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小幅続伸、円安で景気敏感株に買い
東京株式(前引け)=小幅続伸、円安で景気敏感株に買い

12日午前の日経平均株価は小幅続伸し、前日比38円91銭高の2万2789円15銭で前場を終えた。
前日の米国株が取引終了にかけて値を消し、日経平均も小幅安で始まったが、朝の売りが一服すると断続的に買いが入って日経平均は値を戻した。その後、再び売り物に押されてマイナス圏に沈んだが、売りの勢いは長続きせず、前場中盤以降はおおむね小幅高でのもみ合いが続いた。
外国為替市場での円安・ドル高の進行で、景気敏感株などに買いが入った。長期金利上昇を受けた金融株の物色も支えとなった。
 
円相場が1ドル=106円台後半まで下落し、輸出採算の改善を期待した買いが鉄鋼株や機械株といった輸出関連株に入った。
ロシア政府が世界で初めて新型コロナウイルスのワクチンを承認したとの11日の発表を受け、ワクチン開発への期待も支援材料となった。
 
ただ日経平均は下げに転じる場面もあるなど、売りも目立った。前日の米株式相場の下落や、きょうの中国株などアジア株の軟調推移が重荷となった。
前場はソフトバンクGの下げが日経平均の重しになっており、後場も値がさ株の動向には注意を払う必要がありそうだ。
 
市場では「4〜6月期の厳しい国内企業の決算を踏まえても、心理的な節目の2万3000円が近づくにつれ利益確定売りが強まりやすい状況は続く」との見方があった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2100億円、売買高は7億1777万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1285と全体の6割近くを占めた。値下がりは784、変わらずは102銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は、銀行業、保険業、石油・石炭製品、ゴム製品などが上昇。下落は非鉄金属、医薬品など。
 
個別では、三菱UFJ、三井住友、みずほFGが買われ、第一生命、かんぽやりそなHD、MS&ADなどが買われた。資生堂が大幅高で、オリンパスやカシオ、コマツや日立建も高い。トヨタ、ブリヂストンが堅調で、キーエンス、SMCは値を上げた。
 
一方で前日に決算発表した楽天、ソフトバンクグループ(SBG)が大幅安。日本電産が軟調で、太陽誘電やTDK、日製鋼、住友鉱、エーザイ、楽天も売られた。
 

東証2部株価指数は前日比41.80ポイント安の6525.56ポイントと3日ぶり反落した。
出来高8082万株。値上がり銘柄数は179、値下がり銘柄数は198となった。
 
個別では、野村マイクロ・サイエンス、浜井産業、リスクモンスター、菊水化学工業、オプティマスグループが売られた。
 
 一方、ウイルテックが一時ストップ高と値を飛ばした。東邦化学工業、ショクブン、ジュンテンドー、高松機械工業、大和が買われた。