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ダウ続伸し117ドル高、雇用統計を好感
【市況】ダウ続伸し117ドル高、雇用統計を好感
8日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。終値は前日比117ドル68セント高の2万4329ドル16セントと4日に付けた過去最高値を4日ぶりに更新した。
 
アジア・欧州株が全面高となり、米国株にも買いが先行した。11月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大幅に上振れ雇用情勢の堅調さが示されたほか、昨日に上下両院が22日までのつなぎ予算を可決したことで政府機関閉鎖への懸念が後退し、終日堅調推移となった。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比22万8000人増と市場予想を上回った。失業率は横ばいの4.1%と予想に一致した。一方、物価動向を見極めるうえで重視される平均時給の伸びは予想より小さく、前月分も下方修正された。米景気が順調に拡大する一方で、利上げは緩やかなペースにとどまるとの見方が広がりIT株などを中心に投資家の買いが入った。
 
英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡り、メイ英首相とユンケル欧州委員長が8日、離脱条件について大筋合意した。英国やドイツなど欧州の主要な株式相場が総じて上昇し、米国でも投資家のリスク選好姿勢につながったとの指摘もあった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同27.240ポイント高の6840.081で終えた。多くのS&P500種株価指数は11月30日に付けた過去最高値を6営業日ぶりに更新した。
 
セクター別では、電気通信サービスや医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や食品・飲料・タバコが下落した。
 
個別では、自社株買いをそれぞれ発表した航空部品のハネウェル・インターナショナルと空運のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)がともに上昇。大規模な人員削減を計画していると伝わったイスラエルの後発薬テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズが急伸した。増配を発表した製薬のブリストル・マイヤーズスクイブが買われた。
 
一方、銀行のウェルズ・ファーゴが小安い。トランプ米大統領が同行の不正営業問題について、厳しく処罰すべきだとツイッターに投稿したのが材料視された。銃火器メーカーのアメリカン・アウトドア・ブランズ(AOBC)は決算内容が嫌気され、下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,329.16+117.68
S&P500種
2,651.50+14.52
ナスダック
6,840.081+27.240
 
米10年債利回り(%)
2.3778 +0.002
米2年債利回り(%)
1.7985 -0.008
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,248.40−4.70
NY原油(ドル/バレル)
57.34+0.65
円・ドル113.46 - 113.47   +0.92

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物(円建て)は続伸した。12月物に代わり取引の中心となった3月物は、前日比260円高の2万2845円で取引を終えた。大阪取引所の終値を55円上回った。
11月の米雇用統計の結果を受けて米株式相場が上昇した。NYダウ平均が最高値をつけるなど堅調だったのにつれて、日経平均先物にも買いが優勢になった。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22845 ( +55 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22900 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日7日の終値に比べ73.21ポイント高の7393.96で引けた。銀行株の上げが指数上昇に貢献し、構成銘柄の約9割が上がった。
英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、メイ英首相とユンケル欧州委員長が8日に離脱条件について大筋合意した。これを受けて英国を含む欧州各国株式相場が上昇した。ポンドが午後に下落に転じると、英国株の上げ幅は拡大した。
 
 国際的に活動する銀行を対象にした新自己資本規制「バーゼル3」の見直し作業が完了した。その内容が銀行に与える影響は事前予想ほど悪くないとの見方から、銀行株が買われた。ロイズ・バンキング・グループとバークレイズの上げが目立った。リーガル・アンド・ゼネラル(L&G)など保険株も堅調だった。
住宅建設株は軒並み大幅高。バークリー・グループは、上期増益を発表したほか、向こう数年の利益見通しを引き上げたことも好感され、7%近く上がった。
 
半面、たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコは売られた。品質試験サービスのインターテック・グループと、航空機エンジンのロールス・ロイス、情報・出版のインフォーマも下がった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日7日に比べて108.55ポイント高の13153.70だった。英国の欧州連合(EU)離脱交渉の進展を受けて、欧州各国株式相場が上昇した。
 
国際的金融機関を対象とした新自己資本規制「バーゼル3」の大枠が固まった。この内容が銀行に与える影響は事前予想ほど悪くないとの見方から、欧州各国で銀行株が買われた。ドイツでは、ドイツ銀行とコメルツ銀行の上げが大きくなった。下落したのは、日用品のバイヤースドルフとドイツテレコムの2銘柄だけだった。
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏) 5,399.09+15.23