兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

NYダウ小反発19ドル高 ハイテク株に買い
【市況】NYダウ小反発19ドル高 ハイテク株に買い
 
10日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比19ドル10セント(0.1%)高の3万4466ドル24セントで終えた。
 
朝方発表された注目の5月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇、コアCPIは0.7%上昇と、いずれも市場予想を上回る内容。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ加速は「一時的」とみる中、緩和に積極的な姿勢が変化するとの懸念は強まらなかった。
今週のダウ平均は3日続落していたこともあり、買いが入りやすい状況で、取引時間の大半で堅調に推移したが、取引終盤に上げ幅を縮小した。CPIを眺めて長期金利はいったん上昇したものの、低下に転じ、割高感があるハイテク株を中心に買われた。
 
債券市場では買い優勢になり、米長期金利は一時前日比0.06%低い1.43%まで低下した。長期金利が下がると買われやすいハイテク株が上昇し、ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが高い。
 
新薬の臨床試験の成功が伝わったメルクが買われるなど、製薬株の上昇が目立った。バイオ製薬のバイオジェンがエーザイと共同開発したアルツハイマー型認知症治療薬が米当局から承認され、株価が急騰したのを契機に製薬株には連想買いが入りやすくなっている。
 
ただ、ダウ平均は朝方に290ドル高を付けた後は伸び悩む展開となった。長期金利低下で利ざや縮小が懸念された金融株が下げ、相場の重荷となった。ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースは2%安。春先から堅調だった景気敏感株の一角には利益確定売りが出て、建機のキャタピラーは4%安、化学のダウも1%強下げた。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比108.583ポイント高の1万4020.333で終えた。1万4000台に乗せるのは4月29日以来。インターネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力のハイテク株の一角が堅調。電気自動車のテスラも買われた。
S&P500種株価指数は前日比19.63ポイント高い4239.18で終え、1カ月ぶりに過去最高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,466.24+19.10
S&P500種
4,239.18+19.63
ナスダック
14,020.333+108.583
NY金(ドル/トロイオンス)
1,896.40+0.90
NY原油(ドル/バレル)
70.13−0.16
円・ドル
109.35 - 109.37−0.19
 
 

【シカゴ日本株先物概況】


 
10日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比150円高の2万8975円で引け、10日の大取終値を5円下回った。
朝方発表された5月CPIは市場予想を上回ったものの、連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められ、買いの安心感が広がった。週次新規失業保険申請件数も市場予想は上回ったものの、前週より減少し、労働市場の回復が続いていることが確認された。足元で売られていた景気敏感株が買い戻され、長期金利の低下はハイテク株など、PERの高い銘柄への買いを誘った。ダウは引けにかけて上げ幅を縮小し小幅高、ナスダックは終日堅調に推移した。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28940 ( +20 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28980 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7088.18(+7.17)
10日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日の終値に比べ7.17ポイント高の7088.18で引けた。構成銘柄の5割超は下落したが、時価総額の大きい医薬品株が堅調に推移し相場を支えた。
 
個別銘柄では、通信のBTグループが大幅高となった。欧州通信大手アルティスがBTの株式を取得し大株主となり、ファイバー事業の拡大を期待した買いが入った。医療機器のスミス・アンド・ネフューと医薬品のアストラゼネカの上げも目立った。
鉱業株には売りが続いた。前日上昇した食品サービスのコンパス・グループや航空株などレジャー関連株も売りに押された。流通大手セインズベリーが3.0%安、ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループが2.3%安とさえなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15571.22(−9.92)
10日のドイツ株式指数(DAX)は小幅ながら4日続落した。終値は前日と比べて9.92ポイント(0.1%)安の1万5571.22だった。
10日の欧州中央銀行(ECB)理事会の結果や米消費者物価指数(CPI)の発表を受けて売り買いが交錯した。
 
個別では、シーメンス・エナジーなどエネルギー株が下落した。引けにかけて自動車株にも売りが出た。半導体のインフィニオンテクノロジーズは高かった。IT(情報技術)のSAPも上げた。米株市場でのハイテク株の買いが波及した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6546.49(−16.96)