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今年は猛暑!サマーストック銘柄はコレだ!
今年は猛暑!サマーストック銘柄はコレだ!
株式市場は、常に物色テーマが存在します。
季節性の強い商品を扱っている企業においては、季節の移り変わりや天候の影響によって株価に変動が生じます。
旬の時期が来て関連銘柄が賑わってから買いに行くのでは“既に遅い”ということが往々にしてあります。
常に他人より先に、人気化しそうな銘柄を仕込んでおくのが株式投資で勝つ秘訣です。

そこで注目なのが、アイスクリームです。
市場は緩やかな成長が続いています。
2005年度に3,533億円だった市場は、10年後の2015年度には4,647億円に拡大しています。年平均成長率は+2.8%ですから、急成長とは言えませんが、食品市場としては安定的に伸びていると見ていいでしょう。
注:合計販売金額ベースは、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓です

また、日本アイスクリーム協会が発表した「 アイスクリーム白書2016」によると、1回の購入金額が2014年から3年連続で上昇しています。

そのアイスクリームを“誰用に購入するか”については、92.3%の人が「自分に」と回答。
前年同様に、好きなアイスクリームを自分で選んで買っている人が多い事がうかがえますが、“他の人”への購入がやや増加した傾向が見られています。
アイスクリームは、59.0%が「おやつ・間食に」食べていると回答しています。
「暑い日・暑いとき」58.2%は前年の49.2%に比べ、9.0pt上昇しています。

アイスクリーム白書 2016より

夏の気候に左右されるが、景気変動の波にも左右されます。

さて、アイスクリームというと、その売れ行きが夏の気候に左右されるイメージが強いと推察されます。確かに、年間を通してみれば7〜8月が最需要期であり、実際、記録的な猛暑となった2010年は前年比+6.6%増と高い伸びを示しています。夏季気候に左右されるのは間違いないと言えます。
日本でも夏には日本全国で気温35度を超える猛暑日が続くことも珍しくありません、これは消費行動を左右するに十分なインパクトを持つ材料になります。

アイスクリームの高単価の商品が好調に推移しており“プチ高級化”になっています。
例えば人気商品の「パルム」を手掛ける森永乳業 <2264> は業績への貢献が見込めるでしょう。

大手の一角である「ジャイアントコーン」の江崎グリコ(2206)ですが、株価チャートを見ると、毎年ゴールデンウィークあたりから株価が上昇基調に向かい始め、夏場に高値を付けるパターンが多いようです。
偶然なのでしょうか?

チャート出典:ストックウエザー株式会社

2016年3月期の利益率は6.8%となり、主力の菓子事業の7.6%に次ぐ高い収益性となっています。しかも、直近5年間では最も高く、なおかつ、他の事業に比べて変動が小さく安定した高採算事業であることがわかります。やはり、アイスクリームは儲かる商品なのでしょうか。

今年も既に上昇トレンドに乗っているようにも見えなくもありません。

他には、「スーパーカップ」の明治ホールディングス <2269> や「チョコモナカジャンボ」の森永製菓 <2201> 手軽なアイスクリームにも需要が高まると思います。
全国F展開、店頭販売が主のB−Rサーティワンアイスクリーム <2268>にも夏の恩恵が期待されるので注目しておきたい。

普段、何気なく食べているアイスクリームですが、こうして見てみると、なかなか奥が深いのかもしれません。
これから暑くなる時期に、美味しく食べられればそれで満足ですね。