先行き不透明感が広がった。

この日の12月物高値は2万3595円、安値は2万3300円。


CME225(ドル建て)
23485 -65
 
CME225(円建て)
23470 +90




【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ47.03ポイント安の7359.38で引けた。
米中貿易協議の「第1段階」の合意に不透明感が生じ、投資家のリスク回避気分が強まった。トランプ米大統領が公然と「合意していない」と語ると、下げ幅を拡大した。
指数構成銘柄全体の約8割が下落した。
 
個別銘柄では、鉱業株や銀行株に利益確定の売りが出て軒並み下落した。なかでも中国との関連が強い銀行のロイズ・バンキング・グループやHSBCホールディングス、保険のプルーデンシャルの下げが目立った。中国の収益依存度が高いファッションのバーバリー・グループも安かった。ネット専業スーパーのオカド・グループが急落した。他の小売株にも売りが広がった。原油安を受けて石油株も売られた。
 
半面、多国籍企業のたばこ株や医薬品のグラクソ・スミスクライン、食品・日用品のユニリーバは上昇した。ロンドン証券取引所(LSE)グループが高かった。
 


■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は6営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて60.90ポイント安の13228.56だった。
DAXは前日まで5日続伸し3.1%上げていたことから、目先の利益確定の売りが出やすかった。8日午後のトランプ米大統領の発言をきっかけに米中協議をめぐる先行き不透明感が改めて意識されたことも投資家心理の重荷になった。
 
個別銘柄では、オンライン決済サービスのワイヤーカードと決算を発表した保険のアリアンツが安かった。半導体のインフィニオンテクノロジーズや自動車株など通商問題に敏感な銘柄の売りも目立った。
半面、医薬・化学大手のメルクが高かった。


■フランス・パリ株価指数
CAC40 5889.70 -1.28(-0.02%)