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疑問
「疑問」
NY株式市場は5日続伸。
バークシャー・ハザウェイが買い増したアップルやシスコシステムズなどハイテク株が上昇。
主要株価指数を押し上げた。
とうとう「株価急落を招いたインフレ懸念は、投資家の間で重視されなくなっている」との声まで聞こえ始め
 
た。
好調な企業決算と新たな減税効果での業績拡大に注目するという本来の姿勢が戻ってきたようだ。
VIX(恐怖)指数は19.46。
5日に付けた50.3を大幅に下回った。
国債利回りは低下。
ドルは全面安の動き。
ドル/円は最大0.9%下落。
2016年11月以来の安値となる106.03円に迫った。
「財政赤字拡大見通しを巡る懸念がドルの圧迫要因」との解釈だ。
新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7000件増の23万件で市場予想と一致。
1973年1月以来45年ぶりの低水準をキープしている。
154週連続で30万件を下回った。
IMFのラガルド専務理事のコメント。
「税制改革により短期的に米経済成長は押し上げられる。
しかし中期的には赤字や債務などの面でマイナスの影響が出る可能性がある。
第1に赤字復活の結果として債務が増大。
第2に税制改革により賃金が上昇すると予想されインフレが高進する」。
「S&P500採用銘柄の2018年のEPSは18.9%増」とのアナリスト予想。
足元を信じたいものだ。
 
NYの4日続伸を受けてようやく4日ぶりの反発となった日経平均。
「ようやく追随高の動き」となった。
「3日下げて4日目に反発、よくあるパターン」という冷めた声もある。
しかし4日ぶりの日足陽線は歓迎したい。
「春一番が吹いた翌日の株高」というアノマリーまで聞こえてきた。
VIX指数20ポイント割れに対し日経VIは25ポイント台。
新安値84銘柄と依然として高水準。
逆に新高値は23銘柄だけだった。
もっともSQ値21190円に対しては3勝1敗と勝ち越し。
25日線(23020円)からの乖離はマイナス6.8と低下。
200日線(21045円)からはプラス2.0%まで回復。
5日線〈21417円)も上回って来た。
サイコロは4勝8敗で33.3%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲14.383%(前日▲13.204%。1月23日▲18.371%)。
買い方▲9.941%(前日▲11.375%、1月24日△0.46%)と好転。
Quick調査の信用評価損率はマイナス10.10%と2週連続の悪化。
昨年9月22日のマイナス10.00%以来の水準。
ドルベースの日経平均は201.49と200ドル台回復。
裁定買い残は4619億円減少し1兆7398億円と5週連続の減少。
裁定売り残は340億円減少し4918億円。
裁定残の減少が株安の主役だったことがまた焙り出された。
空売り比率は44.7%と15日連続の40%台。
日経平均採用銘柄のEPSは1675.64円(前日1651円)と増加しPERは12.81倍。
全体的には中途半端ながら日経平均採用銘柄のEPSと裁定買い残の大幅な減少、
空売り比率の15日連続40%台を鑑みればほぼ底打ちモードとなってきた。
シカゴ225先物終値は大証日中比25円高の21475円。
ドル円の106円台前半が邪魔した格好でNY株ほどの戻りにはなっていないが、高値は21610円だった。
 
ボリンジャーのマイナス1σの22013円はまだ遠い。
底打ちサインは「大陽線が連続陽線」ならば今日は日足陽線期待の日。
市場では「後追いの市場解釈、罫線分析の好きな投資家の存在がしばしば間違いの原因。
誤解と錯覚に基づいた陰謀論の間違いの訂正もあろうか」という声もある。
理解しがたい売り材料は永続しないものだし、逆もある。
6週ぶりの週足陽線(基準は13日終値21244円)はキープ可能と見たい。
13日始値ベースだと21633円。
基準が始値か終値かは議論があるところだが始値というのがもともとの兜町の流儀と聞く。
(その昔はゲキタクもあったし、気配で寄らずの銘柄もあったからというのが理由。
そもそも昔は寄り付きの日経平均というのは計算されず9時15分だった)。
 
大体・・・。
チャートなんて横文字にするから高級そうに見えるが元は罫線屋と呼んでいた。
兜町の片隅でレース場の予想屋さんのように銘柄を書いた紙を売っていたという話も聞く。
すべての事象を罫線にするのだからスゴイと思うこともある。
株価という抽象体を罫線という目に見えるのだからそれはそれで立派だ。
ただ「見える化」されているがさらに抽象化されていることも事実だ。
「錯覚を生じさせうるわかりやすさ」と「煙に巻かれるようなわかりにくさ」の同居という印象。
例えば鉄と東レが全く同じ値動きをしていても鉄と東レは同じ企業ではない。
為替と日経平均も同様だ。
この根源的な疑問の解はないものだろうか。
 
 
日経1面では「黒田氏再任きょうにも提示」の見出し。
情勢はまだ不透明ながら「黒田氏が固辞する可能性を操っての円高」というのが崩れるかどうかのところだ。
副総裁は雨宮理事の昇格と若田部早大教授との案も記されている。
ベストシナリオは本田スイス大使の副総裁だったが、サプライズはなさそうな気配。
もっとも「若田部教授は悪くない」という声もある。
安倍首相は昨夜本郷の「焼肉ジャンボはなれ」で7時9分から21時過ぎまで会食。
兄弟に加えて、長瀬産業会長とイマジカロボットの会長が同席。
何だったのだろうか。
 
決算はほぼ通過した東京市場。
第3四半期の純利益の合計額は23兆6364億円。
年々同期比35%増となり5年連続で過去最高を更新した。
牽引役は電機・自動車・化学などのセクター。
因みに今年になってから上方修正した企業は293社。
今期通期純利益は前期比30%増の28兆6801億円。
2期連続過去最高益更新の見通しだ。
 
話題にはなっていないが発表されていたのはMSCIの四半期見直し。
買い需要はルネサス(6723)107億円、ミスミ(9962)2億円、
ネクソン(3659)2億円、LINE(3938)1億円、プロロジス(3283)1億円など。
 
 
NYダウは306ドル高の25200ドルと5日続伸。
NASDAQは112ポイント高の7256ポイント。
S&P500は32ポイント高の2731ポイント。
ダウ輸送株指数は74ポイント高の10556ポイント。
3市場の売買高は71.2億株。
CME円建ては大証比25円高の21475円。
ドル建ては大証比50ポイント高の21500ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比280円高の21460円。
ドル円は106.06円。
10年国債利回りは2.891%。
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
栗田工(6370)・・・動兆。
 
栗田工業に注目する。
同社は水処理大手。
超純水が好調。
海外工事が拡大基調。
半導体の需要拡大は追い風。

(兜町カタリスト櫻井)