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175円安と軟調、アジア株安などが重し
東証プライム市場(前引け)=175円安と軟調、アジア株安などが重し
 

 
28日午前の日経平均株価は続落し、前週末比175円24銭(0.62%)安の2万8107円79銭、東証株価指数(TOPIX)は15.93ポイント安の2002.07で午前の取引を終えた。
 
米ハイテク株安の流れも重しとなりやや売りが先行している。今週の米国では週末の雇用統計など重要な経済指標のほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見など重要イベントが相次ぐことから、積極的な売買は手控えられるとの見方が強いことも背景にあるようだ。下落してスタートした後は、マイナス圏での軟調な展開となった。そのほか、中国・香港市況は軟調に推移、米株先物も売り優勢の展開が続いている。
 
日経平均は下げ幅を200円超に広げる場面があった。新型コロナウイルスの感染者数が増加する中国では徹底的な感染の封じ込めを図る「ゼロコロナ政策」が続き、同国経済の先行きに懸念が広がっている。中国需要の減速を意識してニューヨーク原油先物が日本時間28日午前の時間外取引で下落したのにつれてINPEXなどが下げ幅を拡大した。中国では政府に対する抗議活動が広がっているとも伝わっており、投資家心理を冷やした。
 
一方、医薬品株や地銀株の一角には買いが入った。市場では「中国景気の影響を受けにくいディフェンシブ株という位置づけから個人投資家などの物色が向かった」という声が出ていた。
 
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3770億円、売買高は6億2388万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1365と、全体の約7割だった。値上がりは389銘柄、変わらずは82銘柄だった。
 
 

業種別株価指数は33業種全てが下落し、鉄鋼、鉱業、不動産業、銀行業、卸売業の下落率が大きかった。
 
個別では、東エレクやレーザーテック、アドバンテなどの半導体関連株が軟調に推移、三菱UFJや三井住友などの金融株、三菱商事や三井物産などの商社株、日本郵船や商船三井などの海運株が下落した。ファーストリテやソフトバンクグループ(SBG)、トヨタ自、HOYA、TDKなどの大型株も下落した。ほか、株式売出による短期的な需給悪化を懸念された野村総合研究所、サッカーW杯における日本の敗戦で反動安の流れとなったハブが急落した。サイバーエージェント、シンクロフードなどが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
 
一方、ネクソン、エーザイ、豊田通商、荏原が上昇した。ストライクやM&Aキャピタルパートナーズなどの一部のM&A仲介関連株が堅調に推移した。保有する野村総合研究所の株式を全て売却すると発表したジャフコ グループが急騰、そのほか、インテリジェント ウェイブ、チャーム・ケア・コーポレーション、酉島製作所などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。