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【どう見るこの相場】大暴落の日米株価の行方

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■日米とも中国ショックからの戻り相場一巡、日米とも景気見極めがポイント

 NYダウ、日経平均と大きく下げている。中国ショック安からの反発が一巡したためとみられる。今後はNYダウは利上げ後の景気の行方、日本は消費税を控え追加の量的金融緩和がどこで実施されるかが見所といえそうだ。

<Q>NYダウ、日経平均とも師走相場の期待が崩れ大きく下げているが。

<A>NYダウは去る、11月3日の戻り高値1万7977ドル(場中)に対し前週末には1万7230ドルと高値から約750ドル下げている。一方の日経平均も去る、12月1日の戻り高値2万0012円から14日場中では1万8611円と約1400円下げている。特に、日本のマーケットは指摘通り師走相場の期待は消え去ったといえる。

<Q>原因は何か。

<A>今回の下げは難しい話ではない。中国ショックで下げた反発相場が一巡しただけのこととみていいだろう。中国減速が言われているが、中国不安は以前となんら変わりはない。中国不安を承知で夏場から日米とも急反発していた。新たに材料が加わったとすれば原油相場が下げたことによるアメリカの資源関連株への影響が心配されたこと。日本では、黒田日銀の量的金融緩和に前向きでないことが嫌気されていることがある。

<Q>今後、どうなる。アメリカの利上げもあるのではないか。

<A>アメリカの利上げについては、以前から言われ続けてきたことだけに利上げが実施されてもほんとんど織込んでいるとみていいだろう。短期的にはNYダウは反発に転じるだろう。なぜなら、NYダウは8月安値からの上げ幅(2607ドル)に対し3分の1押しとなったことで、先行きはともかくひとまずは自律反発が予想される。日経平均も自律反発は近いと思われる。ただ、日経平均は9月安値からの上げ幅(3111円)に対し、半値押しまで下げNYダウより下げはきついので上値は厳しいとみておいたほうがいいだろう。

<Q>どういう点を材料視しておけばよいか。

<A>アメリカについては、利上げ後の景気と企業業績がどうなるかということに尽きる。今の景気・企業業績より向上することは考え難くく、問題は利上げ後、今の景気・企業業績を維持できるかどうかがポイントといえる。さらに、利上げが1度だけで終わるのかどうかも重要といえる。日本については、量的緩和がいつどの時点で実施されるかが注目といえる。2017年春の消費税が、食品の税を除外するなど実施の方向で動いているが、果たして、今の景気状況で実施できるのだろうか。どこかで、景気テコ入れが必要となるはずである。量的緩和など景気対策が決まれば日経平均は急反発に転じ、もう一度、2万円台が見込めそうだ。

<Q>個人投資家はどう動いたらよいか。

<A>8.9月の下げでは個人が果敢に買いに出て12月の戻り相場では見事に利食いして成功だった。今度の下げでも、買い下がりでよいと思われる。視線を変えて、株の在庫はどこに貯まっているだろうかと見れば、2013年以降の上昇相場では内外のプロの機関投資家が大きく買い越しておりプロのところに在庫は多いといえるだろう。どこかで売りたいと思っているから今後、個人はプロの玉を肩代わりしないように深追いをしないように心がけておきたいものだ。


(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)