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大化け銘柄は、●●関連か?
大化け銘柄は、●●関連か?
厚生労働省が、4月28日に発表した3月の有効求人倍率は1.45倍とバブル期の1990年11月以来26年4ヵ月ぶりの高水準を記録しています。

有効求人倍率は、昨年12月、今年1月、2月と3ヵ月連続で1.43倍と高原状態を続けています。3月はさらに水準が切り上がったことになります。

わが国の労働市場では2013年11月に6年1ヵ月ぶりに有効求人倍率が1倍を超えて、3月までで3年4ヵ月が経過しました。この間、求人倍率は一貫して右肩上がりで、今後も上昇基調が続く可能性は高いです。

出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(平成28年2月分)について

株式市場でも、人材サービス関連は大化け銘柄の宝庫になりえる可能性があります。

企業の求人需要は引き続き旺盛です。
企業の人材不足は顕著で、安倍政権主導による「働き方改革」では長時間労働の是正により、一人当たりの最大労働時間を減らす方向にあります。
これに伴い企業側は労働力を確保するための人材を外部に求める動きが顕在化しています。
これは人材サービス関連株の収益機会拡大へとつながっていくでしょう。

人材派遣関連銘柄
人材の供給元である人材派遣業界の関連銘柄には注目が集まることが予想される。

1、[2168] パソナグループ
人材サービス大手。派遣や紹介、再就職支援など。福利厚生代行が収益柱に。

「働き方改革」など国策に乗る内需の成長株セクターとして継続的な買いが流入している。
人材派遣を手掛けるNTTグループの2社を子会社にすると発表。さらにNTTグループの4社から人材派遣事業を譲り受ける。取得額は総額で約54億円。NTTグループとの取引を広げるほか、各企業の店舗網などを活用して地方での営業強化につなげる方針。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

2、[2181] テンプホールディングス
人材派遣大手。テンプとピープルが統合。アウトソーシングを育成。傘下にインテリジェンス。

記録的な有効求人倍率の上昇が人材関連株の収益機会の拡大を暗示しているが、そのなか時価総額の大きい銘柄にも機関投資家とみられる買いが流入しているとの観測。
今後日本市場では労働力不足が企業業績全体に重荷となるとの見方を示す一方、それを補う設備投資や人材・アウトソーシング市場については需要を後押しするだろう。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

3、[4848] フルキャスト
短期特化の人材サービスで首位。雇用管理業務代行等が主力。警備請負も。

旺盛な人材需要が続くなか、主力の短期業務支援事業でアルバイト紹介が大きく伸びたことが寄与している。生産性向上に取り組み、人件費を中心に販管費を抑制したことも大幅増益に貢献している。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

4、[2379] ディップ
求人情報サイトを運営。アルバイトの「バイトルドットコム」が主体。転職紹介も強化。

今期も旺盛な求人需要を追い風に、主力とするアルバイト求人情報サイト「バイトル」や派遣求人サイト「はたらこねっと」の広告出稿が伸び、5期連続の増収増益を見込む。業績好調に伴い、前期の年間配当を35円→36円(前の期は62円)に増額し、今期も前期比3円増の39円に増配している。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

5、[4849] エン・ジャパン
ネット求人大手でサイトを運営。転職情報に強み。広告が収入源。人材紹介育成。

17/3期決算とともに発表されるとみられる中期経営計画に注目。
中期的な高成長見通しが示されること、AIやビッグデータなどのテクノロジーを活用したサービス強化等が打ち出されるとみており、株式市場に対して良好な見通しと変化を感じさせるだろう。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

今後日本市場では労働力不足が企業業績全体に重荷となるとの見方を示す一方、それを補う設備投資や人材・アウトソーシング市場については需要を後押しすると考えられます。