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2015年12月09日
「消える職業」「なくなる仕事」あなたは大丈夫?
あなたは今、働いている会社の将来を考えたことがありますか?
また、働いている会社が未来永劫続くと思っていますか?
将来有望だと思われていた新進気鋭の会社であっても、あっという間に業績が悪化し経営が立ち行かなくなるということもあります。
中小企業に目を向けても、経営者の高齢化で廃業が増加しています。

日本の現在の上場企業は、企業の再編と統廃合が進む結果、20年後には3分の1が姿を消していると言われています。
仕事が少なく、たとえ就職できても低賃金だったり、長時間労働を強いられたりする。日本では、「ブラック企業」などという言葉まで生まれました。
経済不安を抱えているのは日本だけではなく、他の先進国も同じです。

■今後無くなる仕事は?
無くなる仕事とは、何なのでしょうか?
また、逆に生き残る職業とは一体何なのでしょう?
まず、なぜ無くなる仕事が出てくるのかというと、ロボットの進化が人間の仕事を代替するレベルにまで到達すると考えられるからです。
ロボットの開発競争は凄まじく、人間の作業効率をはるかに超えるスピードで働きます。
では、具体的にはどのような仕事が考えられるでしょうか。

・「全自動運転」
環境を破壊し交通事故も引き起こす自動車は、今後その存在のあり方を再考しなければならないものです。そこで注目されているのが電気自動車。
ガソリン車に比べ圧倒的に環境に優しい電気自動車の生産には各社注力しています。
またヒューマンエラーを防ぐためにGoogleや自動車メーカーを中心に研究開発されているのが、全自動運転の技術です。この技術も世界を変える技術といえます。
全自動運転の技術ができると、無くなる仕事として考えられるのは、タクシードライバーやバス・トラックの運転手などでしょう。
電車の運転士・車掌も今後、運転や案内は全て自動化、ロボット化することで現場対応の必要性はなくなっていくと考えられます。

・レジは自動化進む
スーパーなどのレジは、すでに機械による自動化が進んでいます。
東京の大手レジメーカーでは、従業員がレジを打つ必要がない「セルフレジ」の販売がここ数年大きく伸びています。今の主力商品は、客が商品をレジにかざしてバーコードを読み取らせるもので、電子マネーでお金の精算もできるため、これまでのレジに比べて平均で1.5倍の早さで会計を済ますことができるということです。コンビニや外国人観光客の多い百貨店などからも問い合わせが相次いでいるということです。

・新聞配達員・郵便配達員・訪問型営業
新聞配達員はIT技術の発展により新聞のペーパーレス化が進んでいくので、無くなる仕事といえます。郵便配達員も同様にペーパーレス化が進むので無くなる仕事となるのは確実でしょう。
訪問型営業も消費者間においてネットでの購買が進んでいくので、無くなる仕事だと予測できます。生保レディも営業をおかないネット生保の発展が既存の生保レディをリプレイスするため、無くなる仕事です。

・コールセンター・プログラマー
アウトソーシングが進むことで今後無くなる仕事もあります。具体的にはコールセンターなどが無くなる仕事といえます。コールセンターを使うなら、日本ではなく、コストの安い海外の国にアウトソースするのが一番だからです。
また、日本で今後無くなる仕事としては、プログラマーもそうだといえます。開発さえできれば国籍は関係ない為、自社で抱えるコストを削減するためにプログラマーもアウトソースされるので無くなる仕事といえるでしょう。

その他には、

・交番の警察官
今後、監視カメラやセンサーの高度化が進んでいくことで、見回りの必要がなくなっていくようだ。

・学校の教員
少子化が進み、教員の数が減少することに加え、必要な情報はモバイルや通信で検索閲覧することが可能になる。伝えるだけの教師は今後必要とされなくなっていく可能性が高い。

・日本人の取締役
海外のビジネスが日本に入り、グローバル化が進むに連れて、対応に追いつけなくなる日本人が増えるだろうと予想されます。

・専業主婦
経済状況の悪化から、裕福な家庭以外は女性も働かざるを得なくなるだろうというネガティブな考察もあるようです。

・レンタルビデオ店
オンラインからのストリーミングサービスが主流になることでレンタルビデオ店に行く必要がなくなる。ビデオというフォーマット自体もう既に消えつつあります。

・農業労働者
食料の生産行程のほとんどは、ロボットで自動化されていくことが予想されており、人員は必要なくなっていくと予想されています。

これまでも、社会の変化や技術の進歩によって、さまざまな職業が生まれては消えてきました。

かつて日本の経済を支えた炭鉱労働者。昭和15年には14万人を超える人が働いていたが、エネルギーの主流が石油に代わり、平成14年、北海道釧路市にあった国内最後の炭鉱が閉山し、歴史に幕を下ろしました。

また、働く女性の花形職業と言われたタイピストも、最近聞かれなくなった仕事の1つです。昭和40年代には速記者を含めて9万人近くが働いていましたが、多くの職場でパソコンなどが使われ始め、タイプライターが姿を消すと、タイピストという仕事もなくなりました。

電話の普及に伴って必要とされた「電話交換手」。かつては手動で電話をつながなければ通話ができませんでした。昭和40年には16万人以上がいましたが、自動交換機が出来たことで、次第に減っていきました。

一方、新しい仕事も出てきています。
平成22年までの5年間で農業従事者が53万人以上減った一方、医療・福祉施設の介護職員やソフトウェア開発の技術者はいずれも20万人以上増加しました。
さらに、就業者が342万人に上る「分類ができない職業」の中には、これまでにない新しい仕事も数多く含まれています。
こうした数字からは、多くの人々が社会の変化に合わせて新しい仕事に移っていることがうかがえます。
医師や教師、美容師、それに観光バスガイドなど、人とのコミュニケーションが重要な仕事や、映画監督、音楽家など創造性が特に必要とされる仕事は、機械が代わって行うのは難しいと分析されています

将来は、機械に多くの仕事を任せる一方、人は創造性やコミュニケーションがより求められる仕事を担うようになるのではないでしょうか。

次回は、代替されにくい仕事とは? その他、関連する銘柄紹介。