兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

51円高と小反発 ワクチン期待で
東京株式(前引け)=51円高と小反発 ワクチン期待で
3日午前の日経平均株価は小反発し、前日比51円54銭高の2万9459円71銭で終えた。
 
前場は売り買い交錯の展開で、日経平均は前日終値を挟んで上下に振れたが、前場終盤に買いが優勢となった。前日の米国株市場で主力ハイテク株が売られNYダウ、ナスダック総合指数など主要株指数が揃って下落したことで、東京株式市場もリスク回避の売りが誘発されやすい環境にあった。
しかし、日経平均は前日に米株市場に先立って下値を試しており、足もとで米長期金利の上昇が一服していることや、新型コロナワクチン普及による経済活動正常化への期待などから押し目買いの動きが活発、全体相場を支える形となった。
 
米バイオ製薬モデルナのコロナワクチンについて、武田薬品工業が週内にも製造販売承認を申請する方針を2日に固めたと伝わった。さらに米国ではバイデン大統領が2日の会見で「米国の全成人のコロナワクチンを5月末までに供給できる」との見通しを示した。経済活動の正常化に向けて前進するとの見方が相場の支援材料となった。
 
ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が2日の講演で「雇用とインフレはFRBの目標からはほど遠い」との認識を示し、米長期金利が低下したのも一定の支えとなった。
 
一方、高値警戒感が漂うなかで積極的に上値を追う買い手は乏しく、日経平均は下落する場面も目立った。
市場からは「基本的に急ピッチな上昇に対するスピード調整局面にあると判断している。TOPIX(東証株価指数)先物を買い続けてきた米系証券が2月24日から売り越しに転じ、スタンスに変化が生じており、調整が続く可能性がある」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も小幅に反発した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1506億円、売買高は5億9562万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1044、値下がり銘柄数は1052で拮抗した。変わらずは98銘柄だった。

 
 
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、非鉄金属、海運業、ゴム製品などが上昇。下落は電気機器、その他金融業など。
 
個別では、ソフトバンクGが堅調で、武田は大幅高。神戸鋼、住友鉱、郵船が買われ、日本製鉄やJFE、IHIや川重が大幅上昇。ブリヂストン、トヨタ、ホンダやマツダ、Jフロントや高島屋も買われた。三菱UFJ、スシローGHD、JALが反発した。
 
半面、富士通やソニー、パナソニックなど売られた。キーエンス、東エレク、日本電産、SMC、アドテストも安い。任天堂は続落。ファーストリテが小安く、マネックスG、JPX、エムスリーは値を下げた。
 
東証2部株価指数は前日比0.41ポイント安の7366.44ポイントと続落した。
出来高1億5177万株。値上がり銘柄数は178、値下がり銘柄数は203となった。
 
個別ではSTIフードホールディングス、ビート・ホールディングス・リミテッド、アトム、ビットワングループ、加地テックが売られた。
 
一方、ジャパンエンジンコーポレーションがストップ高。フレンドリーは一時ストップ高と値を飛ばした。ギグワークス、ヒラキ、千代田化工建設、兼松エンジニアリングは昨年来高値を更新。東京衡機、ユニバンス、セキド、ダイハツディーゼル、フリージア・マクロスが買われた。