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2015年12月14日
今年はインフルエンザ大流行の可能性も!
寒い季節になってくると、インフルエンザの流行が気になってきてしまいますね。インフルエンザは毎年のように流行しているので、多くの人が経験したことがあるでしょう。

私はかかったことがないのですが…

これから季節、かぜはもちろん、インフルエンザへの注意が重要です。
本格的に流行する前に、インフルエンザワクチンの接種、手洗いうがいやマスクの着用などを徹底し、早めの予防を心がけましょう。

■インフルエンザとは
インフルエンザ(influenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症であるが、「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき「重くなりやすい疾患」である。
流行が周期的に現われてくるところから、16世紀のイタリアの占星家たちはこれを星や寒気の影響(influence)によるものと考え、これがインフルエンザの語源であると言われている。インフルエンザは、いまだ人類に残されている最大級の疫病である。

■かぜとインフルエンザの見分け方
かぜとインフルエンザは、鼻水やくしゃみ、咳、のどの痛み、発熱など、一部の諸症状がよく似ています。しかし、かぜは鼻水やくしゃみ、咳、のどの痛みなどの局所症状から始まるケースが大半なのに対し、インフルエンザの場合、初期症状から高熱、頭痛、関節痛などの全身症状があらわれます。

特に朝から38度以上の高熱が出ている場合はインフルエンザの可能性が高いとみるべきです。
また、インフルエンザは通常のかぜと比べると症状が重く、小さいお子さんや高齢の方、慢性的な病気を抱えている方は、かかると重症化しやすい傾向があるとともに、さまざまな合併症を併発する可能性がある危険な病気でもあります。感染力が高いため、短期間で流行するのも特徴です。
かぜとインフルエンザの違いはいくつかありますが、判断がつかない場合は早めに医療機関を受診しましょう。

■インフルエンザの特徴
【潜伏期間】1〜3日
【感染経路】主に飛沫感染
【発症】急激に38℃以上の高熱が出る
【療養期間】一週間程度
【症状】悪寒、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状、咳、痰(たん)、 呼吸困難、腹痛、下痢などの胃腸症状 など
※飛沫とは、くしゃみや咳(せき)などで唾液や鼻水が小さな水滴となって飛び散ること。

■インフルエンザの流行時期は?
季節性のインフルエンザは、例年11〜12月頃に流行が始まり、1〜3月にピークを迎えます。
しかし、2009年は新型インフルエンザウイルスの出現によって、5月から感染者が確認されはじめ、夏以降、感染者が爆発的に増加しました。

■インフルエンザの種類
ヒトに感染するインフルエンザウイルスには、A型・B型・C型の3つがあり、現在流行の中心となっているのはA型とB型です。

A型は症状が重篤になる傾向があり、死に至ることもあります。また感染力が強いため、大流行(パンデミック)を起こしやすく、過去には香港かぜやスペインかぜなどの世界的な流行で多くの死者を出しました。
2009年に世界中で流行したいわゆる「新型インフルエンザ」は、A型、H1N1亜型というものでした。

B型は、A型よりも症状が比較的軽く、限られた地域で流行するケースが見られます。

C型は鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多いウイルスです。
■インフルエンザワクチンはこうして作られる
インフルエンザワクチンのもとになるウイルスを、ワクチン株といいます。毎年、WHOが国内外のインフルエンザ情報に基づいた流行予測を行い、推奨ワクチン株を発表しています。
日本では国立感染症研究所をはじめとするインフルエンザの専門家たちが、国内の流行分析や世界中の最新情報を元にインフルエンザワクチン株を決定しています。
このワクチン株の数に変化があったのが、2015/16シーズンのインフルエンザワクチンです。次の項目で、何が変わったのか詳しく見ていきましょう。

■インフルエンザワクチンの4価ってなに?
以下の図をご覧ください。
今までの3価のワクチンというのはこのようにしてインフルエンザa型を2株ワクチンへ投入。
そしてB型に関しては山形系統かビクトリア系統かを予測して1株を入れてワクチンを作成していました。
ただ、これが4価になるということは両方のワクチンを投入して作るということになります。
これによって、どちらのB型インフルエンザが流行したとしてもワクチンの効果があるというのが今回のインフルエンザワクチンの特徴となります。

インフルエンザワクチン 価格が上がる!(9月30日のコラム)を紹介しましたが、
インフルエンザが流行する12月から2月にかけて、初期と後期で流行するB型ウイルスの種類が変わることが多かったため、2015年秋からは、さらにB型を1種類追加した、4種類のウイルスに対応したワクチンに変更されました。その結果、ワクチンが500〜1000円ほど値上がりすることになっています。

■ワクチンの供給不足
さらに追い打ちをかける、ワクチンの供給不足になっています。
ワクチンの値上げだけでも予防接種が大変になるのに、ワクチンの数自体も今年は不足しているそうです。
その理由は、ワクチン製造の大手である『化血研』がワクチンを出荷できていないためだとか。『化血研』によると、同社の別の薬品は国が定めた製造方法とは異なる方法で製造されていたため、出荷停止となり、その他の製品も同様の問題がないか確認が終わるまでは出荷ができないそうです。これにより、同社が担当する予定だった1700万人分のワクチンが、未だに出荷される目処が立たないと言われています。

■今年はワクチン接種者が減少するため大流行の可能性も!
ワクチンの値上げのため、予防接種を受ける人が減り、今年はインフルエンザが大流行する危険性が叫ばれています。
そして流行が本格化する12月以降は、このままワクチン不足が続けば予防接種を受けたくても受けられない可能性も…。
インフルエンザに対する最も有効な予防手段はワクチン接種であると、WHO(世界保健機関)も呼びかけています。特にインフルエンザが重症化する恐れのある高齢者や妊婦中の人などは、予防接種はなるべく早めに受けておいた方がいいかもしれません。

毎日様々なものに触れている手にはウイルスが付着している可能性があるので、手洗いやうがいを徹底しましょう。空気感染を防ぐマスクの着用も、もちろん大切です。
自宅や職場での乾燥を避けることも有効です。冬は空気が乾燥しやすく、のどの粘膜がウイルスに抵抗する力が低下してしまうため、加湿器などで適度な湿度を保つことは効果的と考えられます。
インフルエンザの感染防止対策には予防接種はもとより、うがいや手洗い、マスク着用などの重要性が高まってくる。このようななかで、関連製品の需要拡大が見込めるでしょう。
対策関連銘柄は以下の通りです。

[2269] 明治HD
殺菌・消毒効果を持つうがい薬「イソジン」は絶大なブランド力。

[3107] ダイワボウ
京都産業大学との共同研究で開発した銅イオンを担持(微量固定)した抗ウイルス不織布を使用のマスク「プロテクシールド」を発売。通気性を考慮しながらバクテリアろ過効率99%を確保したサージカルマスク。

[3109] シキボウ
繊維に付着したウイルスの働きを抑制する効果に優れる抗ウイルス加工繊維「フルテクト」を開発。「フルテクト」加工繊維ファブリックにウイルスを感作させたところ、ウイルスは検出限界以下に低下し、抗ウイルス効果を確認。また、洗濯50回後でも同様の効果があり、洗濯によって抗ウイルス効果が低下しないことを確認している。

[4403] 日油
万能インフルエンザワクチンを厚生労働省などと共同研究で開発中。ただし、このワクチンは実用化されるとしても数年先の話。
日油は「バイオから宇宙まで」のキャッチフレーズが示すように、油化、化成、化薬、食品、ライフサイエンス、電材、医療・化粧品用基材と幅広い事業をカバーする化学メーカー。

[4519] 中外薬
抗インフルエンザ薬タミフルを国内で販売。

[4507] 塩野義
インフルエンザを1日で治療できる世界初の新薬を2018年にも国内で実用化することが株式市場でも話題に。従来の薬はインフルエンザウイルスの増殖そのものを止める効果はないが、開発中の新薬はウイルスの増殖を抑えて死滅させる仕組み。

[4901] 富士フイルムホールディングス
写真フィルムから液晶フィルム、医療画像等へ転換している。傘下に事務機器大手の富士ゼロックスを擁する。抗ウイルス剤は、ウイルスのRNAポリメラーゼに作用し、ウイルスの複製を阻害することから、鳥インフルエンザA(H5N1)型に有用性が期待されている。

[8113] ユニ・チャーム
生理用品、幼児用、大人用紙おむつでトップ。ペットケア用品も首位級。アジア、中東に展開。インフルエンザ、花粉症、風邪対策用のユニ・チャーム超立体マスクが有名。
超立体マスクを生産しているので花粉症関連銘柄ともいえる。

[4998] フマキラ
スプレーするだけで、陽イオンポリマー(プラスイオン)の静電界が顔全体をコート、空中を舞う微粒子(飛沫等)を反発したり吸着したりすることで鼻や口へのウイルスの侵入を防ぐ「アレルシャット」シリーズを展開。顔や髪に直接スプレーできる、ふんわりミストタイプのウイルス花粉対策スプレー「アレルシャット ウイルス花粉 イオンでブロック スプレータイプ 160回分」を新たに開発、11月中旬より順次、全国の店頭で発売している。より微細なふんわりエアミストで顔全体を包み込むタイプで、メイクや髪型が崩れてしまう心配がなく、女性層への拡販を狙う。

インフルエンザ関連 記事
[2015年09月30日]
インフルエンザワクチン 価格が上がる!