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ダウ続伸28ドル高 インフレ鈍化が支えも上値重く 
【市況】ダウ続伸28ドル高 インフレ鈍化が支えも上値重く 


27日のNYダウ工業株30種平均は小幅に6日続伸し、前日比28ドル67セント(0.1%)高の3万3978ドル08セントで終えた。インフレが落ち着く方向にあるなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が株買いを誘った。決算発表の内容が好感された一部銘柄が買われたこともダウ平均を支えた。ただ、週末を控え、利益確定の売りも出て取引終了にかけて上げ幅を縮小した。

朝方発表された注目の2022年12月の個人消費支出(PCE)物価指数は伸び率が3カ月連続で減速。米連邦準備制度理事会(FRB)が来週開く連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅縮小が決まるとの観測が強まった。また、米クレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)が早朝発表した22年10〜12月期決算は増収減益だったが、23年通期の業績に強気の見通しを示した。
 PCE物価指数とアメックスの業績予想が好感され、ダウは取引序盤から買いが先行。

ただ、前日までの5営業日続伸を受け、利益確定の動きが広がり、午前に一時マイナス圏に沈む場面もあった。売り一巡後は再びプラス圏に浮上したものの、来週のFOMC、アップルなど一連のIT大手決算発表に対する警戒感も根強く、終盤に再び売りに押され、上げ幅を縮小した。

ダウ平均の上げ幅は午後に200ドルを超える場面があったが、買い一巡後は急速に伸び悩んだ。前日までの5営業日で900ドルほど上昇し、週末を控えて持ち高調整や利益確定の売りが出やすかった。市場では「来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や主力ハイテク企業の決算発表など相次ぐ重要イベントを控えており、取引終了にかけて売りが出た」との声が聞かれた。

半導体のインテルが6%安となった。前日夕に発表した四半期決算が市場予想を下回ったうえ、23年1〜3月期の1株損益の見通しは市場予想に反して赤字を見込む。石油のシェブロンも27日に発表した四半期決算で1株利益が市場予想に届かず、4%安で終えた。

ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比109.297ポイント(0.9%)高の1万1621.710で終えた。4カ月半ぶりの高値。25日夕に発表した決算内容を好感した買いが続き、電気自動車のテスラが連日で11%高。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや画像処理半導体のエヌビディアも高い。




【シカゴ日本株先物概況】

27日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比85円安の2万7415円で引けた。12月コアPCE価格指数が鈍化傾向を示したため、金利先高観の後退で買われ、寄り付き後、上昇。日米株式相場はともに上値の重さが目立ち、日経平均先物は売りに押された。


シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27415 ( +55 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27455 ( +95 )

( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

27日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸し、前日に比べ4.04ポイント(0.05%)高の7765.15で終えた。中国経済の再開に対する期待感は根強く、エネルギー株への買いが指数を支えた。

個別では、構成銘柄の7割弱が上昇した。流通大手セインズベリーが5.5%高で値上がり率首位となったほか、住宅大手パーシモンが2.6%高、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが2.2%高で続いた。一方、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは2.9%安、産銅大手アントファガスタは2.2%安、小売り大手JDスポーツファッションは1.7%安だった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
27日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続伸した。前日に比べ17.18ポイント(0.11%)高の1万5150.03で終えた。エネルギー供給を巡る不安の後退で、ユーロ圏景気の大幅な落ち込みが回避できるとの見方が投資家心理を支えた。半面、欧州中央銀行(ECB)の積極的な金融引き締め継続への警戒感は根強く、上値は重かった。
 
個別では、人工透析企業フレゼニウス・メディカルケアが3.9%高、セメント大手ハイデルベルクセメントが2.7%高、自動車部品大手コンチネンタルが2.5%高。半面、医療機器のザルトリアスは3.5%安、航空機大手エアバスは3.4%安、電力大手RWEは1.7%安と売られた。
 



■フランス・パリ株価指数
CAC40指数7,097.21 +1.22 
 
CAC40種指数は0.02%高だった。
インフレの減速を示す米経済指標を受けて投資家のリスク選好意欲が改善した。