株価2倍3倍続出の｢バイオ株｣、次なるお宝候補

ガンを克服する上でもっとも重要なことは「早期発見」である。

24日、国立がん研究センターなどは、血液1滴で乳がんなど13種類の癌を早期発見する新しい検査システムを開発、来月から臨床研究を始めるという。早ければ3年以内に国に事業化の申請を行う見通しと報道があった。

検査法では、細胞から血液中に分泌される、遺伝子の働きを調節する微小物質「マイクロＲＮＡ」を活用する。 同センターや検査技術を持つ東レ<3402>などは、がん患者ら約４万人の保存血液から、乳房や肺、胃、大腸、食道、肝臓、膵臓すいぞうなど13種類のがんで、それぞれ固有のマイクロＲＮＡを特定した。

血液１滴で、がんの｢病期（ステージ）｣が比較的早い｢1期｣を含め、すべてのがんで95％以上の確率で診断できたという。乳がんは97％だった。

東レ株式会社HP ｢高感度DNAチップ｣より

今後、マイクロRNAによるがん診断の研究が進めば、骨髄中の血液を採取し、乳がんに関係するマイクロRNAの量を測定し、再発しやすさをモニターすることができるようになるかもしれない。また、マイクロRNAを標的とした医薬品の開発にも期待が寄せられている。

こういった報道で、新興市場のガン関連銘柄が賑わいをみせている。

また、ガンに関連する特許や新薬開発、臨床試験の結果や販売契約などの材料が発表になると株価急騰している。
6月厚生労働省が、がんに関連した遺伝子の変異を一度に調べられる一括検査を保険診療で行えるようにする方針を固めた」と伝え、これが買い材料視された。

DNAチップ研究所<2397>やプレシジョン・システム・サイエンス<7707>がストップ高したり、テラ<2191>、トランスジェニック<2342>なども大きく買われた。
ここ最近のバイオ相場の火付け役となったアンジェス<4563>の爆発的な上昇に伴って、最近大人気になっている。バイオベンチャー企業は、このほかにも有望株が目白押しだ。

チャート出典：ストックウエザー株式会社

久留米大発の創薬ベンチャーで患者の免疫機能を活用したがん治療薬の開発を手掛けているグリーンペプタイド<4594>やで独自の抗体技術を理研発の創薬ベンチャーのカイオム・バイオサイエンス<4583> 、がん領域に特化し薬物送達システムに強みを持つナノキャリア<4571>、がんペプチドワクチン分野で先行してきたのはオンコセラピー・サイエンス＜4564＞ウイルス遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬及び検査薬の開発を行うオンコリスバイオファーマ<4588>など、今後の活躍が期待される銘柄群がひしめいている。

昨年、新たにがんと診断される人は101万200人で、昨年より約２万8000人増えている。

男性は57万6100人、女性は43万4100人。部位別では、大腸、胃、肺、前立腺、乳房の順に多かった。 死亡者数は37万4000人で、昨年より約3000人増える。部位別では肺、大腸、胃、膵臓（すいぞう）、肝臓の順になった。今後、胃が減り、大腸と肺は増え続ける見通しだ。

米国がん協会が公表した資料によると、米国では、死亡者が過去20年間で22％減った。1980年代にがん検診が普及し、早期発見されやすくなったためとされる。

日本でも死亡原因の1位を占めるがんは、早期の発見が治療のポイント。

治癒可能な段階で発見されたがんの場合、5年生存率が90%を超えるという統計もある。
がん克服へ期待高まっている。
その中で、バイオベンチャーにかかる期待は小さくなっているわけではなく、むしろ創薬の難易度が上がっているからこそ、注目度は増している。

株価が2倍3倍続出の「バイオ株」、次なる“変貌お宝候補”を探すのも面白いだろう。